グンダラ ライズ・オブ・ヒーローのレビュー・感想・評価
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異国の正義観から生まれた泥臭い萌芽
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グンダラはアメリカンコミックの映画群ほどに華々しいスーパーパワーを惜しみなく見せまくる超人ではない。
放電という飛び道具こそあるものの、殺陣の大部分は徒手空拳。頑丈な身体や怪力も発揮できるが、雷を吸収しないと持ち前の格闘センスだけで戦わないといけない。敵も超常的なキャラは控えめで(皆無ではない)、中盤までの多くのバトルシーンは市街の暴動から弱者を救う場面、つまり血の気が多いだけの一般人の集団相手の大立ち回り。終盤の幹部ラッシュも包丁やハンドバッグを凶器にする奇手やムエタイ使いなど、何となく東映の「快傑ズバット」の敵用心棒チックな感じ。至って泥臭い。
だが、それが新鮮だし、第一舞台となるインドネシアの貧民街の黒ずんだ壁とよく馴染む。主人公のサンチャカ自身低賃金労働者の家の子供で、以降彼の目線で全体的に悲壮感の強いエピソードが続くが、エンディングはヒーロー映画に求めている高揚感とハッピーエンドがちゃーんと待ってて「わかってるじゃない!」と言いたくなる…結構強引な解決だけど。
原作は1960年代から続くインドネシアのヒーローコミックレーベルの古参キャラで、同社には1000を超す超人がいるらしい。ヒーロー大国なんて日本とアメリカ以外知らなかっただけに、思わぬ金脈の予感がする。
しかも今回はシネマユニバース展開第一弾で、8人のヒーローが映画化を控えてるとか。続報が届かないあたりコロナ禍の影響を感じて不安だけど、正直凄く見たい。
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