「作品として作りのあまい箇所が目につく」アイの歌声を聴かせて 1 iさんの映画レビュー(感想・評価)
作品として作りのあまい箇所が目につく
ネットで話題になっていたから見に行きました。
絶賛する声が多いですが自分は面白くなかったです。
前半から中盤は、シオンが歌の力でみんなを幸せにする というのが基本ストーリーなんですが、なぜギクシャクしていたカップルが仲直りするのか?
なぜ本番に弱い選手が試合に勝てたのか?
という視聴者を納得させるための"仕掛け"がないために置いてけぼりにされました。
土屋太鳳の歌は上手いし映像も力を入れているのはわかります。
しかしそれは派手なだけで、肝心のキャラクター達の心情の変化が分かりませんでした。
また、シオンが「幸せ?」と笑顔で問いかけ続けるのがとにかく違和感でした。
簡単なコミュニケーションすらできないように見えて、シオンというキャラに親しみやすさを感じることができません。
トウマの告白をセッティングするために連絡したあたりのシーンは軽くホラーでした。
終盤でシオンの過去が明かされたあたりからようやく作品に入っていけました。
告白の意味を取り違えるシオンのシーンや、ラスト付近のサトミと話すあたりでシオンが作品に馴染んだように感じました。
シオンが電子の世界をさまよい続けて、ようやくサトミと再会できたシーンにはグッと来ました。
会社ビルの警備ロボットが勝手に起動してシオンを応援する場面も好きです。
この作品は話の構成というか脚本に難があったと感じました。
シオンというキャラをもっと魅力的に見せる作り方があったはずだと思います。
あとこれは見終わったあとに作品を調べてて感じたのですが、紀伊カンナさんのキャラ原案がアニメで大幅に変えられてるのが残念でした。
原案ではシオンやほかのキャラの表情も柔らかでとても魅力的だと感じます。
しかし、キャラデザの方もベテランですし全編にわたってこの絵で通していたので制作側からはこれでいいのかな と納得しています。