劇場公開日 2021年5月27日

「その姿、正にクルエラ。」クルエラ Y Kさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0その姿、正にクルエラ。

2021年5月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

101匹わんちゃんのアニメ版、実写版は共に何度も観てきました。また、エマ・ストーンさんが好きなこと、『アイ、トーニャ』の監督の映画であること、最初の予告が『ジョーカー』風だったことなど様々な興味から観ました。
感想
文句の付け所がない素晴らしい傑作映画でした。『プラダを着た悪魔』風のファションモデル業界の裏側を描きつつ復讐という形で業界を駆け上がる工程の見事さ、70年代のパンクムーブメントのbgmでの気分の上昇、101匹わんちゃん好きなら反応せざるを得ない子ネタの数々など全てが一級品でした。
内容について
クルエラはアニメ版では同情の余地なしの有名なヴィランとなっていますが、今作ではもちろん悲惨な過去を描いてくれました。エステラ幼少時代の母との関係に微笑み、ジャスパーたちとの友情に楽しくなり、中盤からの犯罪展開に熱くなる楽しい内容になっていました。基本展開がクルエラのモノローグになっていることや女性の葛藤を描く場面はアイトーニャの影響があるのかなと思いました。バロネスという癖の強いキャラが今作を魅力的にしてくれていて、実は⁈な展開にも素直に驚かされました。
クルエラといえば白と黒ですが、今作ではあらゆる場面がこの2色で彩られていました。美術面の美しさも圧巻でした。特に作中で作られる衣装の数々はファッションショーに参加しているような気持ちになりました。途中出てくるテロップの出し方もオシャレで嬉しくなりました。
個人的には映画オリジナルキャラクターのアーティは好みのキャラクターでした。
ジャスパーたち下っ端組とエステラとの家族愛のような関係には正直驚きました。この2人はアニメ版よりもイケメンになっていて意外だなと思いました。特にジャスパーの気遣いの良さには感動しました。犬たちも大活躍でその点でも満足です。アニータたちも出てきてそれにも驚かされました。
言及はしませんがクライマックスからラストの展開はずっとテンションが上がっていました。
演技について
クルエラ役はアニメ版、101シリーズ、ワンスアポンアタイムなど様々な方が担当されて来ましたが今作もしっかりクルエラでした。
とにかく美しく、カッコいい。流石はエマ・ストーンさんです。エステラの地味な姿とクルエラを同時に使い分ける描写の自然さには脱帽です。バロネス役のエマトンプソンさんもいかにもな傲慢キャラの性格を見事に演じらていて流石だと思いました。
総評
ディズニー作品らしくない⁈パンククライムアクション×ファション業界成り上がり作品。101匹わんちゃんの要素もありとても満足した。クルエラがカッコすぎです。また101匹わんちゃんが見たくなりました。
最後に今回吹き替えで観ましたが、意外に柴咲コウさんの声が合ってると思いました。吹き替えも楽しめると思います。

Y K