「悲しいではなく、寂しい」川っぺりムコリッタ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しいではなく、寂しい
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ゆる〜く笑える再生物語かと思いきや、少し違いました。
個人的には、人間ドラマですらなく、登場人物を通して「身近な死との向き合い方」と「ささやかな幸せ」を描いた作品かと。
それぞれの過去を、台詞で軽く触れる程度で具体的に描かないのも、それ故でしょうか。
(個人的には描いてほしかった)
その中でも山田と島田のやりとりは微笑ましく、後半は温かい目で見守っていた。
塩辛の壺のシーンは、開ける前からニヤニヤ。
スピリチュアルな要素はやや浮いているが、多面性という面で意味はあったかな。
また、南さんのセックス(あれは自慰ではなくセックスだと思う)シーンも印象的。
向き合い方も接し方も、人それぞれ。
「自分が死んだときに寂しいと思ってくれる人が一人でもいれば」
ここが「悲しい」でなく「寂しい」なところが、この作品の本質のように感じました。
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以下、個人的なハナシ。
ちょうど今年、職場の方が亡くなって、親類が引き取りも委託も拒否するということがあった。
何十年も関わった会社でも、法律上葬儀をあげることすらできず、役所に掛け合ってなんとか(秘密裏に)火葬にだけ立ち会わせて頂いた。
そういった事情があり、無縁仏は他人事ではなく、非常に感慨深かった。
引き取られ、最終的に弔ってもらえた親父さんは幸せだ。
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