サマーフィルムにのってのレビュー・感想・評価
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前評判に惹かれて見ました!
主演が元48グループの何とかさんらしいのですが、全くの初見でした。
時代劇オタクの役柄通りのルックス(失礼!)で、違和感は無かったです♪
最初見た時はコメディアンの吉住さんかと思いましたが…
ラストの撮り直しシーン含めて映画として完成させて、監督のデビュー作として…いや、でもなぜデビュー作は削除されたんでしょうか?
タイムトラベラーの青年と出逢ってなかったから?
そうすると、青年のその後も気になりますし、そもそもヒロインがどのように有名監督になったのかも気になりますね!
エンドロール後もエピローグがまだあるもんだとちょっと待ってしまいました
全部入りなのに最後まで最高な気分にさせてくれる青春ムービーでした!
今日は朝から全てが時間通りに進行した奇跡の日だったので、久々に映画を観る時間が出来ました!
すぐに映画.comのアプリで観たい映画ですぐ観ることのできる映画をチョイス。
ずっと観たかった話題作『#サマーフィルムにのって』を鑑賞してきました!
今夏、映画制作を題材にした映画が多く、これもその中の1本。まぁよくある青春映画制作ムービーかなと思ったら、キラキラ恋愛、時代劇、笑い、嫉妬、SF、涙…と盛り沢山の全部入り!
なのに全ては最後のカットに集約されていて最高な青春映画でした!
おすすめ!
パンフレットに後日談の漫画「サマーフィルムにのって あれから」があるので必見ですよ!卒業式の日が舞台です!w
無題です
うーん…昨夏の「アルプススタンドのはしの方」のような清々しさ、リアルな高校生の眩しさ、といったものを期待していたのでちょっと肩透かし。
高校の映画部が映画を作る、と言えばどうしても「桐島、〜」が思い浮かぶしタイトルやタイムスリップの設定から「サマータイム・ブルース」などとも比較してしまうのですが。。
ストーリー、役者さんの演技(もちろん良かった人もいましたが)、演出…どれも拙さが目立ちました。ラストは小っ恥ずかしくて何とも言えない感情に。
時代劇が好きな女子高校生、という設定は面白いし絶対に私好みの作品だと思っていただけにちょっとガッカリしてしまいました。
どうして評価が高いのか、正直わかりません。辛口になってしまってごめんなさい。
ちなみに上にあげた3作品はどれも大好きなんですけどねぇ。残念。
整合性を放棄することで生じる美しさ。こんなもの、大好きってしかいえねーじゃん。
時代劇を愛する女子高生ハダシの、映画制作に燃える一夏の経験を描いたSF青春映画。
主人公のハダシを演じるのは、『あさひなぐ』『映画 賭ケグルイ』の伊藤万理華。
ハダシと同じく、時代劇を愛する青年・凛太郎を演じるのは『ナラタージュ』や『おっさんずラブ』シリーズの金子大地。
ハダシの親友・ビート板を演じるのは『喜劇 愛妻物語』『佐々木、イン、マイマイン』の河合優実。
みんな大好きサマーフィルム。
自分の世代の青春映画といえば『ジュブナイル』『ウォーターボーイズ』『ピンポン』などなど。
親に連れて行ってもらった映画館で、なんとなく観たテレビのロードショーで、少年時代に出会ったサマーフィルムの体験は、まるでプールの水光のような特別な輝きを放っており、今でも宝物となって胸の奥に眠っている。
今考えれば「コレはどうなの?」と首を傾げたくなる作品もあることにはあるのだが、夏の青春映画にはそういう細かいことを無視して楽しめる魔力のようなものが備わっていると思う。
前述した『ウォーターボーイズ』を含め、『うる星やつら2』『リンダリンダリンダ』、近年のコミック&アニメでは『映像研には手を出すな!』など、青春×文化祭というジャンルはより一層エモい。エモエモのエモ。
ロングショットでみれば取るに足らないイベントだが、クローズアップしてみれば最高級の煌めきを放っているのが文化祭。
文化祭準備という起点と、出し物の遂行という終点がはっきりしているという点において、映画などの物語との相性が良いのかな、という気もする。
『座頭市』をはじめとする時代劇への言及や殺陣のモノマネ、「時をかける少女」「夏への扉」と言ったタイムスリップ系SFへの目配せなど、この映画は過去の物語群をサンプリングすることによって成り立っているものだということが、冒頭15分程度で暗示される。
主人公ハダシのルックは、髪型顔立ち服装を含めて『時かけ』の原田知世を意識しているし、タイムマシンを開発した凛太郎の同級生の名前は『BTTF』と同じドク。
細かいところでは、ハダシのライバルである花鈴のセリフ「眼中になかったよ。」
女子高生が「眼中にない」なんて言葉使うか〜?と思われるだろうが、これは『ピンポン』に出てきた主人公ペコのライバル、アクマの発言からの引用なんだろう。
膨大な過去の名作をモチーフにして新しい作品を作り上げ、それを未来へと繋いでゆく。
このサンプリングにより作品を構成させるという手法が、本作のキモである「映画=タイムマシン」であるということを体現している。
過去/現在/未来をつなぐものが映画であるという主張を、作品の構造で語るというのはなんとも粋で巧みじゃないですか。
これだけでこの作品、合格〜!💮
「映画=タイムマシン」/「時代劇=ラブ・ストーリー」。
本作はこのような仮説を組み立て、それを証明するような内容の映画となっている。
本作を見事だと思ったのは、この仮説が斬新だったからではない。
この仮説自体は他の作品でも散見されるものである。例えば「時代劇=ラヴ・ストーリー」という考察は、井上雄彦の漫画「バガボンド」で描かれた佐々木小次郎vs猪谷巨雲でのモノローグ「俺たちは 抱き締めるかわりに斬るんだな」を思い起こさせる。
時代劇だけでなく、男vs男の決闘は押し並べて恋愛の匂いが漂う。
ちょうど今『グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ』というドラマもやってるしね。
ロッキーとアポロなんて、あれはもうほとんどSEXだしね。2人の間にはアドニスという息子も生まれているしね。
話を本筋に戻します💦
本作が優れているのは、これをみた観客が「なるほど!たしかに!」と膝を打ってしまうほど、この証明が見事に成し遂げられているため。
「時代劇=ラヴ・ストーリー」ということを説得力を持って伝えるだけでも難しいのに、そこに「映画=タイムマシン」という仮説の証明を同時に行なってしまう。しかも作品のランタイムはたった97分。
これはもう見事というしかない。単純に巧い!
賛否が分かれるであろうクライマックス。
自分はなんやかんやで2回も観てしまったのだが、1回目はこのラストに首をひねってしまった。
いやこれ最後演劇になっとるやないかい…😅
映画を途中で打ち切るなんて、わざわざ自分の時間を割いてまで観に来てくれている観客に対して失礼だろっ!
大体、映画部のヤツらアドリブ利きすぎだろうが!めちゃめちゃ訓練しているやつの動きじゃん!
とか思った。
しかし2回目で感想が変わった。
ハダシと花鈴の会話での「美しくなくても想いを伝えた方が良い」というやり取りが、作品のカタストロフ的クライマックスの布石になっていたことに気付いたから。
ここでいう美しさとは「整合性が取れている」ということ。
整合性の放棄こそが真に美しいものを生み出すかもね…、という「リンダリンダ」的ドブネズミ美学を最後に持ってくるという大胆さこそがこの作品の魅力であると気付きました!
このエンディングでは作品全体のバランスが崩れてしまう、ということは承知の上でのトライだったのでしょう。
ただただ奇策を打って出るのではなく、ちゃんと前フリをしているという周到さに非常に好感が持てるし、それが上手く作用している。このエンディングはアリ!
このエンディングで、映画部の面々が刀の代わりに持っているのがホウキやモップであるというのもポイント。
我が心の師、甲本ヒロトの言葉「ホウキでもいいんだ ギター持ってなくてさ ロックンロールに憧れて教室の隅っこでワァーってなる すっげぇ楽しいんだ そこがゴールです そっからどこにも行かないよ」をトレースするかのような、この初期衝動の爆発!💥
最後の最後にチャンバラごっこを持ってきて、「時代劇はホウキとモップでのチャンバラがスタートにしてゴール」という、歳をとるにつれて忘れていた感情を思い起こさせてくれる。
このクライマックスには、チャンバラに対する愛情が詰まってる、それが熱いのだ!❤️🔥
あと細かいところで良かったと思うのは海のシーン🏖
青春映画で、こんなに天気の悪くて寒そうな海辺のシーンは中々お目にかかれない!
日本海かっ!ってぐらい暗い暗いロケーションだったもん。
ハダシが打ちひしがれているシーンだから、ここは暗い海で正解🙆♂️
最終日での撮影シーンだけは明るい海でも良いんじゃ?とも思ったけど、結局ここでもまだハダシの逡巡は終わっていないんだから、やっぱり暗い海で正解なんだろう。…単純に海のシーンを一日で纏めて撮影したからという可能性もあるけど。
なんか小難しいことをグダグダ書いてしまったけど、単純に主要キャストが最高だった!
特にハダシを演じた伊藤万理華さん。元乃木坂の人なんですねー。全然元アイドルに見えない💦
伊藤万理華さんの演技がバツグンに良かった!このキャスティングをした時点で優勝決定🏆
今後もっと活躍の場が広がっていく女優さんな気がする。こんなにエアマックスとバックパックが似合う女性なかなかいないっす!
脇役ではダディボーイを演じた板橋駿谷が最高っ!
これはもう日本アカデミー賞の助演男優賞は決まりでしょう笑
実年齢37歳なのにちゃんと高校生に見える!凄い!
この役者さんも、もっともっと売れて欲しいなぁ。
青春映画の細かいアラに突っ込むのもヤボだとは思うんだけど、全体的に完成度が高い映画なだけに、ちょっとした残念ポイントが余計に目立ってしまう。
冒頭、ハダシと凛太郎が橋から川に飛びこむシーン。この水深がいくらなんでも浅すぎる。これじゃ死にますよ💀
引っ越し業者でバイトするシーン。段ボールから重量が感じられず、なんかこれ中身が詰まっていないんじゃないの?とか思ってしまった。ここはもう少しリアルな引っ越し荷物感が欲しい。
あと最後の上映会のシーン。いくらなんでも観客少なすぎるだろ(まぁこれはリアルといえばリアルだけど)。
低予算映画ゆえの、モブシーンの苦しさか。
タイムトラベルの説明が凄く雑で薄いことも気になったが、どんな映画でもタイムトラベルの説明って大なり小なり違和感があるものなので、ここはむしろ好感が持てた。
むしろ一切の説明を省き、俺はタイムトラベラーだ!ドンッ!くらいの開き直りでもよかったかも。
それよりもビート板があまりにも早く凛太郎の正体に気付いていたこと、そしてそれを受け入れていたことが気になる。
ちょっと言動がおかしいヤツに対して、あんた未来から来たでしょ、なんて思うかフツー?
ビート板の描写はもしかしたら結構脚本から削られたのかな、なんて思ったりもする。
本来はもっとビート板とドクの交流とかを描く予定だったんじゃないかな?ドクが最後現代にやってきたのはその名残だったりして。
物語上で一番飲み込み辛かったのは、未来には映画を作る奴も観る奴も居なくなっているということを知り、ハダシが打ちひしがれるところ。
凛太郎が何年先の未来から来たのかはわからないが、クレープもマシュマロも知らないという事から考えると、かなり未来から来たのだろう。
もしかしたら、そういう甘味類が容易に手に入りにくい、ディストピア的な荒廃した世界になっているのかも。
そんな先の時代なんだから、そりゃ現代とは娯楽の形は変わってるだろう。それが当たり前。
これをハダシが未来に対して絶望するという展開に繋げるのはちょっと無理があるでしょう。
ハダシと凛太郎の関係性が変わるという展開を描きたいが為に、無理矢理問題を提起したような感じがするのでここには結構違和感を覚えたなぁ。
キャストはかなり良いと思う。だからこそ音響担当の2人のキャラ薄すぎ問題が目に付く。
こんなに薄いキャラクターなら別に2人も要らんのでは?
ハダシチームのキャラの濃さには明らかに差がある。そりゃ全員ダディボーイ級のパンチ力があった方が良い、とまでは言わないが、この2人に関してはもうちょっと華のある役者と性格を用意してあげるべきだったと思う。
気になるところも勿論あるが、そもそもがかなり無理な設定に挑戦している作品なのだから、ある程度は仕方ない。
そこを差し引いても、日本映画史に新たな青春映画の名作が刻みこまれたのは間違いないと思う。
気怠げなイけてない高校生。一夏のボーイミーツガール。爆発する初期衝動。仲間との絆。成長する少年少女たち。好きなものは好きなのだと、声高に主張する傍若無人さ。
青春映画に求める全てがここにはある!
さぁサマーフィルムにのって、タイムトラベルに出掛けよう♪
53テイクもできることが羨ましい
高校の文化祭作品に53テイクかけられることに時代を感じるなあ。昔なら8ミリフィルムがもったいなくてNG黙殺、何か映り込んでもギャグにしてたな。IT化でむしろ効率は落ちるのか……。「賭ケグルイ」で不完全燃焼気味だった伊藤万理華の活躍も嬉しいが、クール一辺倒と思った金子大地がこんな演技もできるのに驚き。登場シーンでは全く別人かと思った。
惜しいのはラストシーンかなぁ。映像作りに魂をかけてる主人公たちがアッサリ上映をぶった斬るところに違和感というか、この作品そんなモンだったの?という残念な後味が残った。
陰キャな私にも優しい青春映画。
「お耳に合いましたら。」で知った伊藤さんが主演で、尚且つなかなか評判が良いとの事で夫に誘われて観てきました。
予備知識は主演が伊藤さんで、プレスクの甲田まひるも出てるらしい…高校生が映画を自主制作する青春モノ。
…だけ。
キラキラ✨青春モノは陰キャには荷が重いぜ…と思っていたけど、はだしちゃんもこっち側の人でしたか!やっほうww
あらすじすら読まずに観はじめた所為で途中、え?凛太郎…未来人…そっち方面なの?と思ったものの、
いつも細かい設定の辻褄が気になってしまって現代物は躓きがちな理屈っぽい私(NOT御都合主義!)でも
「いや、でも未来人出て来る話だから!ww」って事で色々丸く収まりました??ww
(ちゃんと制作費をバイトで稼いでたの偉い。)
紆余曲折しつつ、結局は恋愛モノなの?えー、ガッカリ〜😮💨となりそうな所を、高校生とは思えない見事な殺陣で熱い青春モノに昇華してくれたので(恋愛モノ苦手な私にとっては)ニッコリ😌な良いBoy Meets Girl映画でした✨有難う♪
ビート版ちゃんは、ちょっと石原さとみっぽくて将来が楽しみ…。
好きが止まらない
ジャンルも時代も飛び越えた全力疾走の青春映画。
10代の頃の好きなものを突き詰めて、疑う事なく追求していく純粋で真っ直ぐな姿勢が全部詰め込まれています。
迷って悩んで間違えてを繰り返すタイプの青春とは真逆で、「好きだ!!」と叫びながらひたすら前進し、その想いで、自分たちの力で、未来を切り拓いていくエネルギーに満ちた傑作だと思います。
色々なところに粗さはありますが、そんな事は気にならない推進力を物語がもっています。むしろそんな粗さすら彼ら彼女らが生み出そうとしていた映画そのもののような気すらします。
間違いなく新たな青春映画の代表作となるでしょう。
色々青い。青すぎる。
映画好きな方や関係者の方は、こういう映画作成の裏話ものがお好きなんでしょうか。
専門家の評価は高いですね。
素人から見ると、また映画撮影ものかよ…
と、ちょっと残念な感じがあります。
ストーリー展開が素晴らしいとの話もありますが、ラストシーン、はっきり言って突拍子がなさすぎて疑問符の連続です。
未来との関連も全く理解できないし。
少し詰め込み過ぎな感じ。
多分撮影中に脚本を大幅に書き換えたのでしょうか。
中断もあったと聞きますし。
役者たちは若者が多くて、学生らしいのめり込み感が新鮮な演技で表現されていると思います。
特に、主役の伊藤万理華。
嗜好とやる気が満ち溢れたヲタク学生を見事に演じています。
彼女のイメージビデオと思えば良い出来です。
ですが、映画としてトータルに考えると、思い込みだけで突っ走る学生の戯れを見せられている感じで、若くて青いなぁという印象を強く持ちました。
ファンクラ特典映像としてはいいけれど、出したお金の価値があるかと言われると微妙。
こんな方に:伊藤万理華大ファン。青春真っ盛りの方。映画撮影関係の方。
やめたほうがいい方:荒廃した青春時代を嫌悪している方。整ったストーリーの映画が好きな方。
ライバルなら決着をつけなくちゃ、バイバイ。さよなら。
ずっと口の端を緩ませながら観てた。時代劇オタクの女子高生が尊くて、何かに夢中になってる姿が眩しくて、『お耳に合いましたら』伊藤万理華が美園のまんまで。
読みかけの本『時かけ』をちらつかせてくれることで、タイムトラベル要素のSFに抵抗感なく入り込ませてくれる。金子大地は、今回は教官でも同性愛者でも金髪のカメラマンでもなく、未来からやってきた、ハダシ信者。その当の本人のハダシは、王道の青春学園ものの高テンションで突っ走り、それを暖かく見守り手を貸す仲間も微笑ましい。結局、どこにも悪役はおらず、皆のあえてのクサイ演技も徐々に嵌ってきて、最後になぜだか涙を流してしまう。
そう、その映画のラスト、ずっと悩んでたよね。悩んで、悩んで、そして、ひらめきのように出したラストがそれかよ。最高のクライマックスじゃないか。青春がはじけてるわ。武士の青春が、いや、ハダシたちの青春が。
ラストに向けての畳みかけが最高!
この主人公って誰だ!?って調べたら、元乃木坂なんだ。
という事は、辞めていなかったら「映像研には手を出すな!」の浅草さん役にピッタリだったのに…というのが最初の感想。
いや、でも伊藤万理華がいつ辞めたかも知らんし、齋藤飛鳥も良かったから、どうでもいいか。
時代劇が大好きな女子高生が、仲間を巻き込んで夏休みの間に一本の時代劇映画を作り上げる話。
女子高生三人がワチャワチャしているのも楽しいし、秘密基地があるのもいい。
言っとくけど、そんなに感動作って感じでは無いよ。
それでもラストに向けての畳みかけが最高!
「映像研には手を出すな!」「映画大好きポンポさん」「サマーフィルムにのって」を映画好き少女三部作と名付けておこう。
よくできたライトノベルの充実感(誉め言葉)。伊藤万理華の魅力が炸裂するラストに武者震い。
ようやくチネチッタの大スクリーンで観てきました。
7月くらいに予告編で観て、間違いなくこいつは俺向きだ、楽しそうだと期待しつつ、ついつい見逃しかけてたんだけど……、やっぱりサマーフィルムだもんね。夏が終わる前に観とかないと!(って東京はもう十分寒いがw)
とにかく若い子たちが、わきゃわきゃと楽しそうに映画を作ってる。
それだけで、もう幸せな気分になる。
いいよなあ、青春。
俺にもあったぜ青春。男子校だったからラブコメ成分はゼロだったけどな。
文化祭はクラスで演劇やったけど、俺ヒロインだったぜ(´;ω;`)ウゥゥ 30年前だけど。
いろいろな視点から、いい点もまずい点も語り尽くされてるでしょうし、思ったことだけつらつらと。
●ラノベ感
高校生しか登場しない、猛烈に閉じた世界観。
(有名俳優が出ていないって以上に、そもそも大人が誰も出てこない。
といいつつ、実はダディボーイ役の板橋駿谷くんって当時35歳だったらしい、びっくりw)
学校と映画撮影地と秘密基地以外にはどこにも出没しない、生活感ゼロの登場人物たち。
しかもそのうち3人は、綽名でしかでてこない(パンフによると「ハダシ」は本名とのこと)。
このノリは、間違いなくアニメ、というよりその原作となるライトノベルのそれだ。
『涼宮ハルヒ』でも、キョンはキョンだし、妹以外の家族はなかなか出てこなかった。
ヒロインが映画撮影を仕切るのも、未来人が仲間に加わるのも、タイムリープが関わるのも、映画内で紐づけてる『時かけ』より、どっちかというと『時かけ』のオマージュやってる『ハルヒ』に近い。
というか、監督や脚本がラノベを幼少時から浴びるほど読んでて、その文法や面白さやノリや共犯性みたいなものを血肉としてる世代なんだよね(監督が88年生まれ、脚本が87年生まれ)。
だから、若者向けの青春ドラマを作ろうとなったときに、自然とラノベみたいな語り口と世界観の物語が紡げる、そういうことだろう。
そういや、この夏に観た『映画大好きポンポさん』では、アニメーションに実写映画の文法とナラティヴが導入されていた。こちらは、実写映画にラノベ/アニメ的な文法とナラティヴが導入されているというわけだ。
●登場人物全員善人
『サマーフィルムにのって』はストレスのない物語だ。
なぜなら、誰も悪いやつが出てこないから。
いざというときに負の感情で動くやつがいないから。
悪意がないから、秘密は比較的さらっとばらしちゃうし、恋心は比較的さらっと明かしちゃうし、みんな頼まれたら比較的さらっとなんでも引き受ける。
ライバル監督どうしで相手の危機にお互い手を貸すし、
ラストでヒロインがバカやっても観衆はこぞってそれを受け入れる。
ビート板はハダシの恋を応援し、自分の恋心には蓋をする。
要するに、通常の映画では必ずドラマを動かすために用いられる「隠し事」「悪意」「噓」「勘違い」「反発」「迷惑キャラの理不尽」といった「負の行動」が、本作ではほとんど出てこない。
あるのは、ハダシの映画に対するこだわりと、凛太郎がいつか未来に帰るという外的な問題要因だけ。
それでも、これだけお話がちゃんと動かせる。
実に立派なことだ。
長いコロナ禍のなかで心を疲弊させている多くの人たちにとって、この「善意」だけでできた優しい物語は、ほっと一息つけるような安らぎを与えてくれるはずだ。
●共感性の映画と作家性の映画
本作の中で撮られている二本の映画は、それなりの対称性をもって呈示される。
花鈴の撮っているキラキラ青春映画は、現代のSNSに象徴されるような、横のつながりと双方向性、同世代間の共時性に立脚する「共感性」の産物だ。「共犯性」の映画、といってもいい。
舞台はもちろん「今、ここ」。映画内には高校生としての現実と夢がそのまま持ち込まれ、「仲間内の許しと称賛」も映画の一部として機能する。映画というツール自体が「つながってゆく」ための方便でもあるからだ。放たれた想いは端的に、ストレートに伝わり、冒頭の屋上シーンでも、「好きだ」の言葉は二人の物理的距離を乗り越えてまっすぐ相手に届く。幽霊が海辺で語る最後のキメ台詞は真正面から衒いなく捉えられる。
一方、ハダシの撮っている『武士の青春』は、過去の名作オマージュを主眼とするオタク的創造物で、ハダシ個人の趣味と創作意欲の充足が目的の「作家性」の産物だ。スタッフはハダシの夢の実現のために集い、そこでは独裁性がスタッフの側から容認される。
彼らが撮るのは時代劇だ。過去の様式の検証と模倣、継承が図られ、そのうえでハダシの作家性として彼女の想いが意識的、あるいは無意識的に取り込まれる。ハダシの劣等感と焦りと内なる恋は、剣豪どうしのぶつかり合いへと形を変え、持って回った男と男のダイアログには、ハダシ自身の揺れる心がまとわりつく。凛太郎が語る最後のキメ台詞は、斜めからの煽りで作為的に仕上げられる。
花鈴たちの「SNS」的なノリの映画が、やがて「物語の廃棄」と「短編化」をまねき、映画のない未来へとつながってゆくのに対して、ハダシたちの「過去を継承する」姿勢は、未来へと「映画文化」を曲りなりにも送りとどけるよすがともなるだろう。
とはいえ、本作のラストでハダシがとった大胆な行動は、過去と結びついて今と切り離されていた自らの映画を、ただいっとき、花鈴の映画のような「今、ここ」の共時性/共犯性のフェイズに切り換え、まっすぐに想いを伝える手段として用いたともいえるわけで、その意味で作り手たちは「花鈴の映画」のような在り方を必ずしも否定しているわけではない。
●作劇上気になる点
基本は大変面白かったんだけど、複雑にネタを重ねて作ってあるぶん、どうしてもうまくいかない部分が出てくるのは仕方がない。
一番気になるのは、ハダシが、自分が未来世界で「巨匠」として扱われていることを凛太郎から知らされたにもかかわらず、ほとんどノーリアクションだった点だ。
いくらそのとき恋に悩んでたとはいっても、長年の夢である映画監督に自分が実際になれて、しかも成功を収める未来を知る喜びとプレッシャーは、ただごとじゃないくらい重たいものだと思うんだが。
あと、別に未来人関連の扱いが軽かろうが適当だろうがまったく気にならないのだが(本筋ではないから)、「未来には映画がない」という事実に関しては、もう少しちゃんと掘り下げるべきだし、今のような「1分で長篇とか、そんなことあるわけねーだろ」って状態のまま放置してはいけなかったのではないか。少なくとも、俺は「短編動画が世界を席捲すること」から「長尺の物語映画が駆逐されること」の間には、想像以上に大きな懸隔があると思うので。
未来に映画がなくなるということは、ハダシにとって重たくのしかかる深刻な問題であり、ラストにもつながってくるきわめてシリアスな要素だ。だから、この「ネタ」みたいな軽い扱いのうえにハダシの重たい苦悩がのっかると、足場がぐらついて、ラストの真実味までが喪われてしまうのだ。
それと、これは別に苦情じゃないけど、「ハダシ」「ブルーハワイ」「ビート板」と最高に夏っぽいキーワードを揃えて「サマーフィルム」を標榜しつつ、あんまり夏感ないよね、この映画(笑)。
と思って、パンフ見たら、夏合宿と文化祭のシーン以外は3月に撮ってるのか。
でも、本当に「夏っぽく」したかったのなら、もっと汗だくの見た目で撮るだろうし、蝉の声とか太陽のショットとかもかぶせてくるだろう。そうしてないってことは、たぶんここでの「夏」は、もっと概念的なものなのかもしれない。ってか、そもそもあんまり聞かない言葉だけど「サマーフィルム」ってなんぞや??(禅問答) 作中でハインラインへの言及もあるし、『夏への扉』でも意識してるのかな?
●ラストはネタバレ回避でガツンと食らえ
ラストに至って、俺は初めて、なんで本作のヒロインが元乃木坂でなければならなかったのか、得心がいった。
あと、さんざん勝新、勝新っていいながら、あんまり作中では活かされてないなあと思って観ていたのだが、おみそれしました。
ああ、これをやらせたかったのか!!
これがやりたくて撮った映画だったのか!!!
ラストの転調と盛り上がりは、力技の部分もあって、しょうじき考えたら負けな気もする(笑)。
でも、不意打ちだったからこそ、あれだけぐっときたんだろうなと。
(未来人がどうの、映画を廃棄するのしないのってのが結構うまい目くらましになってる。未来に映画がなくなるって前提で、この映画を廃棄しないといけないっていうなら、じゃあ、ああするかなとか、こうするかなとかみんなオチを想像すると思うんだけど、なるほどこっちのほうに舵を切ったのか、その発想はなかったわ、みたいな)
だから、皆さんも本作を観るにあたっては、ぜひ予備知識ゼロで臨んでほしい。
そして、ラストのハダシをその目に焼き付けてほしい。
俺はこのラストだけでも、観に来た甲斐があったと思った。
ちなみに監督の一押しは「壁ドン」だそうです(笑)。
いやあ、伊藤万理華。
ほんと良い女優さんだわ。
愛
無闇矢鱈に何かを愛しちゃうことって、ある…
この映画ではそれは時代劇。
とにかく思い描く時代劇を撮りたい、だけどそこには常に葛藤もあって、映画を作ることそのものが青春ってやつに似ていたり…
映画を作ることについての映画で、こんなにそれを愛してる映画、という意味では「カメラを止めるな!」を思い出しちゃうな…
特にラストの大展開は、時代劇だけじゃなくて恋愛映画も含む映画への想いを感じさせる。が、ラストシーンは紛うことなき時代劇への愛。
三人の女の子たちのわちゃわちゃが愛しい。
愛すべき作品。
夏の最高作品!
映画好きからすれば演技、演出に酷評なのでしょうね?!朝ドラ好きの私には今夏、最高作品でした!主演の方だけでなく周りの方の存在感が素晴らしいと思いました。ライバル役、メガネの彼女、剣道部女子と皆さんステキ。ライバルは通常、嫌味な役が多いですが、全く逆ですし、メガネを取ったらもしかして石原さとみさん似?なんて思ったり剣道彼女の笑顔は忘れられない存在。褒め過ぎかも知れませんが、爽やかな感動とコロナ禍で青春を謳歌し切れない学生の方々を笑顔にしてくれる作品だと思いました。もっと早く見れば良かった〜
結末の斬新さよ!
松本壮史監督といえば、先日鑑賞した「青葉家のテーブル」があまりにも合わなかったので、ちょっとした不安を感じつつ鑑賞…
結果的には良い意味で裏切られた、私的嗜好を充分に満たしてくれる良作だった。
キャストたちの演技力で魅せるというタイプの作品ではないけど、斬新な結末に驚かされたし、この手の青春映画って登場人物たちがキラキラしてて、自分の学生時代を思い出して羨ましくなってくるんだよね。
熱く爽やかな青春映画の映画
キラキラな恋愛映画を作る映画部に対抗して謎の男凛太郎を主役に時代劇を撮りはじめる女子高生ハダシの話
都会からかなり遅れて9/10公開
予習なし失礼ながらあまり期待もせずに観ました
ところがところが…
最初はアニメのようなオーバーな感情表現に違和感があったけど慣れてきたのかだんだん自然に思えてくる
それだけでなく表情豊かな皆に愛着すら湧いてくる
凛太郎には秘密があるけどその秘密がとんでもない笑
一見話がメチャクチャになりそうなネタなのに最後はしっかりまとまっている
熱く!そして爽快感漂うラストは最高
こんなに『よかった』…と思える青春映画は久しぶり
やっぱり予習なしで観る映画はいいなと思いました
登場人物皆好きなんだけど
1番のお気に入りはダディボーイ
パンフレットに載ってた短編漫画サマーフィルムにのって あれからも凄くよかった😃
また観たいな
夏っぽさが薄い!!
時をかける少女✕ちはやふる、スウィングガールズ。
周りに馴染めない人間が一念発起する内容は決して嫌いではない。
話が納得しづらい、演者の演技力が今ひとつなどなどあるけど、嫌いにはなれない、というより割と好き。
『好き』と言う感情が全編貫いているのも好感持てるし、実はみんな良い子だったというのも『ブックスマート』みたいでとても良かった。
ラストの殺陣シーンは迫力さえ感じた。
ただ!!タイトルにもあるんだから、もっと『夏』を感じさせてほしかった。ギラつく日差しもないし、高校生で野外の活動満載なのに日焼けもしないって…。
非常に惜しい一本。
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