「100万本の薔薇🌹 マルガリータ(カクテル)は無言の愛」声優夫婦の甘くない生活 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
100万本の薔薇🌹 マルガリータ(カクテル)は無言の愛
原題は Golden Voices でした。
1990年ソ連崩壊時にイスラエルに帰ってきた還暦過ぎた声優夫婦ヴィクトルとラヤの物語。
ソ連体制では公開できない西側の映画が結構たくさんあって、ヴィクトルがソ連の文化庁を説得して公開できたとされるフェデルコ・フェリーニ監督作品 8 1/2 の話しが、素人吹き替え違法ダビングビデオ店でなされます。クレイマー・クレイマーもヴィクトルがダスティン・ホフマンの吹替えをしていて、店に入るなり、ちょうどモニターに映るシーンにひとりワープし、気味悪がられるシーンなども。イスラエルには当時、ロシアから帰国した人々向けにいろんな商売があったんですね。テレホンセックスも本当にあったんですかね~ 店内の様子や女店主、とうとう店に電話してしまうヴィクトルなど、すごく丁寧に描かれていてよかったです。一度は「電話での香水販売」を断ったラナが新聞に隠してエロ雑誌を読んで参考にしようとしているシーンは還暦過ぎたオバサンの並々ならぬ決意を感じました。「マルガリータは駄目よ、ナターシャとかカターニャ、マリアとか、30歳にしなさい、うーん、22歳よ」とかっていうやり手の店長も、思い出の映画VHSをトンカチで叩き壊すヴィクトルからラナを自分の部屋に一時避難させてあげる。「イスラエル 親切なロシア風俗店」だった。 夫婦の馴れ初めはラヤが吹き替えしたフェデルコ・フェリーニの「カリビアの夜」の声にヴィクトルが惚れたのであった。あれから40年。マルガリータにぞっこんの吃音の男性とのシーンといい、ラナの魅力が溢れていました。まさに Golden Voices でした。テレフォンの仕事するうちになんだか、肌にも張りと艶が出てきたような気がしました。ガスマスクや空港から乗る車がベンツだったりと風刺的笑いもほどよく、切なさと優しさと絆の強さと愛。ベテランのふたりにものすごく癒されました。上質な映画でした。空襲警報のバイト代は貰えたのでしょうか?
🎵 夜中にいきなりさ 電話かけたくなって
(中略)
🎵 別にアレを求めてないけど 君の声を聞くと思い出す
ハラショ ハラショ&スパ シーバ
「香水」のせいだよ~
チュ チュ チュ チュ チュ チュ チュ チュ チュ チュ チュ チュ~