劇場版HAYABUSA2 REBORNのレビュー・感想・評価
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↓どこが便乗商法なのか理解できない。
便乗商法?はー、そう思う人もいるんですね。
JAXAやHAYABUSAのことをよく知らない方なんでしょうかね。
作り手は、そういう前提知識の無い方も見るということも想定して作らなきゃ
ならない…っていえば、そうなのかもだし、人の意見はさまざまだし。
けれどなぁ、見た人とって、せっかくの一期一会の機会が良いものにならなかったのは残念。
でも、宇宙や探査機に全く興味の無かった者でも、この前作の
HAYABUSA BACK TO THE EARTH を観て、理屈では無く、
感覚でわかった、感動した、興味を持ったっていう評価が多いし、
この作品は、その作品と同じ監督が作った続編なんだけど。
さらに言うと、この監督は、「小惑星探査機はやぶさ」がテーマの映画、
四本のうち、一番最初の先駆けとなった前作を作った監督なんで、
便乗商法というのは、後発の映画3本には言えるかも?だけど、
この作品のどこを指して「便乗商法」って言ってるのか?って。
(この時期的なことは、後発映画3本のプロデューサー、3氏ともが
座談会で、HAYABUSA BACK TO THE EARTH を見て感動した!って言ってるんだよ?)
この監督は、まだ、小惑星探査機はやぶさが帰還する前に製作してるんだよ?
それに、JAXA史上、最大に民間に協力した映画がこれなんだよ。
監修の吉川真先生が、JAXAお膝元相模原市立博物館の講演会で言われたことなんで。
HAYABUSAはまだガンには効かない、だがそのうち効くようになる
HAYABUSA -BACK TO THE EARTHの劇場公開から9年、当時は東日本大震災直後であったが
HAYABUSA2〜REBORNはCOVID-19の強い影響下にある中での公開であった。
探査機をテーマにした作品は
竹内結子主演の「HAYABUSA」
インド映画「ミッションマンガル」も挙げられるが、この「HAYABUSA2〜REBORN」はこれらの作品と違い、人間を主人公としない。
強いて言えば、観客である「あなた」である。
これは「宇宙」と「あなた」の物語なのだ。
そもそも何故私達は宇宙に憧れるのか?
星空を見上げるのか?
そして何故大金を投じて宇宙を知ろうとするのか?
それを読み解くヒントがこの作品には込められている。
骨を構成するカルシウムも、赤血球に含まれる鉄も、全ては恒星の内部における核融合反応で生み出されたものだ。
この知識は恐らく学生時代に学んだ筈だが、実感を伴っている人は少ないだろう、だが、この作品を通じてそれを実感できる筈だ。
「宇宙は遠いところにあるのではなく、私達自身が、宇宙なんだ」
この一言に集約されている。
緻密な映像、磨かれた言葉、篠田三郎氏の語り口、完璧な音楽。
これらがスピリチュアルに頼らず、単に情報を羅列した所謂「退屈な授業」ではなくひとつの作品として観るものに迫る。
数冊の専門書に勝る一本である。
また、あらゆる困難を打ち砕き、任務を完遂した探査機「はやぶさ」
単なる機械に過ぎない筈だが、まるで命ある存在に思えてくる。
初代「はやぶさ」の困難に満ちた旅。
大気圏再突入にて燃え尽きるシーンは涙を禁じ得ない。
また、小惑星リュウグウからのサンプルリターンに挑んだ「はやぶさ2 」もその着陸時の場面には手に汗を握ってしまう。
また、ノントラブルと言われた「はやぶさ2 」の旅が実は決してラクなものではない事が理解できる。
『私達はこの星に生まれたその瞬間から
自分たちの知らない世界を知ろうとしてきた
大地で育った私達が 船に乗って大海に乗り出したように
ロケットを使い 宇宙という大海原に漕ぎ出す
それはなんと自然なことだろう
はやぶさの旅
それは 私達が地球に誕生したときから続けてきた
大きな旅の一部なのだ』
HAYABUSA2〜return to the universe より
ひとは誰でも視野狭窄に陥る、だが、本来我々は広い視野を持ち得る筈だ。
この作品は生き悩む人にひとつ上の視野を与えうる作品と言える。
「死にたい」と思ったら、この作品を見て欲しい。
最後まで生き抜く勇気を与えてくれる。
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