「【ノーマルの居心地の悪さ】」MISS ミス・フランスになりたい! ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【ノーマルの居心地の悪さ】
NHKのドラマ「ここは今から倫理です」で、引用されていたショーペンハウワーの言葉。
「我々は他人と同じになるために、厳しい自己放棄によって、自身の四分の3を捨てねばならない」
ノーマルとはこうしたことなのだろう。
確か上智大学のミスコンが、従来の容姿中心のものから、全く違うものになると云う記事を読んだことを思い出した。
この作品のミス・フランスをめぐるコンテストにゴミ拾いがあったり、環境問題を取り上げたり、単に男性の好奇の目だけで、女性のボディを注目する時代は終わりを告げつつあるのだと改めて感じた。
そして、多様なジェンダーを考えたら、こうしたコンテスト自体が近い将来無くなるのだろうとさえ思う。
「ファースト・ラヴ」でも取り上げられていたように、男性の好奇な視線で女性を見定めると言うこと自体が実はおかしげなことなのだと思わせられる。
「流行に囚われると本質を見失う」
僕達は、流行を変化のように思いがちだが、有色人種の参加者だけが多様性の解決ツールではないはずだ。
常に価値観は変化し続けているのだ。
だから、本質は何なのか問い続けなくてはならないのだ。
目指したミス・フランスにも答えはなかった。
答えはきっと、あのボロアパートの中にあるのだ。
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