「矛盾と分かっていても、もがく人の性」由宇子の天秤 Jun Tanakaさんの映画レビュー(感想・評価)
矛盾と分かっていても、もがく人の性
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後半になると
自殺の真相を隠そうとする学校側の対応を暴こうとする由宇子と
父の犯した罪を何とか隠そうする由宇子の葛藤が始まる。
二律背反のジリジリとしたせめぎ合いが、人間ドラマを佳境に導く。どちらかを諦めれば済む事だが、そう簡単にはいかない。矛盾することとは分かっていても、あえて板挟みになることを選んでしまう。自分がしたことでもないに、なぜと終始問いかけられる。
人間は弱いものなのだ。ラスト彼女はやっとそれに気がつく。彼女は、ようやく背負っていたものを降ろした。締め付けられるような心理劇が終わり、自分も背負っていたものを降ろした。息詰まるとは、こういう作品をいうのだろう。
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