「テーマは「親はなくとも子は育つ」」ロン 僕のポンコツ・ボット keytonさんの映画レビュー(感想・評価)
テーマは「親はなくとも子は育つ」
主人公の少年バーニーは中学校で唯一AIロボットを持っていない少年でそれが原因でいじめられたり、邪険にされるなど孤独な状況にいた。バーニーの誕生日にひょんなことからロボットを手にするがそのロボットに損傷があった。バグだらけのAIロボットはバーニーの周りで問題を起こすが次第に理解するようになり、友達として認識していくバーニーだがBボットの開発会社は「ロン」の強制回収を始める。
声優の関智一さんが主人公のAIロボット「ロン」の吹き替えを担当していると知って、観に行きました。やはり「ネジが一本抜けている」という演技が抜群でとても面白かったです。ロンの声のトーンが一定で、怖いことを言ってもハスキーな声でしゃべっているとコメディチックに聞こえてしまい、殺人的行為がジョークに見えてしまう奇妙な光景でした。
実際観た感想は、完璧に子供向けの映画ではないですが、SNSの負の側面やハイテクビジネスの裏側が全面に描かれているのでそれなりに楽しめた。
特にバーニーが中学生ということもあって、幼馴染が離れて行ってしまうわびしい感覚や、流行に乗れない環境は思春期の子供にとって欠かせない過程を3Dアニメに落とし込んだところが良く、大人が説明しにくい事をうまく説明してくれた。
また、主人公を取り巻くキャラクターが個性が強すぎて引いてしまいましたが、バーニーがとにかく地味なのでロンをはじめ意識高い系の女子やバカッターに近い男子といった強烈な子供とうまいこと混ざり合っていた。
印象に残ったのは開発会社の追っ手から逃れるために森に逃げ込む。しかし、遭難してしまい、バーニーとロンが歩き回って、疲れ果てた時バーニーが発した言葉が「二人とも粗大ゴミだ」と張った瞬間。子供向けにしては残酷すぎた。