映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチのレビュー・感想・評価
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もっと早く気付く気がする
「サッカーはフィジカルだけじゃない」っていう主人公の主張はその通りなんだよね。
主人公はフィジカルが弱くて、「フィジカルだけじゃない」って気付いてるんだったら、フィジカルの弱さが前面に出ないプレースタイルを選択すると思うの。スペースに立って、寄せられる前にパス叩くみたいな。
しかし主人公はドリブル突破をひたすらやるのね。ここが良く解らない。それフィジカルの要素が入りやすいだろうって。
最後の最後に「ゴリゴリのサッカーなんて、つまらないよ!」とサッカーを始めたときに感じたことを思い出して、パス中心のプレースタイルに変わるんだけど、最初から気付くよね。
作中では「女だからフィジカルが弱い」っていう話が語られてんのね。小学校高学年までは女子の成長が早いからフィジカル優位なんだけど、中学に入ってそれが逆転してくっていう。
「女だから」を強調してるけど、男だから女だから以前にフィジカル弱かったらどう戦うかを考えないとだよね。そこをやってもなお「女だからフィジカルが」が出てきて、ようやく納得できる。
ナメックの試合での活躍すごいよね。センターバックなのにサイドのボールも拾うし(サイドバックなにやってんだ)。前線でシュートも打つし。すごいけど、このチーム、ナメックに頼りすぎだね。
主人公は最初からパス中心のプレースタイルを選択するだろうってとこは納得できないのはあったけど、その他の心情は面白かったな。すれ違いが起こるけど、最後に試合でやり合って納得する大団円も良かった。面白いよ。
魅了するフットボール
物語を追って、恩田の苦悩やら何やらを、感じ最後まで見終わって感動する。
ストーリー自体は分かりやすく、ありきたりな感じもあるが、これを見てサッカーを好きになったし、漫画も買いたくなった。
熱く・心がザワつくいい作品や!
ただ、リアル描写のサッカーシーンはなんか合わなかった。
テレビ版があれだったが、0巻欲しさに。
テレビ版が酷く正直な話、観るかどうか迷ってましたが、0巻がもらえると言う事で、観に行くことに。
テレビ版はサッカーシーンが稚拙で漫画のディフォルメ絵の再現度も低くほとんど見てませんでしたが、今回映画版を観た限り、映画として観るに耐えられるだけのクオリティーでした。
でもそればテレビ版を観た上での比較でして、単体で観るぶんには、よっぽど好きじゃ無いと楽しめないかもしれません。
私は原作を全部読んでましたので楽しめました。
傷ついても尚、君は美しい
アニメ版しか観ていなかったのですが、とても魅力的な登場人物たちと作風に惹かれて劇場版を鑑賞しました。
アニメ版冒頭などで度々回想シーンとして描かれていた恩田希たちの高校入学以前の物語が今作では描かれています。
天才サッカー少女、恩田希(のんちゃん)が高校男子サッカー部の3人それぞれとの微妙な距離感で慕われている背景や、彼女がナメックから「親分」と呼ばれている訳など、アニメ版だけを観ているとちょっと不思議な理由が分かる作品でした。
きっと作者の一番描きたかったのはこの中学時代の彼女なんだろうなと感じるほど、魅力的です。
男子に混ざってどれだけ練習をしても、チームの誰より巧くても試合に使ってもらえない苦境、苛立ち。
クラブの時代には自分の方が巧かったのに、身長もフィジカルも追い抜かれていく焦り。挙句、ユニフォームさえもらえない悔しさと危うさ。
そして衝突しながらも監督が恩田を「日本女子サッカー界の宝」と信じて大切に育てようとしている事、さっちゃん(マネージャー)との信頼感。
そして小学4年で転校していったナメックが対戦校のキャプテンとして再会。
自分より背も低く泣いてばかりだった子分は、彼女に追いつきたくて泥だらけ、傷だらけになっても体を張ってチームを盛り立てる姿に彼女も何かを感じます。
彼女自身もまたどんなに弾き飛ばされても、傷ついても、何度も立ち上がる姿は高校サッカーのテーマソング『振り向くな君は美しい』の歌詞のようです。
そして彼女たちの監督が言う「フットボールを愉しもう」はまさに、恩田希にとってのサッカーを始めた原点であり、それを思い出してからの彼女のプレイはまさにファンタジスタ。
“フィジカルで勝てないのならフィジカル以外の全てを使って勝ってやる”
普段は色々と雑な恩田希が、性別の壁に悩んでもがいて、そしてそれを跳ね除けようと男子たちとぶつかり合う姿は感動的でさえあります。
そしてエンドロール後にアニメ版へと繋がるシーンが描かれ、またアニメ版もまた原作も見てみようと思いました。
映画館の大きなスクリーンで、ピッチを縦横無尽にダイナミックに展開されるプレイは迫力あり。
恩田のプレイはついアニメであることを忘れてしまうほど観客を魅了します。
あとさっちゃんの正妻力が高くて、キュンとします(笑)
サッカー少女が中学生になることで
子供の頃、サッカーの楽しさと努力、センスにより自分(女の子)のサッカーが周りに認められ自尊心を膨らませた。
その子が中学校に入り男の子との体格の違いや指導者の方向性にもがく姿を描いてます。
集団スポーツの根本なんだけど、独りよがりのプレーをするのかしないのか。それをどう打開するのか。
もう一つ選手の将来性なのかいまなのか難しい選択があり、何が正しい選択なのか難しいです。
物語を語る上でどれを主軸を置くのかだと思うんだけど、これは受け取り側の見識によって分かれるんだろうなあって感じす。なので共感する点もあるんだけど、何故って点もかなりあります。
翼くんみたいに突拍子もないサッカーをするなら、こんなことを度外しするんですが。
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