林檎とポラロイドのレビュー・感想・評価
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愛しいヒゲモジャと林檎
ホントは、どうだったのか?
面白くなかった
かなり早めに勘づいてしまう
リンゴの食べ方の違いとトイレですることの難しさ
いきなり記憶喪失になる人が増えている世の中。彼らへの支援が確立されているのは面白い。眼の前の人が記憶喪失だなとわかると皆が救急車を呼ぶ世界。なんかやさしい。
そんな記憶喪失になったうち、身元不明のままの人が受けるプログラム。新しい自分を作り上げていこうとするものなのだが、これが少し不思議なもの。カセットテープでミッションが送られてくるところからして不思議。それにクラブのトイレで誰かとセックスしてこいってミッションは相当ハードルが高い。こんなミッションこなせないなと思いながら観てしまった。
映画「ブレードランナー」でレプリカントと人間の違いは記憶だから、思い出に関する質問をしていくうちに人間ではないと判定できるテストがあった。それくらい人間にとって記憶は大事なもの。それがなくなってしまうのは全く違う人間になるってことだ。
でも、違う人間でいた方が幸せだったってこともある。とても皮肉的で悲しい結末だった。
たんたんと進む展開に結構退屈してしまったのも正直な感想なのだが、観終わった印象はそこまで悪くない。それにしてもリンゴの食べ方にも文化の違いって出るんだなと違うところで感心してしまった。
意外に謎を解くスタイルか
自然に疑問が湧いて解答が提示される。
まず、謎の音。
近所の犬。
何故、林檎?
何故、ポラロイド?
何故、自転車?
映画の紹介にある記憶喪失が蔓延する社会とあるが、作中ではそこまでではなく、どうやら感染もないらしいことがすぐにわかる(感染がないので周りの人がとても親切)。
ポラロイドは仲間を見分ける識別信号として役に立つ(携帯電話のカメラでは役に立たない)。
歌が下手とかダンスが上手いとかは意味がなかったかもしれない。
歌が下手なことより歌詞を覚えていることが大事なんだが、やはり下手な歌は上手い歌より気になってしまう。
物語中盤で薄々気が付くようになっているが、最後に謎がとけて半分はスッキリする。
特殊な社会問題とそこで起きるドラマという構造はつい最近みたポゼッサーよりこちらのほうが随分とスッキリ昇華されている。
日常生活に散りばめられる悲哀
いきなり記憶がなくなる病が蔓延してる世界でのお話。その前提を頭に入れて鑑賞した方がいいです。それがないと「ん?何が起きてる?」ってなっちゃいます。僕がそーでした(笑)
さて、本作。シリアスと思いきや何気に笑えるんですよねー。特に治療ミッションへの取り組みについては、なんだか4コマ漫画を見てるみたい。しっかりオチがあるんですよね。そんな「クスっ」を散りばめながら物語が進むのですが、それ以上になんとも悲哀が漂うのです。その悲哀はなぜ漂うのか?というと・・・ってところが本作のミソかなぁって思いました。
人間って過去の嫌なこと、悲しいこと、辛いことっって忘れちゃいたいけど、不思議に覚えてますよね。楽しかった事以上に(これは個人差あるかな?)もしかしたら、楽しい成功体験よりもネガティブな出来事の方がもしかしたら「自分らしさ」があるのかもしれないです。思ったことを考えなくやったら失敗したとか、自分の考えを押し通したら失敗した・・ってありますもん。まぁその積み重ねが成功につながっていくわけですが。
そんなことを考えていると、本作の主人公が治療プログラムを通してちょっとずつ自分というものに触れていく様はそれが要因なのかなぁ?なんて思ったりして。どうなんだろうなぁ。そう考えたら、世の中って悲しみや辛いことが溢れているのかな?・・・あぁ、記憶喪失になりたくなってきちゃった。
結局、人の悲しみは、人との関係によってしか癒されないのかもしれない。
当院がオススメするプログラムがあるわ、通称「新しい自分」プログラム。
なんだなんだこの世界は。ここはどこだ?時代は今か?どこの言葉だ?もしかしてSFコメディ路線?前知識なしのおかげで(それはそれで楽しめるので好き)、ストーリー以前に疑問点が多すぎて画面にくぎ付けになった。観終えてチェックすると"ギリシャ・ポーランド・スロベニア合作"とあった。それだけで、うおお!と唸った。
「心と体と」の世界に近い。画面に出ている物体(林檎、ポラロイドやテープレコーダー、)に仮託された意味、治療機関の課すプログラムの信ぴょう性、そして主人公(あれ?ほとんどのキャラに名前はない?犬だけ?)のとった行動の訳。
いたるところにちりばめられているのが、ヒントなのかトラップなのかフェイクなのか落とし穴なのか、少なくとも騙し絵に惑わされないように用心するときと同じ気分で画面に見入った。
セリフを抑えて、極力観客それぞれの解釈へと誘うような展開は上質。ラスト、意を決したかのような主人公のこの行動はどういう心境か。誰かと答え合わせをしてみたい。いくつか出てくるであろう答えのひとつひとつを。
たんたんと綴られて
#19 主人公が愛しくなる傑作‼️
冒頭では主人公がただの頭がおかしい人かと思うんだけど、絶対何か裏がある。
いきなり記憶喪失になる病気が蔓延している社会で、主人公の行動はどこか他の患者と違うから。
淡々とリハビリプログラムをこなしていく中で、女性と性的な関わりを持つことを極端に避ける点も変だ。
でも最後の最後に彼の真実がわかると、それまで淡々としていた意味が全部理解出来て愛しさが溢れて来る。
これ作った人凄い。シナリオも良いけど、1970年代みたいな雰囲気もGOOD。
もっと沢山の映画館で上映して欲しい。
ナイフで林檎を切って食べたくなった
観客一人一人に答えがあるのかも
,
林檎とポラロイド鑑賞
突然記憶喪失になる奇病が流行している社会
主人公もある日突然記憶喪失になり、病院に収容されたのち症状回復プログラムに参加することになる
回復プログラムは、いわば人生の生き直し
自転車に乗る、車を運転する、仮想パーティに行く、クラブでナンパする、お葬式に参列するetc
淡々とした映画
大きな波はないけど、小さな波が不定期に寄せては返し、ラストへ繋がっていく
主人公が記憶を無くす直前から物語ははじまり、淡々とした中に、仮装パーティやクラブのシーンなど、独特のゆるいユーモラスなシーンがクスリと笑える変な吸引力を持ちつつ、全体的には同じトーンで物語は進む
ハネケとかランティモスとかカウリスマキとか好きな人に合いそう、って思ったら、ランティモスの助監督努めてた人らしい
ラストシーンは、印象に残るラストシーントップ10に入るかも
はっきりとした答えを出さず、観客に委ねる終わり方なんだけど、これ悩む
劇中の黒い犬が再登場するシーンとか、買いかけた林檎を台に戻すシーンとか、どう受け取るかで答えは変わる
観客1人1人に答えがあっても良いのかな
彼は忘れたのか、忘れたかったのか
個人的に、☆5中☆3.2
知恵の実では癒やされぬ哀しみ
良い治療方法
人生は、忘れたいことばかり?本当に?
痛みとか喪失感とか、過去の嫌なこととか、今大絶賛進行中の嫌なこととか。
全て忘れて全く新しい自分になって、ゼロからやり直せたらそれはそれで良いのかもしれない。
でも、その山盛りの嫌なことの中に、奥の方でキラッと輝く何かがあったりするのだ。
都合よく良いことだけを覚えておくなんて無理で、90.%の嫌なことと、10%の宝石みたいな素敵なことが、常にセットであり続けるのだ。
でも時が経つと嫌な思い出の素敵な部分だけが残る。それには膨大な時間がかかるのかもしれない。
そしてやっぱり与えられた時間を生きていくしかなくて、諦めとか踏ん切りとか、なんかもうとにかく折り合いつけて生きていくしかないのだ…
…という映画でした。たぶん。
ラストシーンで全てが分かると、心の中にじわじわ染みてきます。
そしてこの作品を自分の人生のどのポイントで観るかで、受け取り方がちかってくるのかも。
60歳、70歳と、各年代で見かえすと、自分の気持ちが変わってて、きっと面白いのかも。
そしてやっぱり「新しい自分療法」は意味があったんだと思いたいです。
ヒゲモジャ男ばかりなのはなぜ?
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