劇場公開日 2021年6月25日

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「東映Vシネを鈴木則文監督が撮ったようなデタラメでオチャメな珍作剣劇ファンタジー」スレイト よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0東映Vシネを鈴木則文監督が撮ったようなデタラメでオチャメな珍作剣劇ファンタジー

2020年11月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

アル中の俳優の父に捨てられた少女ユニの夢はヒロインになること。20年後アクション女優を目指す彼女は体当たりの売り込みで仕事にありつくもそれは撮影中にケガをした女優のスタント。イヤイヤ撮影現場に行ってみるとそこはもぬけの殻。そこにあった不思議な形のカチンコを鳴らすとそこは暴徒に支配された村。一握りの米で人を殺せるという剣の達人”鬼神”と間違われたユニは半信半疑のまま剣をとるが・・・からのかなりユルめの剣術アクションコメディ。

パラレルワールドだと何度も言及される一方で、そこの世界観は時代劇風なのに村人はパーカーやジャージ着用とテキトーもいいとこ。昨今の韓流に見られるスタイリッシュさはどこにもなく、30年くらい前の東映Vシネみたいなセット撮影は目眩がするほどどチープ。テンポが悪くて何度も眠気に襲われる展開にこんなはずないやろ?と戸惑っていると突然覚醒したかのように血生臭い展開にシフトチェンジしてからはデタラメにも程があるオチまで全力疾走。色々とっ散らかっていて気づきもしなかったネタをダイソンの掃除機で一気に吸い上げるような伏線回収に開いた口が塞がらない堂々たる珍作。それでも駄作にギリギリならないのはアン・ジヘのキュートさと切れ味鋭い剣さばきと、猛烈に濃い香りなのに愛嬌のある助演陣。鈴木則文監督が実はソウルで生きているのではないかと勘繰ってしまうくらいデタラメでオチャメな作品。私は楽しみましたが普通怒られるレベルだと思います。

よね