「『未知との遭遇』を超えられないジレンマ」ディメンション kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
『未知との遭遇』を超えられないジレンマ
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アメリカ人はどうしてこうもUFOによる誘拐事件(abduction)ものが好きなのだろうか。宇宙人の造型もロズウェル事件におけるものから進化していないし、拉致されたものの生還した人が多すぎ!やはり他国から侵略されたことのない妄想だらけの国民性。もうアメリカに侵略する勇気のある者は宇宙人だけということか・・・
ストーリーは一貫性があるように思わせているけど、宇宙人関連のIRSP警察による追跡といった架空の組織による謀略の真の目的すら曖昧になっている。登場するのは優しい宇宙人だし、秘密を隠匿するためだけのものだとすれば、生かしておいたアイザックたちを追い詰めるのも意味不明だ。普通なら最初から抹殺するだろうに。最終的にはファンタジーで帰結するものの、展開をスリリングにするために無茶な敵対関係を作っているのだ。
ただし、時代を感じさせる動画投稿によるバッシングだとか、ネットでの検索を不能にする隠蔽工作、アナログとデジタルの使い分けなどは面白かったし、全体的に映像には力を入れていることがわかる。どことなく『コンタクト』(1997)にも似ていたかも。
もっとも記憶に残るのは追跡装置を埋め込んだ腕を切断する技術!この映像は斬新。そして、宇宙の起源を探るとか言いつつ、なぜかイエス・キリストに興味を持った宇宙人。宇宙の起源とは関係ないと思うんだけどなぁ・・・
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