劇場公開日 2020年12月11日

  • 予告編を見る

「続編は観客それぞれの中で。」パリのどこかで、あなたと バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0続編は観客それぞれの中で。

2020年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

想定していた内容と全く違っていましたが良い方に転がってます。
予告編を観た結論・・・なんの接点もない訳あり男女が奇跡的に出会って恋に落ちていく・・・
よくありがちなお話かなー?って。
全然違います。違いますからね!!!邦題・・・思わせぶりすぎる!
原題は(Google先生翻訳によると・・・)「二人の私」

これは、新しいアプローチの(恋愛)物語ではないでしょうか?
なんだろうなー?観賞後なぜか幸せな気持ちになっちゃったのです。
予想できたラスト展開だけどなんという幸福感、充足感。そして、、、ムフフ感。
ベタ展開のラストなのにこれほど「あぁ、よかった!うんうんよかったよ!」と思える作品があったでしょうか?
ラストシーンが終わりエンドロールが始ると、ラストシーン以降の物語が勝手に頭の中で生まれていき、それがニコニコやニヤニヤを作るんです。
不思議な感覚です。だって想像していることが心に響くんですから。
この感覚なんだろう?って考えると、
仲の良い自分の男友達と女友達・・・・あいつら付き合ったらうまくいくと思うんだよなぁ・・・
って思う感覚と似てるんだなぁ。
もしかしたら、そーいう感じを狙っているのかなぁ?

とにかく、とにかく丁寧に丁寧に主人公男女それぞれのパーソナリティが描かれます。
不器用だけど誠実に生きる二人を好きになるはずです。愛おしく思うはずです。
どうか、どうかもう一度笑顔を取り戻してほしい!って心から願います。
とても等身大の二人。ふと、自分の友達と重ね合わせちゃうくらいに。いや、自分にも重なるかも?
ですから感情が乗っていきます。

また演出もなかなかクールです。
「近いけど遠い」って都会でありがちな状態をうまーーーく観せてくれています。
すれ違いとは異なる観せ方・・・小粋だなぁ。

言いたいことは細々とありますが、これは誰か仲良しさん、大切な方、ご家族と一緒にご覧になってぜひ!感想を言い合ったら楽しいと思います。
寒い日が始まりましたが、ほんのり手足が暖かくなる・・・うん、ストーブやヒーターの点火した直後の「ほわぁ」とした感じを味わえますよ。

バリカタ