「正義とは?」由宇子の天秤 ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)
正義とは?
正義とは何か?
自分ならどうするのか?
突きつけられたこの問いへの答えを観客は映画が終わってからもしばらく考え続ける、そんな作品。
ドキュメンタリー監督である由宇子は真実を追求する姿勢から上と衝突するものの、マスコミ社会で散々揉まれてきたであろうことが窺える強かさ、図太さも持ちあわせているけど、父親の経営する塾で生徒たちと触れ合う姿はとても優しい先生。
あえて音楽をつけない演出なのでまるで彼女のドキュメンタリーを見ているようでした、特に前半は。ある事件が発覚すると一気にこちらまで動揺してしまいましたが。
脚本も抑えた演出もこの題材にすごくマッチしていてストーリーにグイグイ引き込まれました。
息をひそめて生活するあの母親の姿も印象的でした。
正義を振りかざして悪と思われるモノを執拗に攻撃する無関係な人たちがこのネット社会には大量にいて怖いなぁと思いますが…由宇子もそれを怖れるあまりに。。
あえて多くを語らない作品だから、不完全燃焼に感じる部分もあるかもしれませんが、それも「あえて」でしょう。いろいろな取り方ができますね。
俳優さんは皆さん素晴らしく、特に瀧内久美さん、良かったなぁ。強さと弱さをナチュラルに演じてらっしゃった。光石研さんもとても難しい役でしたが流石!
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