レベッカのレビュー・感想・評価
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時代性の変化を反映
オリジナルから80年後のリメイクとなれば、時代性の変化が反映されているかどうか?が真っ先に問われることになる。その点、今回のリメイクは現代の価値観や社会性を慎重に反映していると評価できる。
ヒッチコックが監督したオリジナルは、1940年という時代ゆえに今観ると歯がゆく感じられる部分も多い。受動的なヒロイン像しかり、前夫人=レベッカのサイコパス的な描かれ方しかり。ローレンス・オリヴィエ扮する富豪の身勝手ぶりも相当なものだ。
ポリティカリー・コレクトネスに配慮した結果と言えばそれまでだが、本作の場合はそれが物語上の必然として上手く機能している。ヒロインは主体性を帯びてより魅力的になり、前夫人の存在に固執する家政婦長のキャラクターも説得力を増した。
アカデミー賞作品賞を受賞したオリジナルに挑み、見事に結果を出した稀有な例として評価されて然るべき良作だ。
内容はともかく このお二方の主演であればそれだけで観どころ満載と言ってもいい
期待ほどではなかったです
日の名残、サスペンス、リリー・ジェームズ
ヒッチコックの方は未鑑賞
前妻の亡霊が出る?ジェーンエアの様なストーリー?と思いながら...。旅先での出会いはシンデレラストーリーでとても楽しい。プリティウーマンみたいに素敵なプレゼントは買ってあげたりしないのね。ヘンリー8世から送られたというお屋敷は凄くゴージャスだけど、維持費と人件費がバカ高そう。お屋敷に到着してからは、前妻の物がそのままとか、新妻に対して配慮が無さ過ぎて可哀想です。ダンヴァーズ夫人の意地悪さもプラスされ、とても居心地悪そう。マイセンの置物事件でムッとするドウィンターさんはケチなの?ラストにかけては主人公が大活躍しますが、ドウィンターさんの魅力がどうも感じられないなぁ(アミハマはカッコいいが)。あの時NYに行っていたら?また違う素敵な人生だったのでは?
レベッカをリメイクする必要とは?
ミーハー評価ですいません😅
違和
映画が好きでヒッチコックがきらいというひとはいません。サイコ裏窓ダイヤルM北北西めまいロープ・・・ぜんぶいいです。が、さて、どんな映画だったかと言われてみると、ストーリーを思い出せるものは、ほとんどありません。知りすぎていた男は、男が知りすぎていた映画です。──と言えるていどの記憶です。ヒッチコックの映画は、ミステリアスな雰囲気や技法に魅入られるのであって、ロジカルに理解するわけではありません。
レベッカもとても印象的な映画でした。
とうぜんレベッカといえばヒッチコックにあったよな。と思いつつ、この映画を予備知識なく見始めた。わけです。
冒頭にマンダレーの夢を見たのくだりがあるのでリメイクとわかりました。
すると映画はヒッチコックのレベッカの記憶との相対となってしまいます。
フォンテインとオリビエがでていました。モノクロの陰影を生かした映画でした。フォンテインがとてもきれいでした。屋敷の家政婦長が、恐ろしい雰囲気をかもしだしていました。
おぼろげ記憶ではありますが、ヒッチコックのレベッカが念頭にあるなら、この主人公はぜんぜん違います。フォンテインは、もっとか弱く、未通女なかんじでした。
Lily Jamesは、意志も気も強い女性です。
ながくふとくりっぱな眉、咬筋の豊かなエラ、据わっている眼差し、にじみ出る──と言うより、あふれ出る負けん気。
これらは不屈の闘志とか、フェミニズムの旗手とか、そういう主題のなかで生きる顔付きです。
がんらいKenneth Branaghのシンデレラでも、彼女の力強さはかんぜんな違和でした。
わたしはすこしも彼女を守ってあげたくなりません。
むろん彼女が生きる主題をもった映画のなかで見るならLily Jamesは素敵な女性に違いありません。
が、まちがいなく、恐怖に怯えるレベッカの主人公ではなかった。と思います。
つまりヒッチコックのレベッカを見ているなら、まるで正反対の役者を、わざわざ充ててきたような破壊的配役でした。
映画はソツのないつくりでした。予算もしっかり割り振られ、衣装も舞台も、演技力にも、難はありません。またアーミーハマーは好き嫌いを生じにくい、けれん味のない俳優です。総じて、レベッカのストーリーを辿っていけば、及第を得られる作品でした。
が、もしあなたがヒッチコックの大傑作レベッカを見ているなら、うつくしいJoan Fontaineのおもかげが、たとえちょっとでも念頭にあるなら、これはぜんぜん違うはずです。
またヒッチコックは家政婦長のJudith Andersonの顔にモノクロの陰影を当てて、恐怖感を引き出していましたが、それとそっくりのことをKristin Scott Thomasにやっています。やってはいけないやつだと思いました。
夜、懐中電灯を持っていたら、かならず誰かが、顔に下から電灯を当てて「ばぁ」ってやりますよね。人種を問わず、誰でもやります。あれはレベッカからきている──とは言わないけれど、レベッカは光を当てるところと、光を当てないところの黄金比を発明した、とてつもない映画だった──と思うのです。
ロケハンは見応えあり
アカデミー作品賞も受賞しているヒッチコック版「レベッカ(1940)」が偉大すぎるので、今の時期にリメイクされる本作には何か勝算があるのか?と思い観賞。
むむ。これは勝算云々の話ではなく、原作版から真面目に映像化をした地味な映画だった。
アーミー・ハマーは相変わらずセクシーな男で素晴らしいし、リリー・ジェイムズのあどけなさは主人公"私"のイメージに合っていたと思う。
ミニチュアを使ったりスタジオ撮影が多かったヒッチコック版に比べ、ロケハンが素晴らしくマンダレイの広大さがよく分かり見応えがあった。このロケ地たちをよく探し出したと思う。
ただしダンヴァース夫人のビジュアルはやはりヒッチコック大先生が作り上げたイメージが強烈すぎて、歩いたり動き回るシーンを一切撮らず幽霊のように立つシーンにこだわったあの演出術に勝るものはないと感じた。
ヒッチコック版のダンヴァース夫人のビジュアルは怖い女夫人の決定版になってしまったほど色んなキャラクター造形に影響を与えたと思っていて、例えば約束のネバーランドのイザベラもこのヒッチコック版ダンヴァース夫人の影響があるんじゃないかと思う。
本作のロケハンは是非大画面で見たかった。
Netflix配信もいいが、映画館でも観れたらいいなー。
同じ現象でも解釈により心の状態は変わる
ダンヴァース夫人の凄み
大好きなリリー・ジェームズの主演作なので楽しみにしていたが、ストーリーも結末も今ひとつ。
マキシムと出会って、結婚するまではよかった。モンテカルロの高級ホテルに、海岸から見えるまばゆいばかりの風景の中で二人が恋に落ちていく過程は、笑顔が素敵なリリー・ジェームズならでは。彼女の笑顔はみているこちらを幸せにしてくれる。ベントレーでドライブするシーンは、自分も陶酔するような感覚に陥る。
マンダレイに舞台を移してからは、ホラーなのかサスペンスなのかわからない。映像の豪華さと役者揃いのせいもあって飽きさせることはないが、ズシーンとくるエンディングではなかった。
見た後にわかったんだけど、ヒッチコック作品のリメイクだったんだね。オリジナルはどうなんだろう。
彼女はいる --- つきまとう《R》の影。新妻が亡き妻の幻影に悩ま...
彼女はいる --- つきまとう《R》の影。新妻が亡き妻の幻影に悩まされ精神的に追い詰められていくヒッチコック渡米第一作となった名作(ロマンチック)心理スリラーをベン・ウィートリー監督 × 頑張っているリリー・ジェームズ × アーミー・ハマー共演で映画化。他にも流石のベテランなクリスティン・スコット・トーマス、サム・ライリーと魅力的な英国キャストが顔を揃えている。あまりにシックで渋いポスタービジュアルから期待していた本作は蓋を開けてみると、思っていたほどには魅惑的ではなかったかもしれない。何となくもっともらしい雰囲気で見守ってはいられるものも、やはりオリジナルの核の部分には到達できていないだろう。そもそも、例えば今までの同監督作品みたいな本気で楽しんで製作したみたいな熱量があまり感じられなかった気がした(←これはもはや完璧なる主観でしかない)。が、それでも不思議と退屈はしなかったし、なあなあでも見ていられたのも確か。タイトルやスタッフクレジットの出方は渋かった。
「マキシムの妻なんかじゃない」
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