劇場公開日 2021年9月17日

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「多面的な正義感」由宇子の天秤 RYOさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0多面的な正義感

2021年9月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

春本監督は云います。
「人間を描くことこそが、社会をあぶりだすんだ」と。

まさにこの映画は、現代日本の在り方を描いた映画でした。

事無かれ主義に同調圧力で問題をうやむやにし、誰も責任を取らず、何もなかったかのように本質をすり替え、やり過ごす。

警察官僚がレイプしたお友達ジャーナリストの逮捕状を取り下げたり、財務省の決算文書改ざんを苦に自殺した赤木さんしかり、当の本人は、真っ当な成敗を受けることなく、歪んだ正義の代償が陰惨な形でそこら中で溢れ出ているように思います。
まさにこれらは、氷山の一角であり、ただただ表に出ていないだけで、うまくやりすごされた例は五万とあるように思います。

だが、もし自分がその当事者になったらどうするのか。

右の正義か、はたまた左の正義か。
真実に蓋をすることは出来ません。

この映画は、最後カメラを視聴者に向け問いかけます。

あなたならどうしますか? と。

RYO