劇場公開日 2021年8月6日

  • 予告編を見る

「8Kを的確に使いこなした高技術撮影映画の手本」映画 太陽の子 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

4.08Kを的確に使いこなした高技術撮影映画の手本

2021年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

他デジタル映画とは明確に一線を引く8K映像美は見事だ。
監督も撮影者も、カメラ性質をよく理解し、完璧に使いこなしているので、光と影の濃淡等の表現を綺麗に活かす事ができている。
フィルムで言うと、撮影速度が ほんの僅かに早いのか?
人物動作が微かにテンポ落ちなのだが、それがいい間を作り、味となっていて、好演出を助けていた。
動作もわずかにゆっくりしている。

カメラフレームを気持ちだけ寄せて撮影しているので、対象人物が動くのに併せて、カメラが小豆に動くのが、最初は気になったが
それでもカメラ性能のお陰で、ピントも露出も問題なく ついてくるので、フィルム映画にはできない画面構成が味わえて良かった。

福山雅治さんの鼻声唄は痛い。他の本格派歌手のカバーにエンディング曲は刺し替えた方が良いだろう。

俳優陣は全員良い人材を集めているので、問題なし、演出も適格。

脇役にはストーリー進行にまったく必要性がない身体障碍者(半身まひ)が登場するのは珍しいが、それを山本 晋也監督が好演技していたのが嬉しかった。

有村架純さんはちょっと賞味期限切れ、あと2~3年寝かせて、元気な叔母さんキャラに転身した方が良いでしょう。

三浦春馬さんの笑顔は素敵だ。 亡くなられた事が非常におしまれます。
劇中、パイロット章は着けてはいるものの
左右とも中尉の階級章から星が1個づつ取られての少尉章、おそらく休暇をもらう直前に、降格となった事が想像ぞきるが、それが痛々しく、
弟さんの苦労が この襟章だけで理解できた。
いくら1945年だからと言っても、広島・長崎の原爆投下後に特攻に行く設定に無理があり、どうしてもムリコジ反戦に持って行きたいNHKの安易な思惑はお涙頂戴にもみれて、ゲンナリした。

この映画を観たら、同じく8K撮影した「スパイの妻」と比べると、8K理解度の違いが良く判る。

YAS!