不夜城の男のレビュー・感想・評価
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男たちの、さあ、のしあがるぞおお!
どの男も、自分が成功するために、あっちを裏切り、こっちを裏切り。あっちと手を組んだと思ったらこっちとも手を組む。もうぐちゃぐちゃ。観ていても混乱しそう。でも、実際にありそうで、ラストは爽快感もある。ただ、エンディングは明るすぎる気もした。
うーむ、既視感が、、、。
タイトルは量子物理学でいいのに
飲食店(クラブとバーが一体化した店)をオープンさせた男が、政府高官の息子の麻薬取締疑惑に協力したことから起こる事件。転落した彼らの逆転劇を描く。
派手やかな飲食の世界と汚いマフィアの世界、そして出世のために何でもしようとする検察。そんな対比が面白かったし、ラストの展開もそれなりにちゃんと錬られた脚本だと感じた。量子物理学(原題)の使い方も乱暴だけど、一貫したテーマにはなっていた(そのままのタイトルでもよかったのに)。若干強引たったり、駆け足になってしまったの確かだけど。それもまぁ許せる範囲か。
ただ、それなりではあっても見てる側のテンションがメチャクチャ上がるようなレベルではなかった。主人公もヒロインも悪役も若干しょぼい。それなりに楽しんで、それなりにしか記憶に残らない。そんな映画だった。
おじさんたちの顔面力
権力に魅せられて
夜の町で財とツテを築きあげ、始めて自分で店を開いた男が、社会の裏の陰謀に巻き込まれて行く話。
1階はクラブ、2階はBARを構える大型テンポを鳴り物入りで、開いた主人公。
ある日、昔絡んだことのある店で、むちゃくちゃな振る舞いをする有名ラッパーを諭すことになり、そこでラッパーが薬物をやっていることに気付いいて、警察の知人に投げたことが陰謀へと繫がっていくストーリー。
警察に、マフィアに、検察に、更には大統領秘書室まで巻き込んで、手を組み、脅し、裏切って、ハメてハメられての大騒ぎ。
今の時代SNSを使えば簡単にハメられるだろうにと思うところもあるけれど、それを匂わした効果があったのは1箇所だけ。
まあ、それを有りにしたら簡単に話が終わってしまうから仕方ないか。
マフィアにしても、大物という割に何でそんなに情けない?と思っていたけど、本領発揮するとやっぱり怖い(゚Д゚)
ド派手なアクションがある訳ではないけれど、ちょっとチャラ男な主人公を中心に繰り広げられる、スリリングな攻防がとても面白かった。
作品の芯も脚本のセンスもないのでは
色々起きるけど、ただ起こっているのを見るだけで、作品に芯が感じられず、虚しく感じてしまう。韓国映画はエンタメでも、何かしら作り手の社会への眼差しを感じられる作品が多い気がするけど(例えばEXITとかスタートアップ!とか)、これはなかった。設定は色々あるけど、ただ設定にしか感じられない。すぐに忘れてしまうような作品になってしまった気がする。
あと、脚本のセンスが絶望的なのではないか…ユーモアがダメで、なんか古臭く感じられた。おじさんっぽいノリが個人的にあまり合わなかった。量子物理学の喩え、いいでしょうと監督は嬉しそうに沢山出すが、正直あんまり効果がない気がする(原題が量子物理学なので仕方ないが)。
印象に残るのは、パク・ヘスの顔面。ずっと泉昌之の漫画の主人公みたいだと思ってた。すごいパワー。しかし他は『サイコでも大丈夫』のソ・イェジを筆頭にすごく存在感ある役者さんが多いのに、役が不十分に思えた。もっとよく使ってあげることが出来たのでは、と残念。
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