「静かな演出、他者と分かちあえる幸せ」ドライブ・マイ・カー 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
静かな演出、他者と分かちあえる幸せ
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寡黙で思慮深い演出家が、妻の不倫を知りながら、衝突を避けるように黙っていて、妻が病死する。
2年後、広島での演劇舞台の演出を任されるが、ドライバーを当てがわれ若い女性が担当する。さらに、主役の応募に妻の不倫相手だった若い男性が応募し、合格する。
全体的に静かな演出。文学的な含蓄のあるセリフ。自分を深く見つめることが他者をみつめることになるような含蓄のあるセリフ。
自分の弱さを直視せず逃げていたことを悔やむが相手はもういない。ドライバーの若い女性も、過去、母親との確執があり、母は災害で目前で亡くなってしまった過去をもつ。お互いの過去を、自分をみつめることによって、お互いのこころを分かち合う。他者がいてよかったと思える瞬間ってこういうときなんだろうなと思います。
自分と他者、すれ違いはあるけれど、それでも手を取り合って生きていこうという、なんだか前向きになる映画でした。
約3時間あるので、映画館では鑑賞厳しいと思っていたんで、自宅で途中、2回小休止を挟んで観ることができてとてもよかったです。但し、カットの寄りと引き、編集のリズムがよかったので、時間ほど、長くは感じず観ることができました。
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