ヴァニタスのレビュー・感想・評価
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知らないくせに一緒にいた
「お前に何が分かるんだよ」とか言い合うけど、特にお互いのことを深く知りたいわけでもなく、それでも一人ではなんとなくいづらい広い大学の中でなんとなくつるんでいた4人のある「時間」。 それを実験的な映像を含みながらも丁寧に描いた作品。建物の広さを存分に使って人物の動きを見せるのが面白かった。 ストーリーはあるようで、無い…。ただある時期特有の「感情」を描く為だけにシーンを連ねているようにも見える。 だんだん何か起こってきて、それが不穏な雲行きを見せるのだけれどそれが何なのかはあまり語られない。 そして終盤の主要キャラクターの行方には特に驚かされる。ラストシーンを際立たせる為なのか分からないが、そうだとしてもどうなの?など考えてしまう。その他のキャラクターもそれぞれ問題を抱えているもののその描写も決して細かくはないので疑問符を抱えながら観ることにはなる。 それでも4人で過ごす時間が大切だったことは伝わってくる絵づくりだったと思う。ていうか、男なんてほんとはこんなもんで事細かに自分の事とか言わないでなんとなく一緒にいたり、去ったりを繰り返してるもんなのかなと思うような空気感もあり、それはそれでリアルな気もした。 そういう意味では「佐々木、イン、マイマイン」に通じる空気感を感じる。今後他ジャンルも撮れる監督なのか期待するところ。
オシャレだけどね
ぴあで昔拝見した映画。 お洒落なインディーズ監督が気を張って、オシャレなPVを撮ったんだろうなあって、見てました。自殺のくだりとか観てると、この監督は人の生き死にまでファッション感が強い映像で推していくので、それはそれで観れたけど、観賞後に何も残らないダメ映画でした。 オシャレがしたいのなら、映画を選ぶなって感じですかね
イカロス
大学1年生で知り合った、プライベートをあまり明かさない、距離感のある友人4人組の話。 金のこと、怪しい仕事のこと、家業のこと、ジェンダーのこと、とそれぞれ抱える登場人物達が趣味か遊びか校内の体育館や喫煙所に集まりすれ違っていくストーリー。 誰となく何となく集まりバスケをして遊んだり、ダラダラまったり過ごしたり会話したり…それでいて、心が通っている感じはしない面々をみせていく展開。 主にみせるのは2人だけど、話が4人に分散するから、余り深く描かれている感じが無く、中盤を過ぎるまで何をみせられているのかと微妙に感じる。 終盤は話が動き、感じるものもあるけれど、文句ばかりで何がしたいのか、アイデンティティは何処にあるのか、は全員に感じるし、哲学的なところまでそもそも論を言うならば、全ての人の全ての行動と全ての思いは自己満足ですからね…。 空虚は間違いないし、ラストは嫌いじゃないけれど、それに至る背景を示す描写はなんとなくだけで、なぜにそこまで…? 雰囲気だけとは言わないけれど、ボヤケてしまって、正に無虚しかった。 余談だけど、作中で出て来た携帯はP901iかな?ということで時代は2005年。 何でわざわざ一昔前の設定にしたのかも判らなかった。
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