「かしこそうな作品」ドライブ・マイ・カー アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
かしこそうな作品
「木根さんの1人でキネマ」というマンガで「アカデミー賞ってどんな作品が取るの?」という質問に対して「かしこそうな作品よ」という答えがありまして、本作は正に「かしこそうな作品」でした。アカデミー賞にノミネートっという話題性につられて観に行ってしまったのですが、やっぱり無理でした。
そもそも個人的に村上春樹が苦手なんです。10代とか20歳前後とか若い頃はよく読んでいたのですが、大人になって読むと登場人物の大人としての責任感の無さに辟易してしまって。近年の作品もキャラクターが昔っから変わらないんですよね。ずっと責任感の無い大人しか書けない作家という印象です。で、そんな村上春樹の原作の映画が好きになれるはずもなく。
車の中での告白とか時におっと思う演出はあったのですが、総じて観てるのが辛い3時間でした。
もしかしたら、無責任な感じに見えるのかも知れません。
なので、最近の作品も誰か寄り添うべき人のことを想定してるのかな、と想像しながら読むと、関わりの範囲が広がって見えてくるというのは、私の実感としてはあります。関わりの範囲と責任感は別の話のようでいて微妙にリンクしているように見えないこともないのかな、なんて思ったりします。
なんか回りくどくてすみません。
おはようございます。
小説の受け止め方について、あれこれと干渉するつもりはまったくないのですが、もしかしたら多少は景色が違って見えるかもしれないので、ひとことだけお邪魔します。
村上春樹さんの姿勢については、元々他者との関わりを避けるデタッチメントから始まり、神戸の震災や地下鉄サリン事件以降、コミットメントに変わったと言われてます。ただ、変わったと言っても個人の内面(の闇の部分)を描くあたりはたぶんあまり変わっていないので、