「感じるままに生きて、そして素直に表すこと」ドライブ・マイ・カー グリーンさんの映画レビュー(感想・評価)
感じるままに生きて、そして素直に表すこと
周囲にいつも笑顔と元気を振りまいていた、辛抱強いシングルマザーの知人を思い返していた。
その方は、40代にして癌で亡くられた。
祖父は品格を重んじ、慎ましく穏やかな暮らしに勤しみ、また他者に対して非常に寛容な人であった。
最後は胃癌で亡くなった。
嘘、誤魔化し、過度な無理や我慢、
目には見えないブラックボックスに投下されたそれらのエネルギーは、消失することはなく、確実に溜まり、小さく小さく自身を蝕んでいく。
身体症状なら表面化しやすい分、まだ対処も改善の為の行動も起こしやすい。
では、心は?
自分以外には触れられず、見つけられず、時に自分でさえも見失ってしまう。
けどそれは、決して消失したわけではなく、確実に積み重なっていき、そしてある時突然、破裂してしまう。
バーンアウトもその類。
人間の身体も、頭も、心も、更に視座を上げれば地球や自然も、嘘や誤魔化しは効かず、適正な許容サイズの中で淀まぬよう絶えず蘇生と修復を繰り返しながら営んでいる。
不自然なままに放置しておけば、それ相応の形が訪れるということ。
それもまた運命と嘯いて繕うのか、不恰好でも自分に正直に生きるのか。
正直に生きる、弱さも醜さも認めて受け入れて、ちょっと晒して、それでも這いつくばって生きる、、ことが出来たなら。
どう生きても、運命はやってくる。
走らせよう、自分を乗せた車を。
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