「【もしかしたら神話のイメージ?/許し】」エターナルズ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【もしかしたら神話のイメージ?/許し】
エターナルズは、いつの日か、アヴェンジャーズとタッグを組んで、外敵と戦うことになるのだろうか。
アヴェンジャーズは、とても人間臭い物語だった。
登場人物は、笑い、戯けたりするが、すぐに怒りを露わにして、人の助言に耳を貸さなくなることなんて日常茶飯事だ。
(以下ネタバレ)
これに対して、エターナルズは、神の如く人間を見守り、人間の進化や進歩を助ける存在だ。
だが、人間はエターナルズの思惑通りに進化、或いは、進歩したりしない。
作中、「人間は嘘をつき、殺し合うが、笑い、助け合いさえもする」みたいな言葉があったと思うが、実は、エターナルズ自身も、そうではないのか。
ディヴィアンツから人類を守る。
しかし、それは、人類を最大限繁栄させ、新たなセレスティアルズの誕生の礎とさせる目的のためだったのだ。
ここからは、物語は急展開する。
一気に人間臭さが溢れるように感じるのだ。
セレスティアルズの使命を全うしようとするイカリスと、人類の存続を願う他のエターナルズの対立。
恋愛感情でイカリスに付き従うスプライト。
人間の家族への愛情、エターナルズ同士の愛情、エターナルズの使命とは、更に、その存在とは一体なんなのかと云う問い…。
入り乱れる感情は、実は、人間の感情そのものだ。
イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが、神は人間の作り出したフィクションだと言っていた。
ギリシャの神々の戯曲の物語は、人間の物語はそのものだ。
ギリシャ神話を読んで人間の情緒が醸成されるように、もしかしたら、エターナルズを観て、何かを感じ取る人もいるかもしれない。
この映画は、エターナルズの物語を通して、人間の間で因習と化してしまった意味の曖昧なものや、それに固執するもの、固執するあまり争いを厭わないもの、新たな価値を見出そうとするもの、平和を願うものなど、世界を取り巻く人類の様々な状況を見せようとしたのではないのか。
そして、テーマは許しのように思う。
エターナルズの世界観や映像は、クロエ・ジャオならではのようにも思える。
古代メソポタミアの王と同じ名前のギルガメッシュには生きて、もっと活躍して欲しかった。
加速器を持つサイボーグ009の如く速いマッカリはチャーミングで好みだけど、アンジーのセナも魅力的だ。
それに、当然、セルシも捨てがたい。
登場人物も、昨今の多様性を考慮してか、いろんな肌の色やノンバイナリーらしき設定もある。
時代だ。
まあ、映像やコスチューム、金色の光の描く模様や、防具、武器なんかが、ちょっと厳(おごそ)か過ぎて、エターナルズの人間臭さが、実は伝わりづらい気がするのと、あのデカサイズのセレスティアルズの登場の仕方がヌボーって感じで、実は笑ってしまったので、ごめんなさい、減点しました。
次回作に期待ですね。
デカ・セレスティアルズ、実は、おっかねぇ😁