「ヴィラン悪役誕生映画としては、ハーレクイン超え、ジョーカー未満。チト長いのが玉にキズ。」クルエラ 満塁本塁打さんの映画レビュー(感想・評価)
ヴィラン悪役誕生映画としては、ハーレクイン超え、ジョーカー未満。チト長いのが玉にキズ。
ディズニー+吹き替えということで、カップルの熱気ムンムン、劇場は9割以上の満席状態。こうなると2時間半固定されるわけだからコロナもへったくれもない。皆んな、勇気あるのか?それともバカなのか??
映画は腐っても、さすがディズニーで、細かい描写がよくできていて、ローリングストーンズ2曲含めロックだかパンクだかの1970年代ロンドンの雰囲気が、音楽、映像ともになかなか良い。精緻と言える。
ただ、主人公エステラから、クルエラへの分岐点がいまいちハッキリしない点と、冒頭育ての母親【ネタバレ!!】が事実上殺されて死んだのに、その場にとどまらないのと、茫然、号泣しないのは不自然すぎ。そもそも、後のファッション界のカリスマ、バロネスへの報復の強い感情へと結びつかない。ここはこの映画の唯一最大の欠落点。母親事故死して、すぐにトンズラして噴水でアッケラカンとしてるって・・大人でもありえないのに子供じゃんか??
バロネスの傲慢不遜さvs クルエラ(一部エステラ)の狂気の対比は物語として面白い。あとブティック店主の中性のアーティがおしゃれでいい味出している。
ただ、最後の細い棒をバロネスに突き刺したのと、差しむかれた3匹の犬(犬種わからないごめんなさい。)を手なずけたのは何故だろう?描写が早すぎてわからなかった。
悪役誕生譚としては、DCのハーレクインよりはきめが細かいが、「ジョーカー」までは感情移入出来ない。私が男という性別であることはあまり関係ないと思われる。
ただ音楽、映像とも良くできているのは相違ない。しかしそれでも尺が20〜30分長いと感じた。
あとエンドロールですぐ席立ってはいけない。映画は明るくなるまで落ち着いて見届けるものだ。おしっこ漏れそうなら仕方ないが。