「果たしてテロに屈しない姿勢とは?」ある人質 生還までの398日 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
果たしてテロに屈しない姿勢とは?
ワンデーパスポートでたまたま時間が合い観賞
事前にはあまり知りませんで
デンマークの若い写真家ダニエルがISISに拘束され
身代金要求のせめぎ合いの後奇跡的に解放された
実話を基にした映画
感想としては
ここんとこのコロナ禍ですっかり注目が下がった
シリア情勢ですがやはりテロリズムとの戦いという
図式も改めて忘れちゃいけないと思いました
そしてテロと戦うと一言で言ってもそれはどういう
事なのかと考えさせられました
体操選手の夢を絶たれ写真家として食っていく
つもりだったダニエルはISに拘束され
人質解放の交渉と家族の身代金の工面をめぐる
駆け引きが展開していきます
政府はテロに屈しない方針から身代金を用意せず
家族は民間からお金を集めますが身代金を払うことが
テロに加担することになるのではないかという意見も
見られ金策は難航します
前から思ってますがこの論調っておかしいと思います
テロリストは国家に攻撃するために誘拐をしますが
被害にあうのは個人で身代金要求はビジネス
なのだから払ったところでテロに加担とは
ならんだろうと思います
むしろテロに加担すると考えてしまうほうが
テロリストの思うつぼと思ってしまいます
日本も同種の人質事件があり自己責任論など
展開されましたがあれはあまりに「うさんくさい」
人が人質になったのでああなってしまった感じでした
途中韓国人と名乗ったりね
民間企業の人が拘束されてああなったのなら
全然論調は違ったと思います
報道に関しても家族が身代金の工面をしている
事をマスコミがかぎつけ抑えようとしますが
言論の自由があるといった言葉が出てきます
自国民に生命の危機が及ぶ段階で権利も
へったくれもありません
昨今のメディアは自分たちの正当性を
自分たちで決めてしまうのでもう目にする価値すら
殆どありませんがテロリストを憎む以前に
こうした扱い方のおかしさでテロリストを助けて
しまう現実にももっと目を向けなければいけないと
思いました
150分はちょっと長いかもしれませんが
今の時期だからこそこうしたテーマの映画も
観ておくに限ると思いました