「ぐっとくるけど、説明過多では」ドライブ・マイ・カー ユウコさんの映画レビュー(感想・評価)
ぐっとくるけど、説明過多では
クリックして本文を読む
原作未読。
とにかく車の走る風景が美しい。台詞より俳優の姿で画面で語る絵作りも映画的で好ましい。
繰り返し流れるカセットテープの妻の声も、棒読みがだんだん心地よくなる。また、芝居の稽古の場面も、あえて棒読みを強要していて、感情押さえ気味の俳優たちや外国語のせりふとあいまって独特の世界を作り出している。音楽もよかった。
コミュニケーションができそうでできないもどかしさと、つながりを感じたときの喜びと開放感と。それを直接的に体現しているのが韓国人で手話のユナ。通じないのが当たり前のところから見える世界に、心を閉ざした家福とミサキも触発されていく様がクライマックスへとつながる。
が、そのミサキ。過去があり無口で自分のことはなにも話さないのだが、彼女の母親と家福の妻のこととリンクさせる為なのか、最期の告白的なシーンでばーっと明かされる母親の説明は設定盛りすぎでは?急にそんなのぶち込まれてもなあ。なくてもストーリーは全然問題ないのになあ。
ラストがミサキが韓国で家福の車をマイカーとして犬までつれて乗ってるという、説明はないけどいい余韻があったので、終盤もやもやさせられたのが残念
コメントする