「そうじゃないんだよ」映画 太陽の子 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
そうじゃないんだよ
柳楽優弥×三浦春馬ということで鑑賞。
戦争映画は苦手ですし、ドラマ版未鑑賞なので期待はせずに。公開終了寸前で滑り込みセーフでした。
ん、んー...。駄目だこれは。
印象に残るシーンは所々であるものの、全体的にすごく退屈で戦争映画としても欠点だらけの映画でした。
科学者で国の未来のために原子力爆弾の開発を仲間と共に進めていた石村修(柳楽優弥)。彼の家に家を失った世津(有村架純)が住むようになり、弟の裕之(三浦春馬)も戦地から一時的に帰宅し久しぶりに再開する。
贔屓でも何でもなくて、やはり三浦春馬の存在感は物凄いもので、彼が出ているシーンはどれもいい。ご飯を食べるシーンも、海辺で苦しむシーンも、3人で未来の話をするシーンも良いのだけど、特に戦地へ戻る時の三浦春馬の演技力には脱帽。すごくグッと来て、胸が苦しくなり少し泣きそうになった。
戦争を肯定しない世津のセリフは響くものがあった。
夢を語り未来を思い描いて何が悪い。当時の人々は心の中で本当はこんな風に思っていたんだろう。生きていることが何より嬉しい。死んで国に貢献なんて親は求めていない。これが本心。
ただ、色々とそうじゃない感が強い。
まず、役者の使い方。
個人的には全員ズレている気がした。
柳楽優弥は極悪非道の悪人、今日から俺は劇場版の柳みたいな役が見たい。
三浦春馬は華やかで美しい人、コンフィデンスマンJPのジェシーのような役が見たい。
國村隼は怖そうで実は心優しい、ステップの義理の父のような役が見たい。
完全に配役ミスだと思いました。
アメリカの怖さを表現したかったのか、やたらと英語で解説を入れてくる。全くもって意味を感じられず、ただただ分かりにくく響きにくくなっているだけで、だから何?と思ってしまった。
予告以上のことは得られず、分かってる。分かってるよ。だから?とどうしても思ってしまう。科学のことを取り入れて深い話をしているようで、全く深いことを話しておらず表面上だけのことで、目新しさが皆無。
ラスト際も終わるかと思いきや終わらないもどかしさがすごくキツかった。終わらないのかい、と思いながら見ていたラストは本当につまらなくて、何も感じとれなかった。
もっと上手くできただろうにと感じる映画。
期待していなかったけど、やはり期待しないで正解。わざわざ映画館で見るほどのものでもないです。
この日に見た1本目が最高だったので、本作・2本目は1本目の余韻に浸るための2時間でした。笑