「選曲はステキ!」クルエラ kwmdさんの映画レビュー(感想・評価)
選曲はステキ!
ディスニー作品はあまり、ロックやソウルを使わないので、斬新な選曲です。でも、バラードもムードコーラスもなく、同じような「強さ」の曲が続きます。映画もこの一本調子で、どこが山場かわからず、非常に長く感じられました。
主演のエマ・ストーン。『ララランド』でも『女王陛下のお気に入り』でも、なんなら『Easy A』でも、ちょっと残念な子が上を目指す役を演じています。泥道で転んだり、ゴミを被る演技は最高ですね。さすが、オスカー女優です。
うちには、『101匹わんちゃん』のドラマレコードがあったので、何百回と聞いたんだけど、気取ってて、強欲で、残忍なキャラ付けがされてました。本作では、あまり残忍なことはしてないし、犯罪はスリくらいだし、真面目にデザインしてるし、マヌケですらなく、地味なイメージです。これは髪色を変えても変化がありません。ハーレクインやジョーカーは見た目が変わると、人格も変わるのにそれがありません。ひどい目にあって、限界に達し、最後にビランが完成するという流れになってません。
作中にはいろんな事件やミッシンがあるのですが、時限爆弾は仕掛けられていないし、警察には逮捕されそうにないし、キャットウォークから落ちそうでもないし、全くハラハラしません。
終わりのほうで、「みんな同じ…」が出てきます。多分、ルパン三世のパクリです。折角笑えるところなのに、全く痛快でありません。
今気づいたのですが、『タイムボカン』のドロンボーの女1+男2のフォーマットはこれのオマージュですね。ホーレスは可愛いんだけど、ジャスパーは突っ込みを入れることはありません。二人はそこそこ仕事をし、良いやつですら有ります。コメディーリリーフになっていません。
途中、吹き抜けの天井から長回して建物の中を巡るシークエンスがありますが、CGの無かった『市民ケーン』は凄いなと思いました。
結局、観た人をどう感じさせたいかがよく分かりません。星三つなのは、選曲とエマ・ストーンの演技に対してです。