「なんて美しき世界観!」ドライブ・マイ・カー あささんの映画レビュー(感想・評価)
なんて美しき世界観!
静かで儚く美しい
原作未読ですが、脚本が素晴らしい。
次は?次は?と早く知りたい衝動に駆られて画面から目が離せない、離したくない。伏線からの回収も巧みなため、3時間の長編作品とはいえ全く退屈なく鑑賞できます。
本作の一番の魅力はストーリー、登場人物共に“ミステリアス”であること。
とくに音が色っぽく知的で魅惑的、女の私でさえも惹かれちゃう(理想的な大人の女性像だわ)。家福と音とのベッドシーンも美しい。
『どれだけ強い絆で結ばれていても、愛し合っていても、結局のところ他人の心はわからない。だからこそせめて自分自身と真っ直ぐ深く向き合う必要がある』高槻演じる岡田将生くんの言葉が刺さる。
自分に正直に生きていくこと、意外とできてなかったりするんだよね。また、愛する人を失った“喪失感”とどう折り合いをつけて生きていくか、残された者は哀しみ乗り越えて残りの人生を生きていくしかない。
東京、広島、北海道、韓国と舞台は変わっていくけど、瀬戸内海の景色、北海道の雪景色が印象的だった。雪道を車で走らせる時の無音のシーン、雪景色に溶け込んで素晴らしかった。そもそも本作はバックの音楽がほとんどなく静謐で、劇場内にもどことなく張り詰めたような柔らかな緊張感が迸っていた。
そして最後の韓国のシーンあれは観客に答えを委ねているのだろうけど、韓国での公演をしてたってことでいいのかしら?マスクしてたからコロナ禍だし…謎。ただ、みさきの表情が明らかに明るくなっていた。
最後に一つ、音が愛する夫が居ながらもいろんな男と寝ていたのは、心身共に満たされていなかったことに加えての単純に性欲が強過ぎただけじゃなくって?
久々に長い余韻に浸っている。
もう一度観たい、何度も観たい!
みかずきさん、コメント共感ありがとうございます😊
みかずきさんすてきなレビューです!
会話劇は繊細でしたね。そして手話を加えた多言語劇はまさに多様性を感じ、邦画色は薄れました。
あささん。
みかずきです。
共感ポイントありがとうございます。
主人公、みさき、高槻の会話劇の部分は、邦画らしい、緻密さ、繊細さを感じました。
手話も加えた多言語演劇は、多様化する世界を作品に反映したものだと推察しますが、前述の会話劇に比べ、邦画らしさは感じられませんでした。
主人公は、自分自身を知ること、深く向き合うことにの大切さに気付きますが、それは我々観客にも当てはまると感じました。
観終わった時、主人公のこの言葉は、邦画にも当てはまると感じました。
邦画が世界的評価を高めるためには、邦画の良さ、邦画らしさとは何かを見つめ直して、世界にアピールして欲しいと感じました。邦画らしさというアイデンティティを大切にして欲しいと思いました。
では、また共感作で。
-以上-
しゅなさん、コメントありがとうございます😊
はい、私も数日間今作引っ張りました笑
みさきの頬の傷薄くなってましたよね!
韓国のシーンはもう一度確認したいところなんです。
上映されているうちに、もう一度行っておかないと💦
こんにちは。
未だに余韻に浸ってます。
ラストの韓国のシーン。
まずみさきの頬の傷が薄くなっていたのは、誰かの力でお金のかかる手術を受けられた…んですよね。
韓国のナンバーや映画祭スタッフのワンちゃん、みさきがそこそこ韓国語を喋ってた,というのがどうにも謎です。
車もワンちゃんも一緒に住んでる?
るーさま
コメントありがとうございます!すみません、返信遅くなって。
ラストのシーンは様々な解釈がなされています。車のナンバーが変わっているし、、、。観客のそれぞれにかいしや解釈を委ねているのかなと、、、、、難しいですね😭
あささん、初めまして。ラストシーンの謎が解けました◎
なるほど〜。ユナさん夫婦が飼っていたワンちゃんも乗っていたし、きっと韓国公演でキャスト&スタッフこぞって移動してるんですよね。
ドライバーの仕事と飼い犬を預けるって、みんながそこまでみさきを信じてるってことで、とても温かい気持ちになりました。
ありがとうございました🙇♀️🙆♀️
みさきははじめから脇役っぽいですが、頬に傷のある訳あり、、という感じですね。
車でマスクをとった時に、傷が薄くなっていました。コロナ禍のマスク演出で1番良かったです。
男からしたら、どうしても分からない女性の言動について、理屈ではない神秘性を感じていて、それをなんとか言語化、或いは映像化しているのかなぁ、と私は捉えています。
男にとって、本当に女性は神秘的で魅力的なのだと思います。
原作では、こんなやりとりがあります。
みさき「奥さんはその人に、心なんて惹かれていなかったんじゃないですか。だから寝たんです。女の人にはそういうところがあるんです」「そういうのって、病のようなものなんです、考えてどうなるものでもありません。(中略)こちらでやりくりして、呑み込んで、ただやっていくしかないんです」
家福「そして僕らはみんな演技をする」
みさき「そういうことだと思います。多かれ少なかれ」
余韻の残るうちに是非、原作も…🙏🏻
こんにちは
ソーニャを演じた女性が、手話でアーニャ叔父さんを演じる家福に韓国手話で語り掛け、勇気づけるシーンは白眉でしたね。
彼女は耳は聞こえるという設定も秀逸でした。
劇中劇の使い方も絶妙で。
個人的な感想ですが、余韻が凄い作品でした・・。では。
今晩は
私の様に冗長ではなく、今作の素晴らしき点を的確に書かれた素晴らしきレビューですね。
”自分に正直に生きていくこと、意外とできてなかったりするんだよね。また、愛する人を失った“喪失感”とどう折り合いをつけて生きていくか、残された者は哀しみ乗り越えて残りの人生を生きていくしかない。”
今作のメインテーマであるこの部分の描き方が、沁みました・・。では。