「【AIロボットのシオンが、転入してきたクラスのサトミにいつも、”幸せ?”と聞いて来た訳。頑張る人、優しき人は、いつか必ず報われる。 今作は、鑑賞後に爽やかな気持ちになれる作品である。】」アイの歌声を聴かせて NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【AIロボットのシオンが、転入してきたクラスのサトミにいつも、”幸せ?”と聞いて来た訳。頑張る人、優しき人は、いつか必ず報われる。 今作は、鑑賞後に爽やかな気持ちになれる作品である。】
ー 舞台は遠くはない、近未来。
サトミは、高校でも、自宅でもいつでも独り。(朝は、星間産業でAIロボット開発に夜中まで、没入している母と会うが・・。)
そして、見ていると彼女が、心優しき女子高生だという事が分かって来る。
AIロボット開発に頑張る母親を応援する気持ち。
学校では、アヤさんたちから、”告げ口女”と揶揄されても、気にしない。ー
◆感想<Caution 内容に触れています。>
・シオンが、景部高校に編入してきた本当の理由。
そして、シオンが周囲の友達に”幸せ?”と良く聞く理由。
ー 後半、この理由がキチンと描かれている。巧い。ー
・サトミが”告げ口女”と揶揄されている理由も後半、分かる。
ー 一途な想い。ー
□ この作品が良いのは、高校生達の関係性がキチンと描かれているところだろう。
・アヤを始めとした女の子にもてる、後藤君“ごっちゃん”の悩み。
”運動でも、勉強でも俺、全部8割。2位か3位。なりたいモノや目標もない・・。”
・アヤは後藤君の事が大好きなのに、素直になれなくて、すれ違い。
で、苛苛してしまい、サトミにキツク当たる。
・柔道部員のサンダー君は、試合に勝ったことが無い。
・サトミの幼馴染だが、今は距離が出来てしまっている機械いじりが好きなトウマ君の、サトミを遠くから見ている眼。
ー 彼らの悩みを明るく吹き飛ばし、結束していく力を”歌の力”で与えたのが、AIロボットのシオンだ。人間の心の微妙な機微を持たない彼女は、何でもストレートに聞く。
”それを遣れば、貴方は幸せになる?”
そして、後藤君とアヤは結ばれ、サンダー君は、シオンとの稽古のお陰で、初めて勝利する。皆、幸せになって行く。
サトミと、トウマ君意外は・・。ー
・徐々に明かされる、サトミと、トウマ君の幼き頃の関係性。
機械好きのトウマ君がサトミの”大切なモノ”をカスタマイズしていた事実。
ー シオンは、昔からサトミと、トウマ君の姿を見て来たのだ。二人の想いも・・。ー
<愚かしき、星間産業の所長と、サトミの母より5歳年上の主任の歪んだ顔、姿、行為。
それに対し、”自分達に幸せを齎してくれた”シオンを助けるために、必死に行動する若者達の姿。
何かを頑張る人、人を大切に思う人は、いつか必ず、報われる。
誰かが、その姿を見ているのだ。
今作は、鑑賞後に爽やかな気持ちになれる作品である。
AIと人間が、共存して生きていける未来は、もうすぐそこまで来ているのかもしれないな、と思いながら・・。>