「所々に凍りつくようなベストショットが…」ドライブ・マイ・カー フラさんの映画レビュー(感想・評価)
所々に凍りつくようなベストショットが…
脚本や構成はおいておき、この映画には武者震いするほど美しいショットが所々入っています。
映画史上に残るだろうという映像です。
それが濱口監督らしからぬミドルショットであったりクローズアップであっありするから濱口監督の進化がすごい!と手叩きしたくなります(もちろん伝家の宝刀ロングショットも素晴らしいものがあります)。
しかし、内容が万人ウケするものではないので、ニワカの観客が観てもポカンとなるのが目に見えます。
チェーホフをからめた多言語の高尚な芸術に一般大衆がついていけるのか…。疑問でしかありません…。
前作もそうでしたが、一部のマニアにしか受け入れられない作品は映画としてどうなのか…という事です。
あ、あと追記しますが、現在海外でワールドプレミア中の某監督作品にも言えることなのですが、ある一定の団体(というかグループというか…いわゆる派閥)から支持を受けた作品はカンヌ、ベルリン、ヴェネチア 、ロカルノで知名度を上げています。
数年前に騒がれてた監督も一時その団体の方々がかついでいました。
ようするにある強い力が作用してのし上がっていく映画があるのです。
世間が賞レースに賑わっていると、なんとなく良い映画なのだろう…と思いがちですが、賞に惑わされず色眼鏡を外して観た方がいい。傑作というのは、作品とは無関係な所で勝手に作られていくことがあります…
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