劇場公開日 2020年11月20日

「【『市民ケーン』を創作した、脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツの生き様をゲーリー・オールドマンが流石の演技で見せる。MBM関係者を含め、『市民ケーン』創作に関わった人々の姿も興味深い作品である。】」Mank マンク NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【『市民ケーン』を創作した、脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツの生き様をゲーリー・オールドマンが流石の演技で見せる。MBM関係者を含め、『市民ケーン』創作に関わった人々の姿も興味深い作品である。】

2021年1月2日
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鑑賞方法:VOD

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■『市民ケーン』のモデルと言われる、ウイリアム・R・ハースト(チャールズ・ダンス)の愛人であり、女優でもあるマリオン・デイヴィスをアマンダ・セイフライドが華麗に演じ、敵対する筈のマリオンと、マンクが不思議な友情で繋がれていく過程が良い。
彼女とマンクの月夜の噴水の傍でのロマンティックで粋な会話。
ー マンクは、マリオンが出演する作品が10作以上ヒットしていない事実と、彼女自身が女優としてはすでに終わっている事を自覚しつつ、ウイリアム・R・ハーストの愛人になっている事を知っているのである・・。-

■効果的な回想シーン
 ・1933年のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MBM)の創始者の一人、ルイス・メイヤーの48歳の誕生日のシーンから始まり、

 ・彼が、MBMの従業員、俳優たちに給与を半額にすることを”依頼”するシーン。

 ・ウイリアム・R・ハーストについて本を書いた”弱者の視点に立つ”アプトン・シンクレア”がカリフォルニア州知事選に民主党から出馬し、MBMが推す共和党の”フランク・メリアム”との選挙戦を”MBM関係者たちの会話の中”で、伝える手法も良く、

 ・1936年、アーヴィング・タルバーグの葬儀のシーンも、アメリカ映画史の一区切りがついた・・、という象徴的なシーンとして使われている。

<反権力の思想を持つハーマン・J・マンキーウィッツが、保守的思想が蔓延る当時の映画界の中で惑いつつも奮闘する姿を、ゲーリー・オールドマンが流石の演技で見せる。

 常に弱者の側に立ち、温かき心を持ち、”不器用”に生きたマンクが、自分の意志を貫き、『市民ケーン』により、アカデミー賞脚本賞を獲得した生き様に魅入られる。

 現代社会への皮肉、警句も感じさせる作品でもある。>

NOBU
kossyさんのコメント
2021年5月5日

NOBUさん、コメントありがとうございます。
MGMのライオンがレオくんだということも知りました。
けっこうウンチクがいっぱいの作品でしたね~
特に資本家と労働者たる映画人の関係など、まさしく反骨精神をかいまみせるマンクの姿が印象的でした。

kossy
talismanさんのコメント
2021年2月19日

頭ん中がきれいに整頓されました!ありがとうございます。

talisman
talismanさんのコメント
2021年2月18日

NOBUさんのレビューで、頭の中、整理できました。

talisman