林檎とポラロイドのレビュー・感想・評価
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察するが、眠い
セリフなどで一切説明せず、主人公の虚無しか見ていないその死んだ魚のような目を写し続けていて「感じろ」「察しろ」という作り。
油断すると、観てるこちらが深く寝落ちそうになる。
記憶を失くす奇病の流行る世界ではあるのだが、記憶を失った男と思えない行動が続く。
冒頭から冷静なのだ。
自己回復プログラムを淡々とこなす姿から、開始40分くらいで、過去を忘れたのではなく、忘れて新しい自分を手に入れ、別の人生を送ろうとした男ではないかと思いはじめました。
結論は各々でご確認いただくとして。
生きていくのには悲しいこと、苦しいことが常につきまとい、それが人生の一部になっていく。
受け入れられるか、受け入れたくないか、それだけだと言いたかったのではないか。
そう感じ、察しました。
が、眠い。
忘れてしまいたいことや~
ギリシャのニクさんの映画。ギリシャの人って色黒で毛深い。アルジェリアとかモロッコ人が主役のフランス映画かと思って見ていた。
静かで、5.6回意識消失発作に襲われた。いやもっと多かったかもしれない。だからレビューは差し控えたいのだが、大変おもしろかった。
意識がハッキリしたのは後半の酒場のひとりダンス(ツイスト)以降。たぶん音楽(曲)がモタセてくれたのでしょう。ホラー映画を見に行く場面は全く記憶にない。すっぽり記憶から抜け落ちている。若い女の子となんかいたすようなシーンも寝てしまった😵キャットウーマンがチラッと見えた。でもハル・ベリーっぽくなかった。
記憶喪失者がたくさんいる設定なのに医者は全然焦らないし、病院のベッドが足りない様子もない。記憶力テストや知能テストも超苦手なもんで、眠くなったのだと思う。カセットテープにわざわざ録音されて送られてくる回復プログラムのミッションはだんだん摩可不可思議なものになってゆき、ポラロイドカメラで自撮りし、古風なスクラップブックに貼るというのはなかなか大変。あの女の人は女医さん役に似ていたけど、おんなじ俳優さん?
ギリシャってユルユル?
だから経済危機になっちゃうんじゃないの。
リンゴが記憶力にいいのは知ってましたけど、普段ほとんど食べないですね~ 皮剥くのがめんどくさい。咀嚼するからいいんでしょうね。ジュースやすりリンゴでは効果は少ないかもしれない。八百屋さんがリンゴは5.6個食べりゃ下痢は収まるし、記憶力にいいけど、今日はオレンジ🍊のいいのが入っているよと言われるとちょっと考えて袋に入れたリンゴを全部出して、オレンジにするエンディングに近いシーンがなかなか意味深。
🎵忘れてしまいたいことや~どうしようもない悲しみに~包まれた時に 男は
リンゴをやめるの
でしょう~
あのケーキはオレンジピール入りのチョコレートスポンジケーキだった。とても真面目で思いやりのある主人公でした。
とりあへず、リンゴ🍎食べなきゃ!
バットマン
設定が面白そうだったので鑑賞。
事前に公式HPのストーリーやあらすじ読んどいて良かったなーと思ってしまうくらい説明はないです。色んな道があるはずなのにまっすぐにしか行かない映画です。
記憶を突然無くしてしまった奇病にかかってしまった男性を軸に物語は進んでいきますが、多くの登場人物が感情を表に出さないので若干不気味ではありますが、それが後半になるといい塩梅で効いてきてクスッと笑えるものになっていました。
無くしたい記憶と留めておきたい記憶の狭間で揺れながらも回復プログラムをこなしていく主人公と、映画館で面白いくらいビビっていた先輩の物語が中盤からは展開されていき、トイレに行ってセッ○スをしたのかしていないのか?なぜ車で木にぶつかって事故した際に写真を撮るのか?と、没入していたあまりにその回復プログラムの意図が分からず曖昧な感じで飲み込んでしまい、疑問に思いながら鑑賞を進めてしまいました。リンゴを食べた方が記憶力低下を防げるのになぜオレンジに変えたのかもピンとこず。
個人的ハイライトはコスプレをしている際にバットマンとキャットウーマンがいた事です。同日公開だから配給会社が合わせてきたのかな?と思わずニヤリ。
最終的にプログラムの違和感に気づきつつも、吹っ切れた様にリンゴを齧る姿を見て、少しばかり切ない気持ちになりました。中盤クスッと笑っていたのに…。
90分と短い映画ながら、考えさせられるテーマの映画でした。アート系映画に当てはまると思うので、大衆ウケはしないと思いますが自分はそこそこ楽しめました。
鑑賞日 3/15
鑑賞時間 11:20〜12:55
座席 D-10
本当は。。
昔の音楽が、良い感じで流れるがこれはわざと?なのか?
時代はいつなの?
等と思いながら引き込まれていく。
見終わって、この記憶障害って自己申告だよね?
中には、いまの生活が嫌になって、記憶障害を演じてるとか。。
犬の、名前を呼んだとき、記憶を取り戻したければミッションよりも大事な行動できるのでは。。
回復も自分で決められるようだし。
と、色々思ってしまった。。
とっても不思議な映画だけど、何だか好きだな。。
1日1日、丁寧に生きる。
ケイトブランシェットお薦めという事でチェックです。
流行病の記憶喪失病になり病院で処方箋をもらうんだけど、それは新しい経験をしてポラロイドで撮影記録する事、、、、林檎は大切な記憶でポラロイドは新しい体験とその記録かな、、、アート系だと思うので万人にはお薦めできません。同じギリシャの若手監督ヨルゴスよりは目線が優しめです。
観てるうちにどうせ皆んないずれ頭がぼーっとして色々忘れちゃうんだから、生活に支障ない最低限の事だけ外付けメモリにいれて、新しい体験や新しい気持ちを大切に生きていけばいいんじゃないかと思ってしまった。いや、それでいいはず。
思い出す必要ない事を思い出して、猛烈な喪失感を味わう事も有るからね。
リンゴも美味いが、オレンジも美味しいぜ。
ダンスは浄化する
音楽が身体を通り踊り出す時に、頭は真っ白になり浄化される。そんなあの瞬間を思い出した。
現状も思い出したくない悲しみも、洗い流す様に踊り続ける。
誰にも触れられない気持ちを感じさせる印象的なダンスシーン。
林檎を食べるシャリシャリ感はリアルで、シュールと深い悲しみが混じり合う不思議な話だった。
喪失と再生
突然記憶喪失になる病気が流行する世の中で、ある日突然記憶を無くした男の話。
昼間からお出かけし花を買い、夕刻バスに乗って居眠りしたら、ここはどこ?私はだ~れ?となり病院に連れて来られた男が、記憶回復をあきらめ新しい自分になる人生学習プログラムを受けることになり巻き起こるストーリー。
プログラムのミッションを繰り返しながら人生の再構築を始めるのか?と思いきや、一人暮らしを始めて早々の果物屋で、あれ!?そういうこと!?
なるほど、彼のメンタルはどこから来てどこを目指し、どうなっていくのかというのを観る作品ですね。
映画館で出会ったパイセンとの流れは何を期待したのか…トイレのヤツの真相を知ったとは言え、何で選ばれたのかまでは考えが及ばない主人公。
まさかのイジイジした恋愛物語?
そしてプログラムでも目の当たりにする人の死…。
これは最後は吹っ切れたと読むのでOK?諦めたのか悟ったのか?
淡々とした空気感ではあるもののちょっとコミカルで、欧州映画特有の面白さはあったけれど、最後はもう一声欲しかったかな。
大半の鑑賞者は見たことを後悔する映画だと私は思う。
高評価も多いが、私は鑑賞して観たことを後悔した。もう、二度と観ないだろう。テレビ放映で無料なら見るかも。聞き慣れない言語だと思ったが、ギリシャ語だった。
描かれるのは、孤独な中年男の身辺雑記である。突然、記憶喪失になる奇病が蔓延する。主人公にこの病気が発病し、病院で治療することになる。記憶を取り戻すことは困難で、人生を再教育するプログラムが始まる。
記憶喪失になれば、通常ならば自分が何者なのか必死に探し求めるだろう。ところがこの主人公、淡々と再教育プログラムをこなすだけである。感情をあらわにしない。昔、住んでいたアパートで飼われていた犬に偶然、街中で出会いその名を呼ぶのだ。全ての記憶を喪失したわけではないようだ。けれど、犬の飼い主を辿れば、自分の身元が判明するのにその場から逃げるのである。
同病の女性から好意を持たれて、誘われているのに応じようしない。どうやら、主人公は過去の出来事を受け入れることが出来ず、現実から逃避しているようだ。最後におそらく妻の墓を訪れたことから、妻の死を受け止められず、現実逃避する現代人の孤独な魂を描いた映画だとわかる。感情を喪失したのもそれが原因だろう。
オーブンリールのテープレコーダやカセットテープレコーダーが使われている。1970年代までは利用されていた。当時のギリシャは軍事独裁政権だっと思う。閉塞感から奇病が流行ったかもしれない。
とにかく、友人には勧めない映画だ。
結局あのプログラムは間違ったものではなかったということか。
おそらく(奥さんか恋人かわからないが)同居していた大切な人が亡くなり、その悲しみに耐えきれず、記憶喪失者用の治療である「新しい自分プログラム」なら記憶を消せないまでも上書きならできると考え、記憶喪失者のフリをしプログラムを体験することを思いつく。
だが与えられた課題でも人の死に触れることとなり、自ら途中でプログラムを中断し、元の生活へ戻るといったお話。
一見すると難しそうな映画だが、少し時間を置けば誰も皆同じような考えに行き着くという逆にわかりやすい話だと思う。
チラシの説明では、ある日バスの中で記憶を無くした・・・とあったような気がしたが、実際映画ではまだ記憶があった状態から始まるので、鑑賞後にその場面を振り返ってみても頭をぶつけたりなどうっすらとしたヒントのようなものが見て取れるが、林檎は物忘れを防ぐと聞いてオレンジを買ったり、女性と関係を持たなくてはならない課題を避けたことなどからも、本当は忘れたい過去があり、特定の女性への思いのようなものがまだ残っており、実際は記憶がしっかりとあるということがわかる。
自宅に戻り部屋に日差しを取り込み、改めて記憶に良いと言われる林檎を食べるシーンにはグッと来た。
生きている限り別れ(死別)というものは避けて通れないことを改めて知り、悲しい過去も全て受け止める覚悟を決めたことで、ほんの少しだけ前を向いて生きていこうとする意思が伝わったからだ。
そういった意味ではこの主人公にとって「新しい自分プログラム」を実践したことはよかったのだと思う。
多くを語らずに映像で思考に訴える大人の映画だと思う。
エモくて、可愛らしくて、重〜い…
人々が記憶を失ってしまう奇病が頻発する世界で、新しい自分を見つけるプログラムに参加する男の物語。
本当に記憶を失くしたのか、過去を忘れたいだけなのか…
何だか物悲しくて重い話のはずが、この「新しい自分プログラム」がシュールかつ馬鹿馬鹿しくて、とってもコミカル 笑
絶妙に丈の短いジーパンや、仮装パーティーに思いの外完成度の高い宇宙飛行士姿で登場する主人公などなど、敢えての外し方がとてもチャーミングだし面白い 笑
エモくて可愛らしくて重い。新感覚な良作!
色々な見方ができる映画かな。上映館は少ないけど、今週は対抗以上。
今年67本目(合計340本目/今月(2022年3月度)9本目)。
★ 「ポラロイド」とは、1930年代にできた、今のデジタルカメラの前身となるような非常に超初期のころのカメラ(インスタントカメラ一般)をさす名詞のことです。
記憶喪失になった男性が、記憶を取り戻すのをやめて、むしろ新しい人生経験をしていく中で色々な方と関わっていく、という趣旨の映画。
「ポラロイド」(カメラ)は映画内でも利用方法は指示され、確かに今の日本ではほぼほぼ見ることはないですが、デジタルカメラ自体はあるので、推測は十分きく範囲です。
むしろ難しいのは「リンゴ」のほうで、「なぜに林檎なのか」、また、映画内では色々な林檎(色のこと。いわゆるブラッド系の色から、緑色に近い林檎まで、色々出ます)が出ます。林檎「それ自体」は、映画からある程度推測ができますが(人体の中で、MRIややレントゲンを撮ったとき、林檎のように見える場所は、どこでしょう?)、「色が何を意味するのか」はこれはなかなか難しいかな…という印象です(パンフレット購入前提?)。
また、この映画、見ていただくとわかりますが、実は時代背景が不明です。時代背景を推測するには、今でいえばスマホだのパソコンだのがあることから推測ができますが、これが推測できるものが「一切」登場しないので、いつの時代の話かも難しいです。逆に言えば、こういう「実験」は実際には倫理上できないので、「時代背景をぼかした、架空の世界の架空の実験」という見方、それがおそらく正しいのではないか…と思えます。
今週(11日の週)はどうしても、バットマンが超本命枠できて、対抗がサメの映画(名前忘れた…)というところですが、本映画も対抗以上にはなると思います(不穏当な表現・描写などありません)。ただ、おそらく大人の方(文系理系問わない。そもそも文系理系がどうこうという分類にできない。あえていえば、両方同時に求められている印象)が見て、やっと「そういう趣旨か」とはわかっても、小さい子には難しいかな…という印象です。
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(加点2.0) なかなか、特にギリシャ映画といった作品は元が取りにくい(そもそも、放映される映画館自体が少ない)中で、作られたこと、放映されたこと、また、ツイッター公式アカウントなどの情報発信が非常に丁寧な点は好感が持てますし、映画は「7番目の芸術」と言われるように、この「わかりにくい」映画を通じて「何を言わんとしているのか」を当てに行くというのも、また一つの考え方かな、と思います。
(減点0.4) ただ、やはり「リンゴ」「リンゴの色」が指す意味は本当にわかりにくいです。「リンゴ」が指すものが何かはだいたい想定ができますが「色まで」になると、ギリシャ文化(慣習・一般常識等)が前提にあるのかもしれません。ここまで来ると日本では情報収集がしづらいので、ここは何らか補足があっても良かったのでは…とも思えます。
(減点なし/参考) リンゴ・ブドウなど、一部の果物では「パツリン」というカビ毒が発生します(日本では、果汁で毒性が増すとされるため、リンゴジュースでは規制があります)。一方、「オレンジ」では発生しません(マイコトキシンの性質による)。そして「オレンジ」もこの映画の中ではちらっとだけ登場します。
このことも何らかのことを示唆するのでしょうか…(詳細不明)?
タイトルなし
東京国際映画祭 7日目鑑賞
当初、鑑賞予定には無かったんですが、評判の良さで急遽鑑賞。座席取れてよかった😌
テーマが独特なだけあってか、展開も独特。
記憶喪失と新しい自分プログラム。
なるほどリンゴの芯ね。
静かに進むなかで、悪魔のいけにえやら、バットマンとかニヤリとする演出。キャットウーマンのとこはついつい笑っちゃったけど自分だけだったみたい、笑ってたのw
医者の告知とか、随所にシュールな演出が光る。
音楽と絵のところも面白かったけど、
ちょっと恐くなった。あの音楽にはあの絵図らと考えるのは固定概念なのかも。
そして主人公のダンスがあまりにも上手で見いってしまった。
これは公開したらもう一度観たいなぁ。
🍎🍊
台詞や仕草が残した点が線になる・・・深い余韻を残す不思議な世界の物語
東京国際映画祭で鑑賞。舞台は突然記憶喪失となってしまう病気が当たり前になった世界。ある夜バスの中で居眠りしている間に記憶を失った男が救急車で精神病院に搬送される。所持品に身元を示すものは何もなく捜索願も出ていないため名前すら不明の男は14842と呼ばれ、病院で様々な検査を受ける。政府は急増する記憶喪失者をサポートするため、記憶を取り戻すのではなく通称”新しい人生”プログラムを施行、医師は14842にプログラムへの参加を打診する。アパートと生活に必要な資金は支給され、自転車に乗る、釣りをする、郊外までドライブするといった課題をこなし、写真で成果を記録することが日課の日々を送る中で14842の心の中で何かが動き始める。
本作、なかなか奇妙な作り。まず映像サイズがチリ映画の『NO』やポーランド映画の『COLD WAR』でも用いられた4:3のスタンダードサイズ。出てくるガジェットもオープンリールのテープデッキやカセットテープレコーダーにポラロイドのインスタントカメラといったレトロなもの。それらが一見普通の街に奇妙な歪みを添えています。与えられる課題はカセットテープで与えられる。少しずつ難易度が高くなる課題を主人公が困惑しながらこなす様には思わずクスッとしてしまいますが、街の背景には記憶をなくす人々や同じプログラムの参加者らしき人が映り込み、滑稽さと悲哀が綯い交ぜになっています。そして物語の中にポツンポツンと放り込まれる仕草や台詞が遺した疑問符に対する回答が暗示されるクライマックスが残す深い余韻が湖面の波紋のように静かに胸の内に響きます。
主人公が観に行く映画の音声、さりげない会話の中で言及される映画のプロットがさりげなくクイズのような役割を果たしていたりして、どちらも未見なのに正解した自分がちょっとだけ誇らしくなったりする映画愛にも溢れた作品、これは是非とも広く公開されて多くの人の目に触れて欲しい素晴らしい傑作です。
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