レベッカのレビュー・感想・評価
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時代性の変化を反映
オリジナルから80年後のリメイクとなれば、時代性の変化が反映されているかどうか?が真っ先に問われることになる。その点、今回のリメイクは現代の価値観や社会性を慎重に反映していると評価できる。
ヒッチコックが監督したオリジナルは、1940年という時代ゆえに今観ると歯がゆく感じられる部分も多い。受動的なヒロイン像しかり、前夫人=レベッカのサイコパス的な描かれ方しかり。ローレンス・オリヴィエ扮する富豪の身勝手ぶりも相当なものだ。
ポリティカリー・コレクトネスに配慮した結果と言えばそれまでだが、本作の場合はそれが物語上の必然として上手く機能している。ヒロインは主体性を帯びてより魅力的になり、前夫人の存在に固執する家政婦長のキャラクターも説得力を増した。
アカデミー賞作品賞を受賞したオリジナルに挑み、見事に結果を出した稀有な例として評価されて然るべき良作だ。
内容はともかく このお二方の主演であればそれだけで観どころ満載と言ってもいい
ヒッチコック監督の「レベッカ」を特別好きなわけでもなかったが、個人的には主演2人のそれぞれの出演作は好んで観ているので、本作はかなり期待して鑑賞。
モンテカルロでのお二方のデートの様子は、とにかくキラキラでもう最高。これだけでも観た甲斐はじゅうぶんありと言ってもいいだろう。
その後のストーリー展開は特筆する点はあまりないのだが、歴史あるお屋敷や広大でよく手入れのいき届いたお庭は目を見張るほど美しく映えていて、それなり止まりのストーリーを大いに盛り立てていたと思う。
とにかくビジュアル的にお気に入りの作品になったといったところか。
イングランド版日曜サスペンス劇場。
バンホッパー夫人は間違っていない。
イングランド版日曜サスペンス劇場。
しかし、崖の上で色々な御託を並べること無くあっさり。それは、良いがそれならば、最初の出会いの部分もカットしてもよく感じた。まぁ、ある程度内容知っている影響もあるが。
フランスのクライム・サスペンスよりもシビアー。
テンポ悪し…
前半の幸せいっぱいシーンから、マンダレイ邸宅に帰ってきてからはホラーなのかサスペンスなのか状況一変。前妻レベッカの幻影に怯える新妻なのだが、古株ダンヴァース夫人はいるけど、首にすれば良いし、そこまで窮地に追い込まれてるのかなって思ってしまう。旦那もいつまでも前妻追い掛け過ぎだろと思いつつ見てたが、結局は殺してたのか。ネタバレしてからは呆気なくつまらなかった。
可愛らしさと引き換えに
リリー・ジェイムスがキュート。
生い立ちについてはあまり触れられてないが、両親を亡くして金持ちのおばちゃん達の付き人?の仕事は大変そうだが、テニスの練習を言い訳にデート出来るんだ…と。そこ(笑)
アーミー・ハマーも相変わらずイケメンだし、育ちの良さげなお金持ちの役も適役。
オリジナルを観ていないので、比べようはないが、なかなか面白かった。
リリーが少しずつ強くなっていくところも。可愛らしさと引き換えに?
舞踏会のドレスの件はかわいそう…お姉さんが良い人でまだ良かった、かな。
レベッカの部屋の人形とか、マキシムが激怒してたところが不思議だった。
そこはなぜ奥さんを守らない?
どこを切り取っても肖像画以上のレベッカは出てこないが、そこがまた怖い。
しかし最後にようやく解き放たれた2人がハッピーでよかったかな。
やや無理矢理だったけど。笑
期待ほどではなかったです
もっとサスペンスだと思っていたのにそうでもなく、ちょっと残念感がありました。
アーミー・ハマーとリリー・ジェームズが出会って恋に落ちるまでは良かったのですが。
もっと人間のこわさが描かれてるのかと思っていたけど、わりと淡々と進んでゾワゾワする事もなく中途半端なように感じました。
大富豪が惹かれる純粋な心の女性が後半ガラッと変わっていく様子はリリー・ジェームズが見事に演じられていたのは良かったです。
日の名残、サスペンス、リリー・ジェームズ
個人評価:3.8
上質なワインの様なクラシックなサスペンス。ヒッチコックの気品がまだ漂っている感じがある。
英国の屋敷。日の名残の様な世界観に立ち込める、1人の女性を中心としたサスペンス。その世界観に迷い込んだリリー・ジェームズのキュートさが現代的なテイストに仕上げてくれている。
これはいいサスペンスだ。
新妻の強い女への変わり方が秀逸
英国人作家ダフネ デユ モーリアが、わずか30歳の若さでこの小説「レベッカ」を書いた1938年から80年余が経った。彼女は「鳥」も書いている。
「レベッカ」は発表後、すぐに脚光を浴びて戯曲化され1940年ロンドンのクイーンズシアターで演じられ大人気となった。ダフネは小説だけでなく他にも戯曲「THE YEAR BETWEEN」や、「SEPTEMBER TIDE」など書いて舞台で演じられている。祖父は作家で風刺漫画家として有名だったジョージ デユ モーリア、父親は役者のジェラルド デユ モーリア、母親は人気の高い女優のミュリアル バーモンドだった。そういった家族の知名度の高さが彼女の作家として成功する要因にもなった事だろう。軍人と結婚して、1男2女を育てたが、81歳まで生きて、英国の田舎コーンウェルに住んだ。若い時からインパクトのある個性的な作品を書いたが、ベストセラーを続出しても本人は人前に出るのを嫌い、コーンウェルの田舎から外に出ることもなかった。
テイーンのときに「レベッカ」と「鳥」を読んだが、短い文で読者を没頭させる。語り手の間の取り方、語りの巧みさ、話の持っていき方が巧妙で読者を不安にさせ、怖がらせる優れたミステリーのストーリーテラーだ。たとえば、女が島に着くとなぜか急に寒気に襲われる。大きな黒い鳥が鋭い視線で女を見竦めていた、、、というように、ただ LOOKとかWATCH 見ていたのでなくて STARE、震え上がるくらい怖い目で凝視されていたのだ。この時から鳥の目が怖くて視線を合わせないようにしている。彼女はまことに上手な語り手の天才ミステリー作家といえようか。
映画監督、アルフレッド ヒッチコックが、ダフネの作品に、音響効果や視覚効果を加えて一流のサイコテイックスリラー映画を仕上げた。
「レベッカ」は、英国人ヒッチコックが渡米して作品を制作するようになって最初の記念的ヒット作品だ。のちの作品「鳥」でもヒッチコックは成功した。
ヒッチコックの「レベッカ」は配役が素晴らしい。「わたし」を演じたアメリカ人、ジョーン フォンテーン、マキシムを演じた英国人ローレンス オリビエ、ダンバース婦人を演じたオーストラリア人のジュデイス アンダーソン、3人ともその年のアカデミー賞主演賞、助演賞を獲得している。この1940年第13回アカデミー賞で、「レベッカ」は最優秀作品賞、撮影賞も受賞している。それなのに監督賞だけをヒッチコックは逃した。この年の監督賞は、「怒りのぶどう」のジョン フォード監督に与えられている。1940年といえば戦争中だ。世界恐慌のあと街は失業者があふれ、餓死者が出て、労働組合の芽が育っていた。スタインベックの名作「怒りのぶどう」の力強い労働者の怒りが人々の心を揺さぶったことを思えば、このときジョン フォードに栄誉が与えられたことは、妥当な判断だったはずだ。
ヒッチコックは「レベッカ」を白黒映画で撮影し、わずかな光、暗い死を思わせる古い屋敷、音もなく忍び寄るダンバー婦人などを強調することによって、存分に視聴者を怖がらせてくれた。最後の火事のシーンは有名だ。焼け落ちる屋敷の火の中で勝ち誇って笑い続ける狂った家政婦の怖さは忘れられない。夢に出てくるほど怖い。
新作「レベッカ」では、配役の悪さが目立つが、ヒッチコックよりもずっとお金をかけて、イングランドのロケーションをたっぷり見せてくれて満足した。
配役の悪さでは、まずアーミー ハマーが、45歳初老の貴族に見えない。2メートルの長身、知的な風貌、文句のないハンサムな顔、からし色の3つぞろいの背広が似合って美しいモデルのようだ。浮気な妻を殺したかもしれない影をもった富豪にもみえない。ハンサムすぎる。
またリリー ジェームスが20代前半の恋愛経験のない、親のない薄幸な女の子に見えない。アーミー ハマーも、リリー ジェームスも同じ年ごろに見える。平民のリリーは妻として貴族の館に招き入れられて、伝統を重んずる貴族のしきたりも作法もわからない、まわりの誰もが彼女が失敗するのを待っている。そんな中で消えゆくほどに自分を失い、ダサい服を着て顔の輪郭さえぼやけた存在だった。
それがボートが引き上げられたとたんに事態が変わる。マキシムは「富豪貴族のウィンター卿様」ではなくて、自分の「夫」だ。夫が殺人犯人にされそうになったとたんに、強い「わたし」に変わる。生き生きとした自立した強い女、目鼻立ちがはっきりして、強い生きる意志が表れる。きりっとした服装にきっちり顔が見える帽子をかぶり、きっぱりした歩調で歩く。すべてが180度変わる。一晩にして薄幸少女が、自信に満ちた妻、強いワンダーウーマン、グラデイエイターの変わるのだ。そういった変化の表し方が、上手だった。これはヒッチコックにはなかったことだ。女優の実力だろう。
ヒッチコックの白黒フイルムがほとんど屋敷の中での撮影だったのに比べて、新作ではロケーション撮影が主になっていて、イングランドの景色が素晴らしい。激しい波が打ち寄せる断崖絶壁。白い岩の壁がそびえ立つ。荒々しいイングランドの海岸線。強い風を受けて建つ小さな釣り小屋。レベッカが愛人と隠れて過ごした釣り小屋は、岩の上で吹けば飛ぶような儚い存在だ。そんな小さな小屋を、レベッカが愛した犬、ゴールデンレトリバーが、新妻を誘導する。死んだレベッカを悼む気持ちは家政婦だけではないのだ。
美男美女の「レベッカ」新作は見て楽しい。しかし80年ものあいだヒッチコックの「レベッカ」は名作として人々から忘れられずにきた。80年経って、どうしてもリメイクが作られなければならないという理由がみつからない。舞台と違って、映画はどんなに上手にリメイクしても、人は前作と比較する。残念ながら古い映画のリメイクで成功した例が思い浮かばない。
ハンフリー ボガードとイグリッド バーグマンが演じない「カサブランカ」は見たくない。クラーク ゲーブルとビビアン リーが主演ではない「風と共に去りぬ」も、あまり見たくない。グレゴリー ペックとオードリー ヘップバーンの演じない「ローマの休日」も見たくない。ついでに、三船敏郎の主役でない「羅生門」も、高倉健がやらない「唐獅子牡丹」も、渥美清が出てこない「ふうてんの寅」も見たくない、のは私だけではないだろう。
投稿者 DOGLOVER AKIKO 時刻: 7:14
2020年10月19日月曜日
ヒッチコックの方は未鑑賞
前妻の亡霊が出る?ジェーンエアの様なストーリー?と思いながら...。旅先での出会いはシンデレラストーリーでとても楽しい。プリティウーマンみたいに素敵なプレゼントは買ってあげたりしないのね。ヘンリー8世から送られたというお屋敷は凄くゴージャスだけど、維持費と人件費がバカ高そう。お屋敷に到着してからは、前妻の物がそのままとか、新妻に対して配慮が無さ過ぎて可哀想です。ダンヴァーズ夫人の意地悪さもプラスされ、とても居心地悪そう。マイセンの置物事件でムッとするドウィンターさんはケチなの?ラストにかけては主人公が大活躍しますが、ドウィンターさんの魅力がどうも感じられないなぁ(アミハマはカッコいいが)。あの時NYに行っていたら?また違う素敵な人生だったのでは?
レベッカをリメイクする必要とは?
ヒッチコック監督作をリメイクするなんて野暮では??
といいつつも現代の映像で再現されたあの世界観にはちょっと満足したりして。ただ
どこにいるのかわからない恐怖はやっぱり足りないのかも。
リリージェームズ
最近めっちゃキュートでいいヒロイン像だったのになー
爽やかな感じが好みだったので、今回のスキャンダルで配役とかに影響受けなきゃいいが。
ミーハー評価ですいません😅
配信日にリモコンを握り締めワクワクしながら待っておりました!
1940年重厚感あるヒッチコック版も何度か観てはおりましたが最初にリメイク、それもアーミー・ハマー&リリー・ジェイムズ!!と聞いた時はアホみたいに踊りました♬
確かに戦慄感あるサスペンス色は弱けれども
盛り上がりが足りずとも
クラシカルなセットにファッション!
とことん目の保養になりましたしリリーちゃん大好きミーハーな私は大満足でした!
20回目をこれから観ます😁
違和
映画が好きでヒッチコックがきらいというひとはいません。サイコ裏窓ダイヤルM北北西めまいロープ・・・ぜんぶいいです。が、さて、どんな映画だったかと言われてみると、ストーリーを思い出せるものは、ほとんどありません。知りすぎていた男は、男が知りすぎていた映画です。──と言えるていどの記憶です。ヒッチコックの映画は、ミステリアスな雰囲気や技法に魅入られるのであって、ロジカルに理解するわけではありません。
レベッカもとても印象的な映画でした。
とうぜんレベッカといえばヒッチコックにあったよな。と思いつつ、この映画を予備知識なく見始めた。わけです。
冒頭にマンダレーの夢を見たのくだりがあるのでリメイクとわかりました。
すると映画はヒッチコックのレベッカの記憶との相対となってしまいます。
フォンテインとオリビエがでていました。モノクロの陰影を生かした映画でした。フォンテインがとてもきれいでした。屋敷の家政婦長が、恐ろしい雰囲気をかもしだしていました。
おぼろげ記憶ではありますが、ヒッチコックのレベッカが念頭にあるなら、この主人公はぜんぜん違います。フォンテインは、もっとか弱く、未通女なかんじでした。
Lily Jamesは、意志も気も強い女性です。
ながくふとくりっぱな眉、咬筋の豊かなエラ、据わっている眼差し、にじみ出る──と言うより、あふれ出る負けん気。
これらは不屈の闘志とか、フェミニズムの旗手とか、そういう主題のなかで生きる顔付きです。
がんらいKenneth Branaghのシンデレラでも、彼女の力強さはかんぜんな違和でした。
わたしはすこしも彼女を守ってあげたくなりません。
むろん彼女が生きる主題をもった映画のなかで見るならLily Jamesは素敵な女性に違いありません。
が、まちがいなく、恐怖に怯えるレベッカの主人公ではなかった。と思います。
つまりヒッチコックのレベッカを見ているなら、まるで正反対の役者を、わざわざ充ててきたような破壊的配役でした。
映画はソツのないつくりでした。予算もしっかり割り振られ、衣装も舞台も、演技力にも、難はありません。またアーミーハマーは好き嫌いを生じにくい、けれん味のない俳優です。総じて、レベッカのストーリーを辿っていけば、及第を得られる作品でした。
が、もしあなたがヒッチコックの大傑作レベッカを見ているなら、うつくしいJoan Fontaineのおもかげが、たとえちょっとでも念頭にあるなら、これはぜんぜん違うはずです。
またヒッチコックは家政婦長のJudith Andersonの顔にモノクロの陰影を当てて、恐怖感を引き出していましたが、それとそっくりのことをKristin Scott Thomasにやっています。やってはいけないやつだと思いました。
夜、懐中電灯を持っていたら、かならず誰かが、顔に下から電灯を当てて「ばぁ」ってやりますよね。人種を問わず、誰でもやります。あれはレベッカからきている──とは言わないけれど、レベッカは光を当てるところと、光を当てないところの黄金比を発明した、とてつもない映画だった──と思うのです。
ロケハンは見応えあり
アカデミー作品賞も受賞しているヒッチコック版「レベッカ(1940)」が偉大すぎるので、今の時期にリメイクされる本作には何か勝算があるのか?と思い観賞。
むむ。これは勝算云々の話ではなく、原作版から真面目に映像化をした地味な映画だった。
アーミー・ハマーは相変わらずセクシーな男で素晴らしいし、リリー・ジェイムズのあどけなさは主人公"私"のイメージに合っていたと思う。
ミニチュアを使ったりスタジオ撮影が多かったヒッチコック版に比べ、ロケハンが素晴らしくマンダレイの広大さがよく分かり見応えがあった。このロケ地たちをよく探し出したと思う。
ただしダンヴァース夫人のビジュアルはやはりヒッチコック大先生が作り上げたイメージが強烈すぎて、歩いたり動き回るシーンを一切撮らず幽霊のように立つシーンにこだわったあの演出術に勝るものはないと感じた。
ヒッチコック版のダンヴァース夫人のビジュアルは怖い女夫人の決定版になってしまったほど色んなキャラクター造形に影響を与えたと思っていて、例えば約束のネバーランドのイザベラもこのヒッチコック版ダンヴァース夫人の影響があるんじゃないかと思う。
本作のロケハンは是非大画面で見たかった。
Netflix配信もいいが、映画館でも観れたらいいなー。
同じ現象でも解釈により心の状態は変わる
苦しめるのは自分の心の状態である、というのがこの作品を観て一番感じたこと。前妻が亡くなったのは海に溺れたのが原因と捉えていたときの心の状態と実は妻の浮気症のせいで旦那が殺した事実が新たに分かったときの心の状態で、明らかに変化が見られた。
ダンヴァース夫人の凄み
大好きなリリー・ジェームズの主演作なので楽しみにしていたが、ストーリーも結末も今ひとつ。
マキシムと出会って、結婚するまではよかった。モンテカルロの高級ホテルに、海岸から見えるまばゆいばかりの風景の中で二人が恋に落ちていく過程は、笑顔が素敵なリリー・ジェームズならでは。彼女の笑顔はみているこちらを幸せにしてくれる。ベントレーでドライブするシーンは、自分も陶酔するような感覚に陥る。
マンダレイに舞台を移してからは、ホラーなのかサスペンスなのかわからない。映像の豪華さと役者揃いのせいもあって飽きさせることはないが、ズシーンとくるエンディングではなかった。
見た後にわかったんだけど、ヒッチコック作品のリメイクだったんだね。オリジナルはどうなんだろう。
彼女はいる --- つきまとう《R》の影。新妻が亡き妻の幻影に悩ま...
彼女はいる --- つきまとう《R》の影。新妻が亡き妻の幻影に悩まされ精神的に追い詰められていくヒッチコック渡米第一作となった名作(ロマンチック)心理スリラーをベン・ウィートリー監督 × 頑張っているリリー・ジェームズ × アーミー・ハマー共演で映画化。他にも流石のベテランなクリスティン・スコット・トーマス、サム・ライリーと魅力的な英国キャストが顔を揃えている。あまりにシックで渋いポスタービジュアルから期待していた本作は蓋を開けてみると、思っていたほどには魅惑的ではなかったかもしれない。何となくもっともらしい雰囲気で見守ってはいられるものも、やはりオリジナルの核の部分には到達できていないだろう。そもそも、例えば今までの同監督作品みたいな本気で楽しんで製作したみたいな熱量があまり感じられなかった気がした(←これはもはや完璧なる主観でしかない)。が、それでも不思議と退屈はしなかったし、なあなあでも見ていられたのも確か。タイトルやスタッフクレジットの出方は渋かった。
「マキシムの妻なんかじゃない」
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