劇場公開日 2021年8月6日

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「若者を戦争に巻き込んではダメ。」映画 太陽の子 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5若者を戦争に巻き込んではダメ。

2021年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

日本が原爆の開発をしていたのは知らなかった。これは、一つ間違えば日本が原爆の加害者になっていたという話だろうか。どうも違うようだ。原爆の開発も戦争と同じで、資源はなく、エネルギーもなく、設備もおそまつで技術者もそろっていない。これでは戦争に勝てるはずがない。愚かな戦争から抜け出せなくなった日本を描いてはいるが、主題は戦争に大きな影響を受けた若者の姿だ。修、裕之、世津の3人は戦争の時代を懸命に生きた若者の代表である。いつの時代も変わらぬ若者の純粋さと前向きな意思がしっかり描かれているのは、この作品の良い所であろう。海で遊ぶ3人を見ていて、若者を戦争に巻き込むようなことは絶対にしてはいけないと思わせられる。これは一種の青春劇でもある。
描きたいことはいろいろあるのはわかる。しかし映画作品として見た場合、完成度には疑問符がつく。例えば修が比叡山に登って、原爆の瞬間を観察しようとする場面などは、シーンとして成立していないように思う。そんな気になる所がいくつもある。個々の場面は悪くないが、全体的な印象がどうしても薄いかなと感じた。

ガバチョ