「色鮮やかな世界が目に飛び込む」すくってごらん bluewaveskyさんの映画レビュー(感想・評価)
色鮮やかな世界が目に飛び込む
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たまたま床屋のFMラジオで『金魚すくいの映画が〜』ってフレーズが耳に入り、金魚と言えば大和郡山、理髪師に大和郡山城の石垣がいかに美しいかという話をした(今から思えば変人やね)。あっ、あの映画かと思い鑑賞。
四角い顔の尾上松也扮する地方移勤となった銀行マン香芝にいざなわれ、大和郡山風の古き良き通りの角を曲がると、色彩鮮やかな綺羅びやかな世界が目に飛び込んでくる。ここで百田夏菜子(吉乃)らしき金魚風の着物を纏った可愛らしい女性が後ろ姿で出てくるのだが、その世界の鮮やかさにハッとさせられ、なぜか涙腺が緩んだ。
この映画は普通の映画かと思いきや、突然はじまるラップなど多様な楽曲を織り交ぜたミュージカルでテンポ良く進む。柿澤勇人、石田ニコルらの音楽センスも抜群でキャスティングが光る。
私事だが金魚すくいがヘタで、すぐ破れて、すくえた試しが無かったように思う。柿澤演ずる昇のように金魚をいっぱいすくいたい欲望に駆られるが、香芝に金魚すくいを指南する吉乃のセリフの『追い掛けたらあきません。待つんです』というのが、この映画のテーマとなっている。
今井町らしき町並みを背景とした映像が美しく(後で調べたら今井町に映画に出てくる金魚のマンホールや、吉乃の金魚すくい店のロケ地、台本など撮影資料を展示するカフェもあり、また今井町は4月と6月に公開予定の『るろうに剣心最終章』のロケもやっていたそうです)、月並みだが橿原や大和郡山を訪れたくなった。
鑑賞後も映画グッズコーナーでポイを探す(そんなものあるかどうか知らんけど…)自分がいました。
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