劇場公開日 2021年9月17日

  • 予告編を見る

由宇子の天秤のレビュー・感想・評価

全192件中、1~20件目を表示

4.0「がわ」って何?

2025年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

報道が常に事実を忠実に伝えていると信じるのはいくら何でもナイーブ過ぎるだろうし,暴露することが正義だと信じるのも思考停止だろう。さらに,取材を続ければ真相・本質・核心を必ず掴めると考えるのも思い上がりで,「〇〇だって事にしておけば視聴率が上がる」みたいな判断は頻繁になされているだろう。
ラストシーンは,報道人の良心を象徴していると思われる正直者の由宇子を,良心を持たぬ者達が自分の手を汚さずに「罰した」ように見えて仕方がない。
何とも救いのない話だな。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ひろちゃんのカレシ

4.5嘘で歪められた真実

2025年2月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

嘘をつくのは人間の常。無数の嘘のほとんどは、全く罪にもならない。しかし、真実を歪める嘘は、関わった人々の人生そのものを変えてしまう。
しかも人の生き死にが関わった場合はなおさらである。
真実を追求するドキュメンタリーのディレクターは自身の父親の不純な行動が引き起こした不測の事態を隠蔽する。
父親に対する娘として?女性としての怒りを封印し、自分を守り、自分の周りを守る姿は、決して悪の行動とは言えず、
世の中に無数にある罪にもならない嘘とも言える(違法な中絶を画策したことが実行されたら大きな罪だが)。
ラストシーンで、嘘を貫くことが出来ず告白してしまったが、嘘で苦しむ自分を解き放したからに過ぎないのである、、。
人間のやるせない業を、静かなタッチで紡ぎ映像に収めた秀作と言えます。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
アベちゃん

3.0あくまでも由宇子の天秤

2025年1月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

正しさが何なのかではなく、あくまでも由宇子(瀧内公美)の天秤。

正義を貫こうということではなく、
あくまでも由宇子がどうしたいか、だと思います。
正しいかどうかではなく、由宇子にとってどうか?です。

それは、冒頭からのドキュメンタリー然り、
父親のやらかし然り、だと思うんです。

でも、父親が本当にやらかしているかはわからない。
でも、事実として萌(河合優実)と性交渉したのは間違いない。
だから萌の父親にそのことを告げる。
事実ははっきりしているから伝えたかったんでしょうね。

由宇子に裏切られた感のある萌。
でも、事実はわからないんですよね。

というわけで、あくまでも由宇子の天秤にフォーカスした
物語の紡ぎ方に唸らされましたね。
天秤といえば、昨年末に視聴した『陪審員2番』を思い出しました。
必ずしも正しさが重いわけではないというのが共通していると思いました。

瀧内公美の演技が素晴らしいですし、
この頃から河合優実はすごかったんだなと。
あらためて俳優の演技が素晴らしいからこその本作のクオリティだと感じました。

152分の作品ですが、長く感じませんでした。
こういう邦画がもっと観たいです。
実に余韻たなびき記憶に残る良作だと思います。

コメントする (0件)
共感した! 13件)
ひでちゃぴん

4.0評価いいのが分かる

2024年11月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

寝かせてやっと鑑賞。面白かった。真実はやはり父が❓
やっぱり白状しちゃうんだね。
最後はなんか呆気なかった。

コメントする (0件)
共感した! 14件)
ノブ様

4.5悔いが残らぬよう最善を尽くす由宇子

2024年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

木下由宇子(瀧内公美)と萌(河合優実)の関係が、矢野志帆(和田光沙)と長谷部の娘(自殺した女子高生)の関係と被る。
志帆は弟の和之の名誉を守ろうした。
由宇子は父の木下先生(光石研)の名誉を守ろうとした。

志帆が由宇子に見せてくれた弟(高校教師)と女子高生の動画の存在の違和感。
誰が現場で記録を残したのか。
女子高生が録画したもので、その動画を相手に送った、という自殺前に揉めたであろうことを推測する。
その一連の流れが、萌が意図的に木下先生とのことだけを由宇子に告白した理由に似ている。
ひとことで言えば女は怖い。
なめんなよ、ということである。

勘が鋭く、情報の処理にも優れる由宇子は、萌の父である小畑哲也(梅田誠弘)に、敢えて全てを言わないことで萌を擁護している。

ラスト、萌に頼まれたから隠していたと本当の事は言わず、隠していた理由は自分にあると言い、さらに怒りの矛先を自分と自分の父親(木下先生)に向けさせる。
他の誰かが孕ませたかもしれないとしても、そのことについては一切言わず、萌の父親に根本的な問題があるかもしれないことにも言及せず、相手を責めず、たとえ萌自身だけが悪いとしても萌のせいにはしない。
由宇子は、自分と自分の父親の落度のみを小畑哲也に言う。
小畑哲也に対して印象操作をしたのである。

その行動の理由。
由宇子は、萌が過去の自分と似ていると思った。
女子高生と教師の自殺の真相を知り、似たような状況が目の前にある今、弟を庇った矢野志帆とは別の行動をとった。父を庇わず、自分と似ている萌を庇った。

プロデューサーの片渕須直さんは、作品の中にある噓を極力排除しようとする(少なくとも、クラウドファンディングで完成させた『この世界の片隅に』の映画化の時はそうだった)。
リアルであることに拘りがある(はず)。

施錠されていない玄関のドアを勝手に開けて人の家に入った由宇子は住人に歓迎される。
二度そのようなシチュエーションが有る。
彼女の選択は間違っていなかった。
二度あることは三度ある。
由宇子の行動は、きっと間違っていないはずなのだ。

瀧内公美さんと河合優実さんの演技が凄い。
終わり方が独特で印象に残る。
ギャグは皆無だし、映像も特別凄いわけでもないのに、飽きることもなく目が離せない約2時間半。
最高傑作。

コメントする (0件)
共感した! 18件)
どん・Giovanni

4.0正しく天秤にかけたような作品

2024年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

正しさとは何かを突きつけられる、凄まじい作品。
まず瀧内公美が圧倒的な存在感で、作品とてもあっていた。
作品がもうドキュメンタリーのよう。
落とし前をつけたかのようなラストもすごい。
その悩める心情を、正しく天秤にかけたような作品でした。

あと作品と直接関係ないのですが、カメラマンが着ていたタンカース(「タクシードライバー」トラヴィスモデル)がすっごい気になりました。うちにもあるもので。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
白波

4.0☆☆☆☆ ちょっとだけの感想。 いやコレは凄い! 超暗くて、超重い...

2024年3月19日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆☆

ちょっとだけの感想。

いやコレは凄い!

超暗くて、超重い。それでいて超面白い。
しかし…一切の救いが無い。
全く救いを描く意識すら無い、、、のかも知れない。
それ故に、好き嫌いがはっきりと分かれる作品だろう。

報道の真実を追究する側と、対象にされた側が己れを護る論理。
その立場が逆転する事から、心の隙間に波紋が波打つ。

結論を求める人には納得いかない最後でしたが。その重ったるさの持続は、眼を見張るモノがありました。

2021年10月7日 キネマ旬報シアター/スクリーン2

コメントする (0件)
共感した! 1件)
松井の天井直撃ホームラン

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2024年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
コチョ

4.5報道人が陥る究極のジレンマ。

2023年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

すべての事実は公にされなければならないのだろうか。思いがけず公になることもあるが、実際には公にされる事実、されない事実がある。それは事実を公にするかしないかで決まる。

報道に携わる者は、その社会的役割の重要性から清廉性が求められる。ましてや本作の主人公は報道に対して強い信念を持っていた。

ドキュメンタリーディレクターの由宇子は生じた事件に光を当ててそれを可視化し、問題を社会に投げかけることが報道の在り方と信じていた。
そんな彼女が思いがけず自己の信念と明らかに矛盾する行為を強いられる状況に追い込まれる。
彼女は自らの強い信念から自分が携わるドキュメンタリー番組を放送して事実をつまびらかにしたかった。しかしそうするためにはある事実を隠蔽しなければならない。
ひとつの事実に光を当てるためにはひとつの事実を闇に葬らなければならない。まさに彼女にとっての究極のジレンマに陥る。そして事態は思わぬ方向に、彼女はますます泥沼にはまっていくこととなる。

彼女に罪があるとすれば、事実を隠蔽しようとしたことは報道人として罪かもしれない。だが、それはさておき、まずは子宮外妊娠が疑われた段階で生徒の身の安全のために産科を受診させるべきだったところ、それをしなかったところに彼女の人としての罪がある。

結局、番組は放送直前に遺族が隠ぺいしていた事実が発覚して放送は中止となるが、彼女はそんな遺族を責める気にはなれない。
結果的に放送が中止になった時点で生徒の父親に自らの罪を告白することとなった由宇子。父親の怒りはまるで自分の娘と番組放送を天秤にかけた彼女に向けられたかのようであった。

今まで彼女が糾弾する相手に向けてきたスマホのカメラは彼女自身に向けられている。信念を持って報道の仕事に携わる主人公に起きたあまりにも酷な状況。報道への向き合い方が問われる問題作。全編静かなトーンながら凄まじい作品。

今は無きテアトル梅田にて鑑賞。

コメントする 2件)
共感した! 9件)
レント

4.0報道という刃物

2023年11月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2時間33分の大作でもあっという間でした。
いわゆる「切り取り編集」
報道に都合のいい、感情移入しやすい見せ方。
これが今問題になっているところを映画化した勇気に拍手を送りたい。

一度犯罪が起こればそこに加害側、被害側が存在しその後報道という集団がこれに群がる。
どう伝えるかで受け手の印象は形成されてしまう。
そんなやり取りもしっかり映画の中に盛り込まれている。

この作品のすごいと感じたところは、冒頭のストーリーを軸に終わるだけに留まらず、違うエピソードを混えながらエンディングに向かったところをスッキリと締めた。

最後に
エンドロールに生方美玖さんの名前を見つけた
silentやいちばんすきな花で話題の新進脚本家
どこで協力していたのだろう。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
零式五二型

3.5善悪。是非。虚実。 それらは常に逆転の可能性を秘めている。

2023年11月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

善悪。是非。虚実。
それらは常に逆転の可能性を秘めている。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
sakahiro

3.5おとん、白状するまで撮られ放題

2023年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

無駄に脱ぎまくる瀧内公美サマ
演技力がしっかりしてるから
脱いでも話の流れに無理がないんだよね。
こういうメディアの下請けってずーっと生活のため
と言い聞かせてゲスなことし続けているんやろうけど
ある日突然自我に目覚め自己崩壊してしまう
って結構あるある。

いつみてもお綺麗な公美サマでした。
あー本作は脱いでないよ。
70点
アップリンク京都 20211012
パンフ購入

コメントする (0件)
共感した! 0件)
NWFchamp1973

4.0二転三転して最後に撮るのは

2023年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

きっとこうだろう、と予測して行動していることが
次から次へと覆されていく。
新たな事実が出現して、その度に
軌道修正を求められる。

最初は理念や真実、信念が天秤に乗ってた
はずなのに、状況が変わる度に
天秤に載せられるものは
変わっていくのだ。

人はそれぞれが都合の良いように
事実をねじ曲げたり隠す。
ついには誰の言うことが本当なのかよく分からなくなってくる。

最後に彼女が撮ろうとしたのは
なんだったのだろう?

人間なんて、日頃はまっすぐ立ってる『つもり』
なのだと突きつけられる
なかなかしんどい作品だ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
こまめぞう

4.0天秤とは

Mさん
2023年1月30日
Androidアプリから投稿

どちらが思いかを計る器械ですよね。
さて、由宇子さんは何を計って、何を重いと判断したのでしょうか?
主人公役の瀧内公美さんはとてもがんばっていました。「RRR」などとは対照的に、終わった後、シーンとして、みんな声を出せなくなるような作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
M

3.5瀧内公美と光石研の共演は見逃せない

2023年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
菜野 灯

4.0真実とは…

2023年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

瀧内公美、巧演でした。
隠された真実を考える問題作でした。
良かったです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
tuna

3.0この映画の説明不足の分かりにくい表現と、別の”正義感”に飛びついていないか、問題

2023年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
komagire23

3.0真実と正義

2022年12月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

真実とは、
正義とは。
我々がマスメディアを介して知ることが、真実ではないのかもしれない。
真実も正義も一人一人の個人の中にあり、それが全て正しいとも限らない。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
上みちる

5.0まさかWOWOWで見られるとは思わず。ずっと息をのむ緊迫感だった。...

2022年12月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

まさかWOWOWで見られるとは思わず。ずっと息をのむ緊迫感だった。結局のところ、マスメディアのダメさ加減と、日本社会の世間というものの闇が強烈にインパクトをもった。前半の勢いと比べて、足元から崩れていく感はわかる気がする。それにしても光石の父がそういう行為をするという設定がちょっと腑に落ちない感。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
えみり

4.0複数の天秤

2022年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 7件)
共感した! 26件)
琥珀糖