劇場公開日 2022年3月11日

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林檎とポラロイドのレビュー・感想・評価

全77件中、1~20件目を表示

4.5自分を作っているものは記憶の集積なのか?

2022年3月31日
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ケイト・ブランシェットが惚れ込んだというギリシャ人監督のデビュー作。まるで疫病のように突然記憶喪失になる病が流行する世界。ひとりの男が保護され、身元不明の記憶喪失者として、自分の人生をやり直すプロジェクトに参加する。自転車に乗る、ハメを外して踊る、高いところから飛び降りる、などなど、次々と課せられるミッションは時に奇妙に映るが、人生なんて筋が通ったものではなく、果たして自分の人生はなにをもって定義されているんだろうかと、根源的な疑問が湧いてくる。しかし、次第にこの物語が描く本筋はそこではないと気付かされる語り口の鮮やかさ。思い返せばヒントはあちらこちらにあったのにと、気持ちよく作り手に転がされる。そして、それでもなお、自分に置き換えることのできる普遍的な悲しみを描いていたこの作品を、好きにならずにいられないのである。

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村山章

4.0ギリシアから届いた不思議な肌触りの物語

2022年2月28日
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ギリシアから不思議な肌触りの映画が届いた。鑑賞中はどこか飄々としたトーンで物語が展開し、その語り口に思わず口元が緩んでしまう人も多いだろう。ただし、本作の描く状況は極めて特殊なものだ。舞台となるのは、記憶を失う奇病が蔓延する世界。日々多くの患者が身元不明となって保護され、記憶が戻らない人のために新たな生活をスタートさせるための訓練プログラムさえ用意されている。主人公のヒゲモジャな中年男性もまた突如として記憶喪失を発症し、このプログラムを受講することになるのだが・・・。序盤では、記憶を失った者たちが人との距離感や関係性の構築を学んでステップアップしていく姿に主軸が置かれているように思えるのだが、最後まで見通すと印象が大きく変わる。あまり説明的な描写がなく、サイレント映画のように動作だけで理解しうる場面が多いのも特徴的。これが長篇デビューとなるニク監督がいかにキャリアを築いていくのか楽しみだ。

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牛津厚信

2.5上書き保存できません

2024年10月28日
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鑑賞方法:VOD

私にはちょっと退屈に感じました。奇病だからといって変なプログラムに従うのはコロナ禍を思い出しますね。記憶はパソコンと違って上書き保存できない、、、です。そんな都合良く作られていないことを言いたかったのかな?

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ミカ

4.0L知っているか、記憶喪失の男は林檎しか食べない

2024年8月8日
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鑑賞方法:VOD

めっちゃ好き。
静かでエモい雰囲気が漂う映画。
ポラロイドを意識した画角も素敵。
撮り方もいちいちお洒落な感じがする。

主人公の男は無口だけど、どこか憎めない。
一生懸命で不器用な姿にクスッとさせられる。
自転車で爆走してるところとか宇宙服のコスプレしてるところとか、みんな絶対口角が上がっちゃうと思う。

ただ、映画のラストで男の見方が大きく変わる。
あのシーンはそういうことだったんだとひとつひとつパズルが解けていく感じ。
で、もう1回最初から観たくなる。

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JBはただの映画好き。

2.0企画倒れ

2024年6月23日
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面白くなりそうな設定なのに、結果なんでもなく終わった。ストーリーをつけないなら、せめて人物の内面描けば?筋もない、人も描かない、となると何を言いたいの?と思っちゃう。せっかくお金かけて映画作ってるのに。

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三毛猫泣太郎

3.0ちょっと淡々としすぎてて集中して見ないと色々見落としてしまう話だっ...

2024年6月20日
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鑑賞方法:VOD

ちょっと淡々としすぎてて集中して見ないと色々見落としてしまう話だった…
劇中でかかる音楽(映画自体のバックミュージックではなく、例えばクラブに行くシーンでそのクラブでかかってる音楽など)が好きなかんじのやつだった

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zzzzz

3.0突然、記憶喪失

2024年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

突然、記憶喪失になるという奇病が流行、主人公も罹ってしまう。
病院で新しい記憶を得る、という再生プログラムに参加することに。
アパートを借り、送られてくるカセットテープで指示を受け、その様子をポラロイドカメラで撮る、というものだった。
ミッションをこなしていくうちに、突然・・・。
とても不思議な映画で、記憶を失うのか、誰からも記憶されなくなるのか、奇妙な感慨を呼び起こされる。

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いやよセブン

4.0スタイリッシュ

2024年6月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

萌える

ストーリーで引っ張る映画じゃなく、感情に訴える映画でもない。
面白くないわけじゃなく、カメラワークとか衣装とかカッコいい。
ヘンテコなミッションをこなしていく筋も面白い。
さりげなくさりげある、そんな良い映画でした。

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Ferma

4.0知恵の実

2024年5月27日
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鑑賞方法:VOD

映画にリンゴがでてくれば、それはもう知恵の実なわけで。
人間が人間になった理由というか、獲得してきたものを指すと思うんですよ。
んで記憶。忘れたいほど辛い記憶も、生涯で最高に幸せだった瞬間も
取捨選択はあっても全てを分け隔てなく残していく記憶。
愛する人を失った辛さを忘れるってことは、それは愛した記憶を忘れるってことでして。

否応なしに進む時間と、変わっていく環境について
そして自分を自分たらしめるものについて描いた良作だと思う。

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mar

4.5現実逃避

2024年5月25日
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Giovanni

1.0物静かで地味なギリシャ映画

2024年5月16日
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odeonza

4.0思考に浸れる映画。

2024年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

全てを通して見たあとに、あのシーンは何を考えていたのだろう、このシーンでは何を感じていたのだろうと思考に浸ることができる作品だった。

余計な説明がない。

観る人の人生によって、受け取り方も違う作品だと思う。

玉ボケが素敵な画がたくさんあった。

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もち米太郎

2.0現実逃避

2024年1月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

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万年 東一

2.0巧い。だがツマラン。

2023年12月5日
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巧い省略話法に飽きる、という稀有な映画体験。
話法は優れているかもだが、そもそもの物語が地味で凡庸で面白くないのだ。
その地味さを無理に愛でる気にはならぬ。
巧い監督なら物語選びをこそ巧く。
尤もらしいが非支持。

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きねまっきい

4.0「林檎」も「ポラロイド」も記憶の保持だ

2023年11月5日
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鑑賞方法:VOD
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つとみ

1.0わからん…

2023年4月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

私が◯鹿なのでしょうか?
理解できない。
結局、記憶が戻ったの?記憶喪失を偽ってたの?
で、あのポラロイド療法?ってなんなん?
全然わかりませんでした。

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けはえ

3.0続出する記憶喪失者に新たな人生を作るプログラム。 おもしろいテーマ...

2023年3月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

続出する記憶喪失者に新たな人生を作るプログラム。
おもしろいテーマだが、ちょっと盛り上がりに欠けた。
記憶喪失者だと仕事をしないで社会保護を受けられるなんて、いい世の中だな、と思った。
最後、主人公は記憶を取り戻したのだろうか。

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省二

4.0悲しみを受け入れるまでの物語

2023年3月4日
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作品は、主人公が自分の頭を壁にごつごつとぶつける音で始まり、何があったのか分からないまま話は進んでいく。

舞台はどこか分からないが、スマホやパソコン等はなく、カセットテープやポラロイドカメラ、郵便等、アナログ主体の世界。記憶をなくす人が大量発生し、主人公も記憶喪失の身元不明者として入院する。しかし治療の成果はなく、記憶を取り戻すことを諦め、新たな人生を生きるためのプログラムを受ける。

まず気がつくのは、通常より横幅が狭い画面。中心に主体を置き、そこに向かって一点透視図法の線が入る印象深い構図。そして深い紺色を基調にした色調。この色調は、主人公の心境の変化に従って、赤みを帯び、最後は光を帯びた白になる。まるで朝へと変化する空の色。

主人公の考えていることは言葉にされることはなく、表情も乏しい。しかし、終盤に余命幾ばくのない老人と話し、彼の奥さんが記憶喪失になっていると聴いた主人公がいった言葉、「奥さんは、これ以上あなたを忘れることがなく幸せだ」。この言葉で、その後のシーンと、冒頭のシーンが全て腑に落ちた。

観終わった後の余韻がとても良い作品だった。

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komasa

3.0途中で寝てしまったのであまり話がわからず。みかんのシーンは印象的。

2022年12月26日
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鑑賞方法:VOD

途中で寝てしまったのであまり話がわからず。みかんのシーンは印象的。

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えみり

4.5林檎のちょっと酸っぱい感覚が伝わるその確かな存在感

2022年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

人は、これ以上ないと思える悲しみに襲われた時、すべてを忘れてしいたいと、思うのかもしれない。その心を、少し屈折した形で表現すると、こんな映画になるのでしょうか。
非現実的な世界観に、安部公房の小説やカフカの『変身』を思い浮かべていました。彼が陥れられた現実は、不条理そのものなのでしょう。そういえば、固有の人名は誰一人として出てこなかったように思います。

ただ、重い雰囲気はなく、ちょっとシュールなユーモアは、楽しめる人には楽しめるのでしょう。それに、もの静かで端正なたたずまいの空気感、美しく統一感のある色調の映像。何とも魅力的です。

切れそうになる現実との接点を、林檎がかろうじてつないでくれる。時間をかけて、アンナを喪失した現実を受け入れる。そして、深い悲しみや諦念とともに、傷んだ林檎をひとりほおばる。

無音のエンドロールの時間も心にしみてくるようで、監督の繊細な心遣いが感じられました。

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マツドン