「童話ベースだけれども新鮮みのある綺麗で儚い映画」マーメイド・イン・パリ スクラさんの映画レビュー(感想・評価)
童話ベースだけれども新鮮みのある綺麗で儚い映画
試写会にて鑑賞。幻想的で優美なポスターから想像した期待を裏切らない絵本のような独特で素敵な世界観が織りなされた映画だった。
一度歌声を聴けば、相手の心を虜にし、死に至らしめる人魚ルラとその歌声すらも響かない壊れた心を持つガスパール。恋を知らないルラと恋を捨てたガスパールの非対称性が紡ぐ儚い恋物語。
オープニングの演出からとても心惹かれた。(オープニングの絵でポスターほしい・・・!)
水中のシーン、ルラとガスパールの想いが交差して、とても幻想的で見惚れてしまった。
手を伸ばすけど、届きそうで届かない。それはルラの心を表現しているかのようだった。
歌えば人を殺してしまうルラの存在、ちょっとさじ加減を間違えると暗いばかりのストーリーになってしまうけど、そこはガスパールの良き隣人ロッシがいい塩梅に明るさを取り入れてくれた。
悲恋に感じる人もいるけど、私はこの二人にはきっと素敵な未来があるのだろうなと思う。
少しずつ惹かれ合う二人の心理描写が儚く印象的で心に余韻を残してくれる映画だった。
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