オクトパスの神秘 海の賢者は語るのレビュー・感想・評価
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おもしろ映像を使ったフィクションと捉えるべきか。
アカデミー長編ドキュメンタリー賞を獲ったことでにわかに注目を浴びている作品だが、ややこしいことを言うと、ドキュメンタリーの定義について考えさせられる問題作だと思う。 邦題の「海の賢者は語る」については、原題も似たニュアンスだが、むしろ人間側が一方的に学んでいるのであってタコはなにも語っていない。あくまでも「タコはこう考えているいる気がする」という人間側の解釈なので、あくまでも「ヒトの主観」を描いた作品と考えたほうがいい。 もうひとつ気になるのは、劇映画風の撮影と編集は、ドキュメンタリーにおいてどこまで許されるか問題。もちろんケースバイケースなのだが、この映画を額面通りに受け取るには、カメラの切り返しなどからカメラマンが二人いるのがわかるし、相当に編集によって構成されているのもわかる。「ほぼひとりで一年間海に通い続けました」ではこの映画はできない。 じゃあ「◯◯の協力を仰いだ」みたいな説明がひとつ入るだけで済むことなのに、この映画はドラマ性を優先してそういう手間は省いている。まあ、面白いので作品がダメっていうんじゃなくて、限りなく再現ドラマみたいなものなのかなと思っています。
タコに驚き、感謝したくなる本年度オスカー受賞作
生きているタコを手で持つと吸盤が皮膚に吸い付いてきて離れなくなる。我々がタコに関して知っている数少ない事実の持つ意味が、このドキュメンタリーを観ると軽く覆される。仕事で燃え尽きた主人公の博物学者が、南アフリカ沖の深海で出会ったメスのマダコは、足繁く訪問してくる相手を認知し、岩場の陰から足を出してそっと腕に纏わり付かせて来るのだ。まるで、知り合ったばかりの友達に恐る恐る挨拶するように。目を疑うそんなキラー・ショット以外にも、カメラはあかざエビを捕獲するときのマダコの頭脳プレイや、天敵であるサメの裏をかく決死のサバイバル術とか、海藻や岩に同化する雲隠れの術とか、タコという未知の生物の知られざる生態をつぶさに捉えている。他のいかなる生物とも異なる進化を遂げてきた軟体動物の素顔を。本年度のアカデミー長編ドキュメンタリー賞に輝いた本作は、地球上にはまだまだ知られざる領域が存在していること、自然の偉大さと生命の神秘はもちろん、人間もタコも同じく、この地球で、限りある時間を共有していることを実感させる。マダコとの交流で心が傷ついた博物学者がいつしか再生されるように、我々もまた巡ってくる新しい時間に向けて漕ぎだそうという気になれるのだ。タコに感謝なのである。
Sea Creature Personified
An earful of a diver's story of befriending an octopus. You will find yourself more in tune with these creatures, and maybe you will feel a little more guilty about eating them. The music is a little serious for this light-hearted tale. However, it is fascinating to watch a human bond with such a distant relative in the evolutionary chain. Amazing handheld shots and clever editing encapsulate.
異種族間の愛の物語
ドキュメンタリーというよりは、異種族間の愛の物語だと思った。タコとの交流に僅かながらエロスすら感じてしまう。
海藻の森は神秘的だし、そこに住まう生き物たちは生命力に満ちている。生き物って(良い意味で)きもちわるいよなぁ、とあらためて思ったりする。作中で言及されていたように、並のSF映画よりずっと刺激的な世界である。
しかし、本作は男の主観によって語られる物語という趣が強く、ひいてはそれを基に映像を解釈する我々観客の主観によって成り立っているものである。海藻や魚やタコがインタビューに応じてくれている訳ではない。こんなこと考えてしまうのは、何というか我ながら無粋だし、ロマンがない。けどやっぱり、自分の中では、人間と自然界の間には絶対的な境界線がある。それを越えて生まれた物語は、フィクション性が高く、作り物っぽく感じてしまう。自然界が人間のことを分かってくれるなんて、そんな都合が良いことあるのだろうか、という邪念が最後まで消えなかった。自分にとっての自然との共生には、相互理解や信頼関係みたいなものは含まれないのかもしれない。ちょっと乱暴な言い方だけど、利用し合うという方が近いのかもなぁ。
それと、そもそもドキュメンタリーって何だ?という疑問が生じた。人間がタコに感情移入してしまうというのは面白いし、タコが心を開いた(ように見えた)のも興味深いけど、やっぱり主観と編集が入りすぎな気もする。でも男にとっては起きた事実の記録なんだろう。
追記 2023/11/12
ドキュメンタリーをドキュメンタリーたらしめているものについて考えてみる。それは客観性ではないか。人や物事を、一歩引いて見る視点がドキュメンタリーに必要なのだと思う。本作で言えば、インタビューのシーンはあったものの、カメラの視点や語りは男性自身であった。それだと、撮影する人間と、取材対象の男性が重なってしまっている。そこには客観性はなく、主観的な「記録」が出来上がっていく。
フィクションの良さは、表現性の高さ、自由度だと思う。そういう意味で、ドキュメンタリーは制限された手法なのかもしれない。しかし、その制限の中で、客観性を保ちながら確かな事実を記録し、積み重ねていくことで、現実に対する切実な映像的強さを生み出すのだと思う。
日本人のタコに対する見方を問う映画
ドキュメンタリー映画に対する考え方は、人それぞれだと思います。私は難しい事はひとまず横に置いて、日本人のタコへの接し方と見比べながら観て欲しいです。 私は、日本人の一般的なタコへの接し方は、蛸壺で捕獲、ぶつ切りにして刺身orたこ焼き等に利用、と考え、知性のある生き物としてというより、食材として見ていると考えています。 この作品の撮影者は、少なくともタコをひとつの命として考え、子育てをする母親として見ていると思います。 たった一年の命のうち、彼らは外敵から身を守る術を培い、自らの糧を得る為の術を培い、愛を育み子を護り生涯を閉じます。 私はこの作品を観て少なからず今まで当たり前に何も考えずに食してきたタコに対して罪悪感が湧きました。 日本人が日常的に行う「いただきます」や、「感謝」など、彼らが欲しておらず、【自由に生きること】こそが彼らが最も欲しているものだと確信しました。 私は彼らの命に感謝し、可能な限り命を奪わずに生きる選択をしていきます。 是非ご家族でご覧ください。
面白かった
タコと人間の奇妙な友情。タコは知能が高いらしいが、いかんせん海の生き物なので犬や猫のように人間のペットにはならなかったんだな、と思った。人間が海の生物だったら、今の犬猫と同じような関係になったかもしれない。
まさかタコの映画で泣くとは思わなかったMy #Octopus #teacher
知人にも勧められたのと、ネットでも絶賛されていたので前々かや気になっていました。 私自身泳げないですし、タコに馴染みもないので、最初そこまで期待してなかったのですが、身始めたらみるみる引き込まれ、泣いてしまいました。 彼は初めからsheと呼んでますね。 もはや恋?と言うか、この映画自体、"彼女"へのラブレターのようでした。 前にタコの知性について描いた本を読んでいたのでどれだけ頭がいいかは知ってましたが、これをみてさらに驚愕となりました。 最近、人間の残忍な行為を暴くネイチャー系ドキュメンタリーばかり見ていて人間にげんなりしていましたが、なんだか心から癒されました。 特に疲れている方に見て欲しいです。 私は泳げないので、潜れる方が羨ましい。 原題、My Octopus Teacher っていいですね。 また見たいです。 深く感動しました。
とてもよかった
TBSラジオ『伊集院光とらじおと』でずいぶん前に紹介していてずっとマイリストに入れていて、あんまり食指が動かなかったのをようやく見たのだけど、とてもいい。
タコなんて、釣りをしていて時々掛かったらラッキーで、持って帰ってゆでて食べていたのだけど、想像を絶する交流ぶりで、恋人みたいになれるかと思うとタコに対する意識が変わる。
サメに襲われているときは気が気でない。サメの背中にひっついて助かるとは、漫画みたい。
未来少年コナンみたいに素潜りがうまい。あんなに泳げたらさぞ楽しいだろう。
カメラマンが別にいたのか、本人じゃない役者さんを本人役にしていたのかと思うような構図で、ご本人が泳いでいるところは後から別撮りして編集したのかな。
彼女の生涯
タコについて、そんなに深く考えたこともなかったが、本作を観るとやはり少なからずとも影響は受けると思う。 主人公クレイグ・フォスターが通称"ケルプの森"という南アフリカ海岸の藻場が広がる海中で出会うメスのマダコとの交流は、密接なコミュニケーションの積み重ねにより、種の領域を超えた信頼関係へと発展していく。 タコの知性たるや、犬やねこと何ら変わりなく、手足(または触手)を振って合図したり、直接触れたり、最終的には体に抱きついたりと、本当に野生動物かと思うほどコミュニケーション能力が高い。 出会いから別れまでは1年ほどとあまりにも短いが、数ある動物ドキュメンタリー作品のなかでは群を抜いて心に響く作品だと思う。 また、本作はある意味、ラブストーリー的な解釈もできるとは思うが、原題の「My Octopus Teacher」というタイトルは、もっとシンプルに"生きるとは何か"を教わったという思いを表しているのではないかと思う。
過去一面白いドキュメンタリー!
めちゃくちゃ面白かった!!一匹のタコの元に足繁く通い、心を通わせていくドキュメンタリー作品。その語り口や編集の妙に大いに乗せられているとは思うが、人間とタコの信頼と愛情(恋愛感情とも言える)を目の当たりにしたようで、とにかく観たことの無いエンタメドキュメンタリーだった。
ナショナルジオグラフィック→人
驚くようなタコの生態とゲルプの森を取り続けたナショナルジオグラフィックのような作品だが、その実、撮影者本人の人生の行き詰まりからの脱出物語。 寝落ちしたので、2回に分けて鑑賞。 「彼女」と呼ばれるタコと自然にに心救われたんだね。 そこが受賞の意味で、話題になったんだろうけど、やっぱり私にはナショナルジオグラフィックでした。いい意味で。 まだまだ謎が多いタコの生態をこんなに事細かにまとめた映像は見たことがない。海洋動物好きには驚きと興奮がある作品。 タコが知性が高いが故に、環境保護団体が漁獲禁止を叫んだりしないか心配になる。
愛しのタコーロマンチストとエゴイスト
第93回アカデミー賞(2021年)ドキュメンタリー部門賞受賞作品。 面白かった! 子どもと観に行っても、カップルで観ても、一人で観に行くのもおススメ!の作品です。 南アフリカの「海藻の森」と呼ばれる特定のエリアを定点観測のように海に潜って、出会ったSHE(彼女)、タコ。 サメも泳ぐ危険な海域で、用心深く、高い知能で身を守りながら、必死で生きるタコに心惹かれて、一年以上毎日、同じ海に潜り、彼女を見守り続けたドキュメンタリー映像作家クレイグ・フォスターさんの、海の生物への愛があふれ出る作品。 西洋では「悪魔」として忌み嫌われるタコも、サメのいる海では弱い存在で、生きるために身につけた知恵、機転の早さに驚かされます。サメに狙われる彼女に「逃げて!」「頑張って生きて!」と心の中で叫び出したくなります。 被捕食者のしての彼女と、捕食者としての彼女の顔。貴重な生の営みや、曲線を描いてエレガントに踊るように泳ぐ彼女、鋭角的に体をとがらせてロケット噴射のように危険な場所から脱出する姿はSFの世界に迷い込んだかのようです。 画面の中の彼女を応援しながらも、クレイグさんが愛情を注いで撮影するタコは本当に魅惑的で、時おり、たまらなく美味しそうな肢体を披露するので、サメに襲われかけた時に、瞬間(美味しそう……)と感じた場面も、私は、正直言うとありました。 直前まで彼女を応援してたのに、彼女と私は捕食者と被捕食者の関係で、私はサメの側の生き物だった、身勝手に感情移入をする「私はエゴイストだ」と自覚させられます。自己嫌悪を感じながら、ひきつづき彼女の生活をのぞき見していると、彼女が私の目の前で生き物を捕らえ丸呑みして、小さな命を奪っていきました。
タコが言うのよ
2021年7月16日 映画 #オクトパスの神秘 : 海の賢者は語る (2020年南アフリカ)鑑賞 タコに魅せられた男のお話、と言うと気持ち悪いが海洋ドキュメンタリーの良作 タコって知能が高いらしく、軟体動物最高、哺乳類を除くと海中生物最高で、3歳児並みで海の霊長類と呼ぶ人もいるそう あのタコがね!
人は癒やしを求め、師に出会う
人生に疲れた映像作家が癒やしを求めて海に潜り、そこで出会った雌タコと過ごした1年を綴ったドキュメンタリー。原題は"My Octopus Teacher"。「私のタコ先生」とでも訳そうか。 わたしは生物全般が好きなので、タコが賢いというのは知識としては知っていたけど、これほどまでに好奇心旺盛で知性溢れる生き物とまでは知らなかった。映像作家クレイグを最初は警戒しながら、何日か経つうちに安全と判断し、好奇心が勝って手を伸ばしてくる姿は、まさにETで描かれた異種族交流のような画であった。 雌ダコとの交情は恋人同士のそれを想起させるような、濃密なエロスすら感じさせるものである。それは確かに、知性のあるもの同士でしかなし得ないような交わりであり、男女の駆け引きの如きものすら伺い知れる。 とはいえ相手は野生のマダコ。クレイグは観察者としての一線を超えることなく、彼女がサメに襲われた際も、手出しをすることはしない。タコは知能の及ぶ限りあらゆる手を使って捕食者から逃げる。時には地上に上がるという、驚くべき方法まで使って。 作品は海の中の生き物たちの姿も捉えていくが、やはり圧巻はタコの生態である。様々に色や姿を変えながら、あらゆるものに擬態する。それも見ているこちらが驚くほどのスピードとバリエーションをもって。更にカメラは、魚の群れに手を出して遊ぶ姿や、クレイグの体を利用して獲物を捉える姿をも捉える。生物好きにとってはワクワクするような映像のオンパレードだ。 映画は産卵を終え、その生物としての役割を終えようとするタコの姿までを収めて終わる。クレイグは1年タコを追いかけるうちに自分の人生を取り戻す。これは自然界を捉えたドキュメンタリーでありつつ、クレイグの人生における大切な瞬間を切り取った作品でもあった。 なお、たまたま興味をもってこの作品にたどり着いたが、その時初めてこれがアカデミー賞受賞作であることを知った。他の候補作を見ていないのでなんとも言い難いが、良い作品ではあったと思う。
興味深い奇跡の森の壮大な物語
安心と信頼、驚きと感動。ここには一朝一夕では撮ることのできない自然の神秘とまだ見ぬ景色が広がっている、まさしく信頼関係。恋しているみたいに夢中になって彼女を観察する、彼女のことばかり考えて過ごす。おかげで見る方もタコをこんなにも身近に感じるなんて。好奇心が刺激され学びもある、1年弱に及ぶ記録。ここには自然の摂理や緻密さとタコの賢さ、そしてしっかりとドラマがある。冷静に考えたらサメが自分の方に来てもおかしくないだろうに、あんな近距離でずっとカメラ回しているのすごい。息子との現在につながっていく。
タコの生き様を観た
タコがこんなに賢くて タコがこんなに可愛く感じられるなんて 目から吸盤、いや目からウロコでした。 美しい海の映像とタコの造形美が心地よく 一緒に泳いでいるような錯覚にも陥りました。 生態系を崩さないように見守って撮影し タコの生き様を寄り添いながら見つめていく。 すごいドキュメンタリーですね。 アカデミー賞受賞は納得です。
彼女と僕の物語
本年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート作品。
ドキュメンタリー作家のクレイグ・フォスター。
『エヴァ』の庵野監督さながら仕事に没頭する余り心身共に疲れ果て、撮影機材すら視界に入れたくなかった時期があったという。
そんな時、癒しを求めて南アフリカの海へ。
時に寒さと荒波の厳しい大自然ながらも、圧倒的な美しい蒼い大海原!
それだけでも癒されそう。
しかし、それだけではなかった。
その海に抱かれるようにして、“僕”は“彼女”に出逢った。
南アフリカの魅力的な女性…ではなく、メスのマダコ。
…タ、タコ!?
そう、タコ。
これは、タコと人の交流の1年間を捉えたドキュメンタリー。
疑問や失笑が過る。
モンスター映画の見過ぎかもしれないが、どうもタコと言うと巨大化して船や人を襲うイメージ。それならまだしも、普通のタコのドキュメンタリーって…。
でも何より、タコと人の交流。
そんなの出来る訳ないじゃん!
だって、相手はタコですよ、タコ!
…と、思ってるアナタ、本作を見て驚かされ、魅了されて下さい。
勿論最初は交流の“こ”の一文字すらあったもんじゃない。
警戒心が非常に強く、近付くだけですぐ逃げる。
しかし“僕”は、タコの不思議な生態に興味を抱いた事もあるが、“彼女”にまた逢いたい一心で毎日のように海に潜り、通いつめる。
高い知能を持つ陸上哺乳類なら毎日のように触れ合えば、相手もこちらを認識し心を開いてくれるだろう。
が、相手はタコ。絶対無理と誰もが思う。
すると、驚くような事が…!
通いつめる内に、“彼女”が手(本来なら“足”だがここでは敢えて“手”と)を差し伸べてきた。
吸盤…人間で例えるなら手の指で“僕”の手を取る。
さらに驚くような光景が。
近付くだけで逃げていた“彼女”の方から“僕”の方にやって来て、“僕”の胸に張り付く。
たまたま戯れているのか…?
それならあんなに穏やかでいる訳がない。
間違いなく、“彼女”は“僕”を認識している。
海の軟体生物だから知能なんか低い…いや、ほとんど無いと勝手に思い込んでしまったが、実は非常に知能が高いという。比較すると、犬や猫並みと言うのだから、驚き!
地球上に住むあらゆる生物で高い知能を持つのは人間様!…と傲慢になってはならない。
寧ろ、人は欲や争いの為に使い(勿論研究や発展の為にも使っているが)、自然界の生物は知能を進化や生きる為に使っている。
そう、生きる為に。
“彼女”も過酷過ぎる弱肉強食の世界に身を置いている。
サメが襲撃。岩影に身を隠すも、足を食いちぎられる。
“僕”は本当は助けたかった。でも、それは出来なかった。何故なら、自然のルールに反するから。
もし“彼女”を助けたら、他の獲物になる生物は…? キリがない。
弱々しく巣穴に戻る“彼女”。数日経ってもずっと動かないまま。このまま…?
不安し、覚悟する“僕”。
だが暫くして、“彼女”は回復した! 食いちぎられた足も再生し始めた。
これまた驚異的な生態。いや、神秘的な生命力と言っていい。
ターゲットとなった“彼女”だが、今度は“彼女”がターゲットを狙う。
カニやウミザリガニを捕食。
再びサメに追われ…。
これが、自然界なのだ。
別れは突然やって来た。
いつものように“彼女”の元へ行くと…
大きなオスダコが。
交尾。
産卵した後、メスダコには大事な仕事が残っている。
卵が孵化するまで世話をする。
その間、片時も離れず、餌も取らず。
つまり、“彼女”はどんどん衰弱していく。
人の運命や生態あるならば、タコにだってある。
命を命へ。
我が子たちへ、母から無償の愛。
産まれた子ダコたちは数え切れないほど。
しかしその中で生き延びる事が出来るのは、ほんのほんの一握り。
母の命を受け継ぎ、この厳しい大自然界で生き延びていく。
“彼女”の最期…。
力尽き、波に流され、巣穴の外へ。
魚たちが群がり、そこに最大最悪の天敵が…。
“彼女”と“僕”の物語は約1年。
海に潜る度に思い出すという。忘れられないという。
でも、ホッとしたともいう。
“彼女”を追い求め追い求め、没頭し続けたら、それこそ振り出しに戻る。
“彼女”は“僕”に癒しと立ち直りの時を与えてくれた。
そして今“僕”は、息子と海に潜り、仲間と美しい海中のケルプの森を見守っている。
全ては“彼女”が居たから。
ありがとう。
これは、“彼女”と“僕”のラブストーリー。
すごい神秘✨
海の森と生息する生き物がすべて美しくて 毎日逢いに行く「彼女」オクトパスの 生命力とか能力とかコミニケーション能力とか感(?)がなにせすごいの…宇宙人なのか⁉︎って言うくらい オクトパス先生と呼ぶほど学ぶことがたくさんあって それほど興味を持ったことのないタコの生態をあたしも知ることができましたー(笑) BGM的に映してたんだけど見入っちゃいました 毎日撮影に潜る本人(ドキュメントを作成しナレーションもしているこの映画の主人公)が画面に映っている時は誰が撮影しているのかな?と思いながら見てた…作品としては自作自演、ひとりで作ったように見えるけど、サポートスタッフがいるのね👍🏻 5/5 追記 アカデミー取ったらしい✨ すごいよね、すごいと思った…たまたまNetflixに釣られて見たんだけど 良いもの見たと思ったもん😊
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