劇場公開日 2021年8月6日

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「三浦春馬さん、ありがとう!」映画 太陽の子 marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0三浦春馬さん、ありがとう!

2021年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

NHK版は未視聴。
まずは改めて三浦春馬さんのご冥福をお祈りするとともに、もう新たな作品で彼には会えないんだと胸が締めつけられる思いでした。「ただいま」の笑顔と「行ってきます」と戦地に戻る姿になぜ?という気持ちすら感じてしまいました。

正直戦争ものは苦手でほとんど触れずに来たのですが、三浦春馬さん、柳楽優弥さん、有村架純さん、國村隼さんと素晴らしい俳優陣と、他の戦争映画とは少し違ったテイストであるとの噂から観たいと常々思っていました。

私もすっかりおじさんではあるものの戦争のことは文献やメディアからの情報がメインです。しかしながらまだ小学生の頃、今は亡き母親が体験談をよく聞かせてくれたのでなんとなく怖いイメージだけは持ちつつ今に至っています。当時高校生だった母たちは学業そっちのけで近くの軍需工場に毎日通い、和紙を糊でペタペタ貼りつけて『風船爆弾』なるものを作らされていたそうです。

母いわく「あんなもので戦おうとしてた時点で敗戦は見えてたんだろうね!近くて憲兵が見張っていたので決して口外は出来なかったけど」としみじみ語っていたこと子供ごころなりに覚えています。
戦闘シーンとかほとんどなく前述の名俳優さんたちの心情を表情や台詞回し、間で表す見事な演技に感銘を受けました。

原爆投下後の広島を訪れた教授と学生たちがつぶやく「これが僕たちの作ろうとしてたものなのか」という心の叫び、そして戦争が終わった後の希望を考えようという世津(有村架純さん)の言葉が印象的です。

本当は終戦記念日までにはなんとか鑑賞したかったのですが、世間の状況を鑑みて躊躇していたところ、間もなく上映終了してしまいそうなので『緊急事態宣言』がこの地にも発令される直前に滑り込みました!
平日ということもあり観客は3名のみ。1人もいなくても上映はするのかな⁈っていらぬ疑問を持ちながらゆっくり鑑賞できました。

世界の各地で軍隊やら過激な思想集団がはびこっている今日この頃。また今の感染状況もある意味戦争に近いものがありますし、早く平和な世の中に戻って欲しいとつくづく思います。派手さはありませんが日本人、世代を超えて観てほしい作品ですね。

marimariパパ