ポゼッサーのレビュー・感想・評価
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オリジナル版からのカット
R18+だったり宣伝でかなり刺激が強い作品と煽られていますが、オリジナル版からちょこちょこカット+ボカシが入っていて、そこまで構える必要はなかった。
具体的に私が気づいたオリジナル版からカットされたりボカシが入ったシーンは以下。ちなみに輸入版Blu-rayはすでに日本でも入手可能。
・他人の私生活覗き見での、フルチンぶらぶら+セックスシーンにぼかし
・エヴァとのセックスシーンが一部カット
・ショーンビーンへの暴力シーン、目ん玉グリグリが一部カット(カットの繋がりが不自然になっていたのですごく残念。)
映画本編はさすがクローネンバーグの血というか、映画の題材自体がめちゃくちゃクローネンバーグっぽい笑
音楽はジム・ウィリアムさん(昨年カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した「TITAN」だったり「RAW」の音楽を担当している今大注目の作曲家!)だったり、ミニマルでスタイリッシュに統一されたデザインは大好きです。細かなところまでデザインコントロールが行き届いていて品質は良いと思います。
ただ、人のアイデンティティに踏み込む哲学的なテーマは散々、押井守をはじめとする攻殻機動隊的なSFアニメで扱われてきていたので、正直すでにお腹いっぱいのテーマだった。
また、そもそも他人を誘拐してバレずに脳に細工することができるんだったら、あんなまわりくどい暗殺の仕方しなくても最初からターゲット本人誘拐して殺せば良いじゃんと思ったり、いくら自殺に見せかけても司法解剖で脳に細工してんのバレるんじゃない?と思ったり、気になるところもある。
次の作品にも期待!
そして、毎回殺される役が多いショーン ・ビーンさん。今回もボコボコにされて可哀想でしたし、さらに見せ場の目ん玉グリグリが少しカットされていたのがもっと可哀想。映倫頑張ってくれ!
そして久しぶりにハンドドライヤーが動いてるのを見て懐かしくなった笑
不愉快+意味不明=後悔
70年代タッチの大人のエログロホラーサスペンス
ブランドン・クローネンバーグ監督のホラーサスペンス映画。
本作は父デビッド・クローネンバーグ初期の作風にかなり寄っており、オマージュや意識した等のご意見も散見するが、自分としては「父親と同じ路線を引き継ぎますよ」といった宣言のように思えた。
何だかよくわからない装置や機械の細かい造形へのこだわりや、精神が不安定で病んでいく様子などを上手に演出しており「戦慄の絆」に近いものを感じた。
主演のアンドレア・ライズボローは神経質で闇が深そうな雰囲気が強烈で、作品の醸し出す異様さと怖さの中核を担ったが、この人体重の増減とメイクで物凄く綺麗な時と怖い時の落差が激しく見える面白い女優さんだと思った。
VFX全盛の時代にあえてCGを使わず、特殊メイクとリアルな映像にこだわり、おそらく狙い通りに70年代風モダンホラーの不気味な雰囲気を上手に出すことに成功し、若干画面が暗く認識しにくい箇所があったものの、映像作品として総じて面白く観させてもらった。
ブランドン・クローネンバーグは次回作を観ようと思える贔屓の監督にリストアップすることにした。
"脱出"
思ったよりは全然面白い。
クローネンバーグの子供ってだけで運が悪いのに態々映像作家になってしかも同じジャンルの映画を撮るなんて変態的なマゾヒストとしか思えない。
内容も表社会の下に蠢く裏の存在とかアイデンティティクライシスとかクローネンバーグ的。肉体の主導権の奪い合いとか『スキャナーズ』のラストを思い出した。
飽きずに観れたし、面白かったと思うし、ストーリーもまぁこんな感じなんやろなと、6〜7割位で理解しておくのが正しい観方だと思う。
ただなんつうか、クローネンバーグという呪縛に自縛している気がしないでもなかった。つくづく不憫である。
ただ、女の趣味は親父さんの方が良いな。
追記:
そうか、ジェニファー・ジェイソン・リーは『イグジステンズ』か。インプラントを使って他人の体(物語)にジャック・インするのが似てるなぁとは思ってたんだよな。
何だかんだ言ってそういう目配せを入れてくるのって親父の威光を笠に着てる感は有るな。
ノーランが撮ったりジェームズ・ワンが撮ったりしたらもっとエンタメでもっと面白くなるんだろうが、この位の面白さがちょうど良いんだろうな。
期待以上だった
ターゲットの近くの人の意識をのっとって殺しをする女性のSFノアール。
抑えた語り口で血塗れバイオレンス描写は容赦なく、アナログな特撮もVFXだらけな今だと異物感あっていい。
親の七光り的な作品と期待度低かったけど、期待以上に独創的で面白かった
タイトルなし
2020年東京国際映画祭にて
《脱出》ものすごくグロく生々しく、そして難しい(故に見る人を選ぶ作品だと思うし、正直{少なくとも日本での}観客受けは悪いと思う)。精神世界に入り込むようなサイケデリックな映像表現・描写が好きだった。主演は、"あの"ニコラス・ケイジ大暴れの傑作『マンディ』のマンディ役アンドレア・ライズボローでまたも、そうした独特な世界の中で時に幻のように現れるのか。人体破壊・ゴア描写はもはやフェティシズムの域で、作り手の「これが撮りたい!」というアツいこだわりを感じた!それだけに目を背けたくもなったが…。古き良きジャンル映画臭と紛れもなく刻まれた作家主義、その両輪が非常に魅惑的な語り口につながっていた。ダークで静かにスリリング。アイデンティティーの揺らぎ、自分を形作るものとは?自分も気づかなかった本当の自分と向き合うよう。監督脚本化ブランドン・クローネンバーグすごい。ジェニファー・ジェイソン・リーとショーン・ビーンは流石。ドバイでグッバイ。
勝手に関連作『ブラック・ボックス』『マトリックス』『インセプション』
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