劇場公開日 2020年12月11日

「三浦春馬と五代友厚をほとんど知らない者として・・・」天外者(てんがらもん) Lucky!さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5三浦春馬と五代友厚をほとんど知らない者として・・・

2021年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画での三浦春馬は
元気で明るさのあるシーンよりも
苦悩しているシーンの方が輝いて見えた。

彼の素に近いか、そうじゃないかの違いだろうか?
今まで、コメディードラマと
映画コンフィデンスマンJPでしか見ていないが、
彼の素は、明るく元気!ではないと思う。

作曲家が歌手の音域を生かして曲をつくるように、
熱い思いをクールに語るキャラ設定にしてたら
もっと彼のよさが出たんじゃないだろうか?
あくまで想像だが・・・

それから、五代友厚の数々の偉業があまりにも説明不足だ。
朝ドラで予備知識のある、おばちゃんがターゲットだからなのか、
公証人としての手腕や日本を近代化させた実績が
ちゃんと紹介されなかったのは残念。
五代の志を後世に伝えようとした有志が、映画化を企画したと聞くが・・・

詳細な歴史的資料がないとしても、
女郎が身売りして英国から解放されたなんて脚色は、いかがなものか。
せめて明らかな実績はナレーション入れるなり紹介してあげないと
五代友厚のすごさが伝わらない。

もし、それをやったら池井戸潤原作のドラマ風になってしまい
おばちゃんウケしなくなるかもしれないが、
それでも、本当の映画ファンには
五代友厚と言ったら、あの三浦春馬が演じた天外者!
と記憶に残る映画になったんじゃないだろうか。

春馬ファンが故意に評価を吊り上げていると聞く。
それが本当に三浦春馬のためになるのか?
映画化を企画した有志も、一緒になって評価を吊り上げてはいないか?
利益を目的としない、五代の志を汚していないか?
はなはだ疑問の残る映画になってしまい残念だ。

Lucky!