由宇子の天秤のレビュー・感想・評価
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苦手なタイプの映画でした
鬱陶しい話です。
ストーリーの予想がある程度ついていたとはいえ、観ていて気分が悪くなりました。
それに前列に座ったおっさんが頻繁に頭を掻くせいもあって、作品に集中できず、とても長く感じた。
うーん、この作品、そんなに優れた映画なのでしょうか? タイトルになっている“天秤”も、正直言ってあまりぴんと来なかった。
安っぽい「物語」にしていないところには好感がもてますが……。
こういう映画を観るたびに僕は考えてしまいます。現実世界には暗くて重たいことがたくさんあるのに、お金を払って何故またしんどい思いをしないといけないのか? 同じように、お金と人手と手間をかけて映画をつくるのなら、「さあ、明日もがんばるで!」と元気の出るような、もっと楽しいものをつくったらいいのに。
あと、僕の耳が悪いのか、劇場の音響に問題があるのか、セリフが聞き取りづらくてストレスを感じました。
私たちの天秤
ドキュメンタリーは真実を映し出す。
…とは限らない。
捏造や演出、都合よく編集された“偽り”も存在する。
ならば我々は何を信じたらいいのか…?
メディアの情報を鵜呑みにせず、自分で考え知る。
自分の考えが間違っている事だってある。メディアの全てが偽りではない。
ドキュメンタリーは見る者を時に揺らがす。不安定な天秤のように。
そして本作も。
3年前、女子高生がいじめを苦に自殺。
女子高生は生前いじめを訴えていたが、学校側は女子高生が教師と関係があったとし、退学を勧告していた。
教師は関係など無く、いじめを隠蔽しようとした学校のでっち上げだと訴えを遺し、この教師も自殺。
三者の意見が食い違い、メディアはこぞってエスカレート報道し、誹謗中傷は被害者/加害者の遺族にまで…。
もし、現実にこんな事件があったら、我々はどう見るか…?
おそらく世間の大半は、自殺した女子高生や遺族に同情するだろう。
悪い話が流れた学校側は社会の敵。
自ら命を絶ったものの、やましい噂が流れた教師もバッシングを浴びる。
果たして本当に、これが“真実”なのだろうか…?
教師と関係があったと言われ、女子高生や遺族にも厳しい目が向けられる。
教師の遺族にだって言い分がある。
全て学校側の責任なのか…?
この事件の真実を追うドキュメンタリー・ディレクターの由宇子。
彼女の目線は、単純に善悪や白黒を付けるものではない。
被害者側、加害者側、学校側、それぞれを深く掘り下げ、主張や矛盾や隠された事を炙り出す。
そこから見えてくるものがある。
誰の味方でもない。誰の敵でもない。ただ真実を映し出したいだけ。
それが関係者の救いになるか、悲しみをより深くするか、分からない。
だが、それがドキュメンタリーや報道に関わる者の使命。
真実を天秤に掛ける。
事無かれ主義の局のお偉い様にダメ出しされても、由宇子の信念は真っ直ぐだった。
そんな由宇子の天秤が揺らぐ事態が。プライベートと、事件を追っていく内に…。
夜は父・政志が経営する塾の非常勤教師として手伝う由宇子。
生徒からの人気も高く、親子仲も良好。笑顔が絶えず仲睦まじいって訳ではないが、仕事しながら夜ご飯のチャーハンを分け合ったり、何気なくも平凡な親子関係。
塾に新しい生徒が。その女子生徒・萌(めい)は、他の生徒とあまり関わらず、孤立。内に籠った性格。
ある日萌が嘔吐して倒れる。
彼女は妊娠していた。その相手というのが…
政志。
由宇子は萌の父親(由宇子と同じく父娘二人暮らし)や学校や警察に相談を促すが、「誰にも知られたくない。助けて」と懇願される。
周囲に知られたら萌はどれほどの目に晒されるか…。また、萌の父親は暴力を振るう。
由宇子は父を詰問。父は関係あった事は認めるが、力ずくや脅迫的ではないと言う。
父を許せない由宇子。
父は不祥事の覚悟を決めていたが、これが明るみに出たら…。
父は元より、自分、自分の仕事、萌、萌の家族、塾の生徒…培ってきたもの全てを失う事になる。
一人の責任問題じゃない。一人だけ償って、逃げようとするなんて都合のいい“偽善”。
関わった者、後に残された者の苦しみはどうするのか…?
天秤が大きく傾く。
由宇子は父を厳しく責めつつ、知り合いの医者に相談するなど秘密裏に処理しようとする。
これほどの皮肉があろうか。
ドキュメンタリー・ディレクターとしてどんな結果になろうとも真実を追求していた由宇子。
訴えは正論だ。
が、身内に不祥事が起こり、言葉は悪いが…いや、この際はっきり言ってしまおう。隠蔽しようとする。
彼女が真実を掘り出そうと躍起になっている“側”と同じ。
行為は曲論だ。
自分の信念とやろうとしている事が皮肉なほど矛盾している。
愚か、みっともない、恥を知れ…糾弾の言葉は幾らでも挙げられる。
だが、実際に私やあなたたちの身に起こったら…?
全てを失ってでも正論を貫けるか…?
頭や意思では判断出来ても、心が揺らぐ。人の心は脆く、弱い。
究極の事態に直面した由宇子を通じて、人の心を天秤に量る。
父の罪滅ぼしなのか、由宇子は甲斐甲斐しく萌の面倒を見る。
個別で勉強を見てあげたり、料理を作ってあげたり、時にはお金の支払いまで…。
威圧的だと思った萌の父。だが、娘と直に接する事で、親子仲が良好になっていく。それを円滑にしたのは由宇子なのだが。
これも皮肉だ。父の不祥事前は、自分と父の仲が良好で、萌とその父は冷え切っていたのに、父の不祥事後は、萌とその父の仲が良好になり、自分と父の仲が険悪になっていく。
萌親子と接する中で、由宇子はどう感じたのだろう。
もう修復不可能の自分たち親子に見切りを付け、萌親子に安らぎや温もりを感じたのだろうか。
が、由宇子は彼女の父に本当の事を隠している。
関係を深めるはイコール、罪悪感も募っていく。
仕事の方も順調。父の不祥事が由宇子のジャーナリズム精神を研ぎ澄ませたのか、視点が鋭くなり、プロデューサーや局から好評。
由宇子はさらに深く迫っていく。
被害者遺族だけではなく、加害者遺族にもフォーカス。
自殺した教師の母。
息子を失った悲しみの中、世間からの誹謗中傷。
引っ越しは一度や二度じゃない。暮らしているのはボロアパート。よせばいいのにネット上のバッシングをチェック。音も声も存在も立てず、身を隠して怯え過ごす日々。…
いつしか由宇子は、加害者遺族の姿を映し出す事に熱心になっていく。
方向性がズレているのでは?…と、被害者遺族からクレーム。
由宇子は両者の現実は繋がっていると説得。子を失い、人生の歯車を狂わされた悲しみは、どちらが大きいか天秤に掛ける事は出来ない。
由宇子の真実への信念は揺るがない。両者からも信頼を得ていく。
が、ここから厳しい事態が由宇子を襲う…。
萌の診察の結果、芳しくない。子宮外妊娠で、萌の命にすら関わる。
政志はやはり本当の事を萌の父に打ち明けようとするが、由宇子はもはや後戻り出来ない。
もし打ち明けるなら、番組のOA後に。多くの人が関わり、自分も心血注いだ番組を、父の浅はかなたった一度のSEXで葬りさられたくない。
教師の姉からもインタビュー。姉も世間のバッシングを浴び、彼女の娘は学校でいじめの対象に…。苦しんでいるのは一人二人だけじゃない。
由宇子はこの母娘とも親交を深めるが…、ある時衝撃の事実を打ち明けられる。
姉が持っていた教師のスマホに映し出されていたのは…。教師の遺書は実は…。
この真実の発覚により関係者から辞退の申し出。局も消極的になり、お蔵入りの危機…。
塾の男子生徒から萌のよからぬ話を聞く。
萌のお腹の子の本当の父親は…?
萌に真実を追求するが…。
一気に雪崩れ込むように直面する事態。不条理で過酷。だが、自業自得でもある。
由宇子の信念は…? 価値観は…? 倫理観は…?
全てが揺れ動く。不安定な天秤がちょっとした事で今にもバランスを崩す。
由宇子は萌の父親に真実を打ち明ける。
それは誠心誠意の償いか、一ジャーナリストとしての進退か、変わらぬ信念と真実か、それとも…?
日本映画ではなかなかお目にかかれないくらいの社会派力作。邦画の社会派作品史に間違いなく名を残す屈指の出来映えであり、邦画全ジャンルに於いても近年これほどのクオリティーと見応えはそうそうない。
2時間半の長尺で内容も重いが、それを感じさせない。社会派作品だがサスペンス作品レベルの緊迫感途切れず、見始めたらあっという間。終始引き込まれる。
一気に見せ切った春本雄二郎監督の演出力は震えるほど。シビアに、辛辣に、冷徹に、圧倒的な見応えと、見る者に訴え、問い掛ける。
由宇子や見てるこちらをも揺さぶる萌役の河合優実、根は善人だがたった一度の過ちが悲哀滲ませる光石研。
キャスト全員が名アンサンブルを奏でる中、作品の全てを体現する存在を放つのは、やはり瀧内公美。
信念、熱意迸る熱演。
苦悩、葛藤の複雑な難演。
演技力、存在感、佇まい、表情…その全てがカッコいいのだ。
美しい女優さんである。だが本作では、それ以上にカッコいいのだ。惚れ惚れするとはこの事。
『火口のふたり』での大胆演技も圧巻だったが、作品はあまり好みではなく…。作品も演技も納得の、瀧内公美と言ったらこの一本!…と断言出来る作品に巡り合った。
2021年の邦画主演女優は本作の瀧内公美と『茜色に焼かれる』の尾野真千子に尽きる。が、言うまでもなく日本クソバカデミーは無視。日本クソバカデミーは本当に○ね!
疑問も残る。
萌はどうなったのか…?
事件の真実は…?
ラストシーンの由宇子の行動。
明確な答えや締め括りには提示せず、見る者に委ねる。
由宇子のドキュメンタリーがそうであったように。
社会の不条理、人の愚かさをまじまじと見せつつ、見る者に問う。
由宇子の天秤は私たち皆の天秤。
秤に掛けられる。
瀧内やるじゃん
嘘と真実は、けっしてきれいに分けられない。
ましてや両者を天秤にかけることなどできやしない。
嘘と真実の間を適当に泳いでいる方が楽だもの。
得るものもないけれど失うものもない。
由宇子もそういうふうに考えていた。
他のみんなと同じように、失うものが大きいと。
「嘘も方便」とはよくできた言葉だ。
物事を円滑に進めるには多少の嘘も許される。
多少の嘘の基準がないから、人それぞれ物差しが違う。
いかようにも嘘と真実の距離は調整できちゃう。
嘘と真実の間を問うことは苦行でしかないのか。
由宇子の仕事と私生活の間に、おとしまえをつけられない両者が浮遊している。
両者の均衡を望んでいたはずの由宇子がおとしまえをつける瞬間。
その瞬間を演じることができるのは瀧内公美しかいない。
そう思えたとき、瀧内やるじゃん、という言葉しか見つからなかった。
テレビのディレクターを務めながら父親が経営している学習塾の講師もや...
テレビのディレクターを務めながら父親が経営している学習塾の講師もやっているという由宇子。
女子高生のいじめによる自殺事件を取材する一方で、父親が生徒を妊娠させてしまうという事態にも直面。
なかなかヘビーな内容だ。
父親の件はずっと隠し通してきたのに、なぜ最後に女生徒の父親に話してしまったのか。
女生徒が不特定多数の男性と肉体関係を持っており、妊娠させたのが父親とは限らなくなった段階で。
最後の最後に自分が楽になりたかったのか。
結局真実は分からないままなので不完全燃焼感はある。
体力が必要
2時間半
ずっと重い,苦しい…
体力必要な映画でした。
あの手この手で事件関係者の家族に
近づき関係を深め
真実に光を当てようと奮闘する由宇子は
かっこよく見えたけれど
それとは対照的に家族の現実は
話を聞くだけでも
耐えられないくらい辛く哀しいものでした。
そして,自分も
加害者の家族となる可能性があることを知った由宇子は
今度はあの手この手で真実を覆い隠そうとします。
隠しきれるのだろうかという不安と
本当にこのままでいいのかという罪悪感を
由宇子とずっと共有し,疲れました。
すごい映画だけど
へとへとになって
もう1回観るかどうか尋ねられたら
今の答えは,Noだと思います。
2本立て2本目。こちらも良作。 正義を振りかざすドキュメンタリー監...
2本立て2本目。こちらも良作。
正義を振りかざすドキュメンタリー監督由宇子。
塾の話とかいらんやろと思ったら、なるほどそういうことか、大事件やん。揺らぐ由宇子、悪い女やん、それで天秤か。
なにが真実なのか?いったいどうなるのか?長尺だが全く気にならない。
ラストは私的に微妙だったが、その後どうなったのだろう。いろいろ考えてしまう。
実力派と思える俳優陣も良かった。こちらも見るべき作品。日本映画も頑張ってるね。
生を感じさせる作品
報道の罪というテーマで物語が進んでいく。
次に貧困の問題へ。
主人公がドキュメント作品の監督だけあって、リアリテイのある展開だった。
もちろん瀧内公美さんを堪能できる。やはり笑顔が素敵ですね。
非常に良く練られた映画
この映画のテーマは天秤であって表向きのテーマとは齟齬が生じる。映画は表面的に真実がテーマであるかのように装う。しかし世の中に真実などなく常に真実の髪を掴もうとするものはその掌からすり抜ける、それが真実の本性であるかに描かれる。その真実に迫ろうとする主人公に起こった現実を主人公の由宇子は真実を見極めようとするのではなく、常に自分にとって都合の良い事象の選択として事態をハンドリングする。しかしその選択肢は常に真実の側面を兼ね備えた事実に彩られてはおらず多くの虚偽や見誤った表面的な事象が混在している。その中での利害優先の選択の積み重ねは、その主体を多くの誤謬へと導くこととなる。iそのものがしんじつをついきゅうしていた者であればなお一層、その誤謬への到達は絶望を産み落とすこととなる。教訓めいた哲学的な内容を包含したテーマの作品であった。
連鎖の怖さ
罪を犯すことにより波紋の様に広がる負の連鎖を止める難しさを感じさせられた。
女子高生の自殺を追うテレビマンたちを描きつつ、制作側それぞれの目的のズレに揺れ動きながら、出来る限り自身が掲げる道を進もうとするディレクター。
そんな中、彼女が家族の問題に直面した時の選択する姿を通して誰にでも起こりえる可能性とその選択の難しさを突きつけられた。
また無邪気な言葉に踊らされ、そのことによる人間関係の崩壊とその結末は彼女が望んだものになったのだろうか。
観終わって思ったのはもしこの問題を彼女が撮ることになったなら、自身のことをどう考察するのだろう?
そして彼女が少女を守るのではなく自身の保身を1番に考えた行動に悲しみを感じた。
いや傑作じゃない?
私だけかもしれないが、あんまり本作認識してなかった。で瀧内公美に惹かれて見に行ったが、とんだ傑作ではないだろうか、これ。
役者が全員雰囲気あって素晴らしい。
特に萌役の河合優実ちゃん、
最低限の目線と表情で感情を滲み出させる演技に感動した。
最後由宇子に車中で疑いの問いかけを受ける場面、彼女の芝居は目線だけなのに確実に何かがガラガラと大音響で崩れ落ちる音が聞こえた。
とにかく最後まで緊張感溢れる時間が途切れず良い意味で息がつまった。
ガンバレ、春組!
矛盾と分かっていても、もがく人の性
後半になると
自殺の真相を隠そうとする学校側の対応を暴こうとする由宇子と
父の犯した罪を何とか隠そうする由宇子の葛藤が始まる。
二律背反のジリジリとしたせめぎ合いが、人間ドラマを佳境に導く。どちらかを諦めれば済む事だが、そう簡単にはいかない。矛盾することとは分かっていても、あえて板挟みになることを選んでしまう。自分がしたことでもないに、なぜと終始問いかけられる。
人間は弱いものなのだ。ラスト彼女はやっとそれに気がつく。彼女は、ようやく背負っていたものを降ろした。締め付けられるような心理劇が終わり、自分も背負っていたものを降ろした。息詰まるとは、こういう作品をいうのだろう。
深み
見逃していた本作を飯田橋ギンレイホールにて鑑賞。かなりの入り。本作と「空白」という相当キツメな二本立て。自分は「空白」は見ていたので一本で退出したが、二本見られた方、さぞ重かったでしょう。見終えた後外濠沿いの桜を眺めながら小一時間反芻。
映画はタイトルの通り由宇子が様々な局面でどちらが重いかを選択していく様が描かれる。自分にとっての正義が絶対的正義と信じるドキュメンタリーディレクター由宇子が、作品において妥協を許さぬ姿勢を貫きながらもいざ自分が事件の関係者となった場合に現実的な行動を選択してしまう。公としての事件と私としての事件が絶妙な(最悪な)絡みあいを見せる。
ラスト近く、萌(めい)は売りをしていた・嘘をつくという情報に触れた由宇子が真相を問いかける。真実はわからないまま。しかしラストでは「私の父なんです」と告げる。これは「娘は売りをしていたかも」という萌の父の発言を受けて萌をかばうつもりで言ったと理解したものの、誤解カモ。
役者は皆演技巧者といえカラーもマッチしていた。特に「河合優実」。正直彼女を見に行ったというのが5割なんだが、本作でも役柄通りにしか見えず、他の作品と比較してみるとやっぱり上手いんだなあと再確認。主役の瀧内公美はちょっと美人すぎ・目力強すぎ、本当にドキュメンタリーディレクターだったら作品に影響が出ちゃうかもだけど、本作の主役としては顔がはっきりしていた方がわかりやすい。
最後に、悪い癖であらさがし。脚本の穴だなと思ったのは光石研の行動。彼が多少の悪さをしていたとしても、妊娠させるところまで行けるように思えない。もしそうならも少し悪く描けるし余罪ありって設定にならないか。二重構造のための無理に思えてしまった。それ以外はカメラワークも役者も含めて満足です。古のTV美人女優丘みつ子の演技も昔のイメージと異なり自然で良かったです。
酷評です
「低予算で撮った!」と自慢しているようだけど、それを分かった上で観ると、至る所に妥協の後がよく見えます。俳優の芝居とか、演技力のチグハグなところとか、ロケ地も。カメラアングルも、音楽が無いってところも(あえて音無し?巨匠がタダでいいからやらせてくれって言ったら断らないだろう)。
ラストシーンも(どこの駐車場だよ本当に)
この監督の前作は更に低予算であまりにも貧乏臭くて見ていられなかった。
前作「かぞくへ」は日本史上最低の映画だと思いました。低予算でこれだけの映画が作れたのだ!と誇らしげに語る監督の言葉には反吐がでました。
それよりは「マシ」という感想です。
長時間映画ですが、商業映画のような時間制限がない分丁寧と言うより、もはやダラダラと展開していきます。
内容も個人的には面白いとは思えませんでしたし、興味深いとも思えません。人物造形の嘘っぽさは監督の性格というか、人生観が色濃く出ているのではないかと。光石研さんとかは自力の演技力で目立っております。
安っぽい自主制作映画の域を超えていないのでガッカリです。映画祭席巻とのたまわっておりますが、よくみるとすごい賞をとっているというわけではない。よくぞ判断してくれました。
見れば見るほど監督の自慰行為を見せつけられているかのようで反吐がでます。ちゃんと監督の色が出ていてあの顔が浮かんできてしまうのです。
脚本やって監督して編集もしていたら
そうなるのは当たり前ですが。
このような映画が日本から消えて無くなってくれる事を強く望みます。そう言う意味で、話題作にするべき話題作です。
内容は至って単純で分かり易いのかと思いきや…⁈
忘れそうと思い,かなり鑑賞してから遅めのレビューになるが…。
父親役に学習塾を経営してる光石研と,女子高生苛め自殺問題という事件の真相を追う事で、世に問うべき問題に光を当てる事に信念を持ちつつ,ドキュメンタリーディレクターの仕事もこなして生活を営んでいた娘役の瀧内久美は、父親が生徒を孕(ハラ)ませてしまう❗️というわりとショッキング(まぁ,有り勝ちっちゃあ有り勝ちかな?)濃い内容だった事をこの場を借りて,残させて貰いました。
そりゃ,その子の親父さんの怒りを,娘にぶつけて来た事を思い出したり…。
もう一度見たかった
昨年見た映画で、好きな作品の一つ。どうしてももう一度見たく、宝塚まで。
効果音や音楽を使わず、いつの間にかドキュメンタリーを見てる気分になる。2回目視聴にもかかわらず緊迫感溢れるまま、一気に2時間半が過ぎた。
とにかく瀧内公美がすごく良い。切ないラストだが、パンフの後日談漫画がまた私好み、購入を強くおすすめします。
自分の弱さと向き合う映画かも
タイトルが秀逸だと思う。
主人公のドキュメンタリープロデューサーの仕事としての事件の真相を追う姿、プライベートに起こる様々な出来事。どれ一つとっても自分にとっての正義とは何かや貫ききれない弱さを突きつけてきた。
本当はもっと高い評価でいい映画だけれど、私の気持ちに引っかかる部分があり下げてしまった。女生徒の妊娠が危険なものと分かった後も、放送するまで伏せようとする行為は、命の危険より自分の報道をとったことになる。
しかもその報道が使えなくなったと分かっても、すぐに医者に連れて行くわけでもなく、まず保身にはしることで言い争いになる。そこは弱さからとはいえ、納得できなかった。
1日何回天秤にかけているのだう…
まず瀧内さんに引き込まれる。
サバサバとしているのに情に厚い有宇子が観る者に迫ってくる。
脇を固める役者陣も素晴らしい。
正義と不義
本音と建前
真実と虚偽
あらゆる陰陽が想起される。
日々たくさんのことを天秤にかけ、はかる。全てに一貫性は恐らくないだろう。
映画では人間の美しさと醜悪さが極限の中で行き来し、選択を迫られる。
由宇子は交流を通じドキュメンタリー監督という職業倫理を超えて人としてどう在るべきかという答えにたどり着く。
そして真実は残酷であった。
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