「東洋の神秘とMCUが融合した、新たなる傑作ヒーロー譚」シャン・チー テン・リングスの伝説 アルタイルさんの映画レビュー(感想・評価)
東洋の神秘とMCUが融合した、新たなる傑作ヒーロー譚
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『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、マーベル・シネマティック・ユニバースにおける“新しい風”を感じさせる、圧巻のヒーローオリジン作品です。中国神話の幻想とカンフーアクションを高次元で融合させた映像体験は、MCUの枠組みを拡張する挑戦にして、大成功といえる内容でした。
まず注目すべきは、武術アクションの凄まじさ。バス内での格闘や高層ビルの足場での戦いは、まさに“人間離れした肉体美と動き”を極めた見応え抜群の連続。カメラワークもキレがあり、まるで実際にその場にいるかのような臨場感を演出しています。
加えて、シャン・チーと父ウェンウーの親子関係が重厚なドラマとして描かれており、単なる善悪の対立にとどまらない“愛と呪縛”の物語が胸を打ちます。ウェンウー役のトニー・レオンは、静かで繊細、なのに圧倒的な存在感を放ち、MCU屈指の複雑なヴィラン像を築き上げました。
幻想世界・ター・ローの描写や神獣たちの造形も非常に美しく、MCU作品の中でもトップクラスのビジュアルファンタジー要素を誇っています。西洋的ヒーロー観とは異なる“東洋的強さと誇り”を真正面から描いた点も高く評価したいところです。
あえて言えば、物語後半のテンポが若干ファンタジーに寄りすぎた印象もありますが、それすらも世界観拡張の余地として魅力的に映るのが本作の凄み。まさに“アジア系初のMCUヒーロー”として堂々たる登場であり、今後の活躍にも期待が高まります。
4.5点は伊達ではない、まさに新時代の到来を告げる傑作です。
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