「私を救済する物語」ドライブ・マイ・カー ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
私を救済する物語
長い長い時間をかけて、私は私と対話し、私は私を許し、私は私を救済することができた。私は私を救済したことによって、やっと、心から私を愛してあげることができた。
他者とのちょっとした出会いだけで、私は私を救えるんだな。多分、救われる人と救われない人の違いは、こんなちょっとした違いなんだ。だから、人生なんて全てがちょっとしたことなんだって、知ることができた。
邦画にしては珍しく、自立的で個人主義的で突き放した作品だったので、国際的に評価されたのもうなづけました。素晴らしかった。
「私はひとりだ」ということを良い意味で実感したと同時に「私もひとりだ」ということを他者と共有できる。そんな作品。それが、とても心地よく感じる作品。一期一会でも、他者と出会いたいな。
私も完全にこちら側の人間なので、全く集中力が途切れずに、ずっと心地よく作品の中にいることができました。
「何故、私は生きるのか?」と考えてしまう、哲学好き、文学好き、内省好きの方はハマる作品だと思います。
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NOBUさんのコメント
2022年4月2日
おはようございます。
私はこの作品を観た際に、近年殆どなかった凄いカタルシスを得ました。
拙レビューにも書いた”暫く、席から立てなかった・・”と言う程のモノでした。
”哲学好き、文学好き、内省好きの方はハマる作品だと思います。”
成程。
哲学好き、文学好きはその通りですね。(私、あんまり内省的ではないのです・・。スイマセン。)
ミカさんの新しい生活に幸多き事を、遠く三河の地から祈念しています。もう、春ですしね!では、又。