「なかなかの見応え」シカゴ7裁判 lllさんの映画レビュー(感想・評価)
なかなかの見応え
久々に見応えのある法廷劇だった。 60年代、暴動を扇動した容疑で捕まったシカゴセブンと言われる被告が裁かれるさまを描いた作品。
数ヶ月にも及ぶ裁判の合間に回想シーンなどが織り込まれる。とにかく編集がうまくて飽きさせない! バラバラ個性の7人の被告たちや、ちょっと頼りなさそうな弁護士クンスラーも良いが、判事の憎たらしさも際立っている。陪審員不在で審理を続けるなんてことが通るのかと驚いた。
他の人も書いているが8人目の被告ボビー・シールに至っては完全に無関係・デッチ上げの冤罪。弁護士も付けられずに裁判が進行する恐ろしさ。途中で審理無効にはなったが、国は彼に謝罪が必要ではないのか。
よくある「最後は正義が勝つ」わけではなく、結局有罪の判決。 しかしこんなにも理不尽な裁判があった、それを知るだけでも大きな収穫。
民主主義国であってもいつでもこんなことが起こりうる、それは日本にとっても他人事ではない。
ヘイデンが戦死者名を延々と読み上げるのはあまりにも映画的なエンディングだが、これも史実なのだろうか?
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