劇場公開日 2021年9月3日

「一見さん入らっしゃーい!!」シャン・チー テン・リングスの伝説 keytonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一見さん入らっしゃーい!!

2021年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 学生時代、「アイアンマン」を観たとき、「主人公がおっさん」というのは自分としては衝撃だった。しかし、アメコミに詳しいアニメ監督の長濱さんが言うには、十代が主役でヒーロー活動をするのがむしろ珍しいらしい。その代表格が「スパイダーマン」でしょう。
 しかし、今作の主人公は子供でもおじさんでもなく、どこにでもいる普通の青年で、私の第一印象は「二十代にしては老け顔だなぁ」という印象を持ったが、そのギャップをカンフーアクションで補っているのが大きな特徴でもありました。
また、朝起きて筋トレしてからのBMWのカギを受け取る一連のシーンは、トニースタークと対比しているような印象を受けました。「今作の主人公は金持ちじゃありません」と強く主張しているような演出でした。
 今作は主人公の生い立ちに焦点を当てたシーンが多い。シャン・チーは父親から教わった殺しの技術をスパルタ的に教わり、亡き母親の仇を打った。10代で殺人を犯してしまった罪悪感は計り知れないでしょう。生まれ変わるために名前や住む場所も変えて、人生をやり直そうとする健気な一面を見せているのも人間味あふれる主人公で好感が持てました。
 序盤のサンフランシスコでの日常やバスで行われるアクションシーンは最高でした。移民が多い演出やシスコの坂道アクションなんかはその場にいるような感覚でした。中国・マカオでは高層ビルでのアクションや秘密の里での集団アクション等に龍などのモンスターバトルといった、今までにないMCUを見せてくれて、初見の人でも面白いと感じる見せ方をしていると思います。
 テンリングスのアクションも新鮮でした。投げてよし、打ってよし、バリアにしてよし等々バリエーションに富んだ技が出てきて、飽きない武器格闘を見せてくれました。
 不満点を書くならば、英語と中国語が交互に出てきて、会話が不自然に思えてならなかったです。
Dollby Cinema版 通常版 IMAX版の三種類観てきましたが、IMAX版が一番おすすめです。アクションや音楽がマッチしていて、躍動感満載でした。
PS.細谷佳正さん・内田真礼さんMCU入りおめでとうございます!!

keyton